ナガサキ
原爆という重いテーマを考えてほしい。
k s君、今日はなんの日か知っているかい?
s 長崎原爆の日ですよね。
k そうだ。今日は世界で最後に原子爆弾が市民に向けて投下された日だ。八十一年という月日が流れた。この間、一度として原子爆弾は市民に向けて落とされたことはない。しかし、この間において核兵器は人類の想像を超える破壊力を得ていった。「ツァーリ・ボンバ」という衝撃波が地球を三周する兵器を人間は作ってそれを
戦争に使うために保持している。
抑止力といいながらも多くの国で核兵器が製造され実験されている。
戦争に「正義」はない。少なくとも第二次世界大戦では日本の関東軍の731部隊による捕虜を使った人体実験、ドイツのホロコースト、ソ連の自国の市民を無視した戦闘、そして最たるものの一つとなる、
原子爆弾投下
s 改めて振り返ると日本に限らず第二次世界大戦における一般市民の死傷者は別格ですね。すべての国が反省をする必要があるのではないかと考えさせられます。
k もちろん、日本にある戦争責任(さっきも言った捕虜虐待や重慶爆撃といった無差別空襲)を原爆によって被害者の側面のみとして見ることはあってはならない。しかし、世界で唯一の「被爆国」として第二次世界大戦における全ての罪業を伝え続ける覚悟を「すべての国」が持たなければならない。
s 原爆の日に語るものとしては重いですが目を背けてはならないものが原爆という悪魔の兵器に詰まっている気がします。
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k 今回は重要な話だから一旦区切らせてもらった。まず、原子爆弾とは一体なにか知っているか?
s 高校の物理基礎の余談で聞いた記憶がありますアインシュタインの相対性理論から出た世界一美しい公式
「E=mc^2」
この公式から原子爆弾のエネルギーと質量の計算をさせられました。
k さっきの公式は簡単に言って「エネルギーは質量に光速を二乗した値に等しい」という意味があって広島で使われたウラン型原子爆弾は0.7グラムの質量があのエネルギーに変換されたと言われている。
s ……0.7グラム?キログラムの間違いではなく?
k 0.7グラムだ。ウラン型原子爆弾、通称リトルボーイは広島に投下された原子爆弾でウラン235(天然ウランの零点数%しかない)をひたすら濃縮することでできる。
s 一見簡単に見えますね。
k 濃縮だけで億は超える。そんな金額で当時「空想上の兵器」と言われた原爆実験を行ったのにはアインシュタインの推薦状が関係しているとされる。当時、迫害された原因のナチスドイツが原爆を作ろうとしている情報があり、戦争を早く終わらせるために推薦状を書いたと言われている。しかし、ナチスドイツは先に降伏し原爆も構想でしかなかったことが判明。それに加え日本に対する一般市民に向けて使用したことを戦後ずっと後悔している。
s 金が動いた、ということですか。アインシュタインは親日家と言われていましたしその面では良心の呵責があったと思いますね。
k そして、ナガサキに落とされたプルトニウム型原子爆弾、通称ファットマンはプルトニウムを核分裂させることによって膨大なエネルギーを作れる。その特徴としては文字通り太った形をしている。そして何と言ってもコストが低い。プルトニウムは核のゴミのようなものだからだ。ただ非常にに大きな欠点としてプルトニウムはぶつけただけでは核分裂反応を起こさないという面がある。
連日徹夜で計算をし続け爆縮レンズと言う球形のプルトニウムを均等に圧縮することによって核分裂反応を起こせることを発見。これがファットマンとして福岡県の小倉に投下されることとなった。
しかし当日、想定外の事態が発生した。小倉上空が曇りで原爆投下はできず。燃料が尽きる寸前で投下しなければ墜落という窮地に陥った。そして。
一瞬、雲の隙間から街が見えた。人類に向けられた最後の原子爆弾が投下された。
ナガサキだった。
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「当時、長崎市の人口は推定24万人、長崎市の同年12月末の集計によると被害は、死者7万3884人、負傷者7万4909人、罹災人員:12万820人、罹災戸数1万8409戸にのぼった。(ウィキペディア、原子爆弾より引用)」
死傷者は、ヒロシマの二十万人より少ない。山間部だったのも影響しているのだろう。
しかし、重要なのは人数ではないことを理解すべきだ。
全員に家族が居て、帰りを待つ友が居た。一人ひとりに名前があった。この命の重さを比べようとすること自体、おこがましい話ではないだろうか。
八十年と続く原爆症との闘いを一般市民に強要させた。
鬼畜の所業と言わずしてなんと言おうか。
s なぜヒロシマには使われなかったのでしょうか……
k 比較実験という側面があるとされている。ソ連も原爆開発を行っていたという側面がありアメリカとしてソ連に対し牽制する目的があった。それを踏まえるとソ連との冷戦準備の前段階の計画としての側面があった。経済政策に原爆を利用したのだ。
s ……カネのために原爆を使ったのですか。
k 少し違う。第二次世界大戦という正義なき争いの大本が「カネ」だった。終始カネに振り回され振り回した。政治家が、命をカネのために奪ったのだ。原爆はその後も運命に翻弄された。
朝鮮戦争でマッカーサーが原爆投下を願い出るとトルーマン米国大統領はソ連との核戦争を恐れマッカーサーを更迭。核抑止論が始まった。キューバ危機など多くの危機を乗り越え、現在もナガサキが最後の被爆地となっている。皮肉な話でしかないが。
s 原爆は何故消えないのでしょうね。
k 日本も自民党の議員が核を持つべきではないかという発言をしたという。核を持てば超大国と張り合える。そんな風に浮かれての発言だったのではないだろうか。
原爆を使ったら世界が滅ぶ。
日本が一番わかっているはずだ。他の国はワンチャン助かると思っているが、そんなことは絶対に有り得ない。
ナガサキ、ヒロシマの惨劇を見て反省している政治家はどこにいるのだろうか。
s どこにも居ないように感じるのは僕だけでしょうか。
k 化学兵器は生物兵器とともに開発、製造、使用などの全てが禁止されている。アメリカが署名している。残虐だから、というのが理由だそうだ。
原爆が残虐ではないとアメリカ含めた核保有国はそう思っているのかもしれない。
s ……人類は滅ぶ他に道はないのでしょうか。
k 原子爆弾、水素爆弾、核ミサイルがあり続ける限り人類は滅ぶ運命にある。
人類って愚かだよね。
生きるための殺し合いじゃない。
滅ぼし合うための争いばっかりする。
地球が滅んで、その光景を僕らが見たとき。
世界で一番愚かな生物は、人間だって僕は言う。
いつか絶対に核兵器をこの世から消して見せる。この世界に、原爆は絶対にいらない。
ナガサキが、永遠に最後の被爆地になるように人間一人一人が考えないと。
世界は、人間と全ての生物が動かす。それを分からない人類であってほしくない。
永遠はない。でも人類の終わりが人と人の殺し合いとは。なんと愚かなことか。




