二十六言目 破壊活動防止法(破防法)、団体規制法
久々の復活です。特定の団体を非難する意図はないことをご承知ください。
s そういえば、日本国憲法で集会、結社の自由が国民の権利として書かれていますが、公共の福祉に反する団体(例えばテロ組織)は一体どうなっているのですか。
k 今回は、犯罪集団とその違いについて考えようか。例えば東アジア反日武装戦線、連合赤軍、日本赤軍は全員逮捕されているか逃亡中。極左暴力集団の中でも暴力革命を歌い、銃砲店から銃を強奪したり騒乱を起こしたりと凄まじい犯罪を犯しているわけだ。これは公共の福祉に反するわけであって即座に取り締まらなければ滅茶苦茶やばい団体というのは分かるだろう。
s 確かに、「あさま山荘事件」を例えに出しても分かるほど暴力革命を徹底している集団でしたね。
k しかし、実際に実行していない場合や過去に行ったが現在はそういった破壊的活動は行っていない団体の場合は取り締まることはできない。そこで登場したのが「破壊活動防止法」だ。
s 破壊活動防止法?
k そうだ。ただ、第一条から第三条にかけて目的や濫用の禁止が書かれているほどに指定は厳格とされている。現在指定されている団体では中核派、革マル派、大日本愛国党、日本共産党などが指定されている。
s なんか、右派とか左派関係なく指定されていますね。
k どれも暴力による革命を排除していないことから極右、極左関係なく指定される。
s 日本共産党は……
k 昔の暴力革命の肯定が引きずられているよね。現在対話的な革命を視野に入れているが(本当に不思議なもので日本共産党は日本国憲法全条項の改正反対を押し通している。日本国憲法が認めている私有財産とか【共産党】という組織は思想の絶対的な違いにより認めることはないのだから日本共産党が標準的な共産党という存在から結構離れた位置に存在するといえる。)今後、それを撤回して又暴力革命に躍り出る可能性が排除しきれないために指定は解除されていない。だから指定されているからと言って『犯罪集団』として括るのは完全なる誤解ということはとどめておこう。
s あくまで指定されていて調査は受けるけど、犯罪は起こしていないという状況ということですか。暴力団との違いは?
k 暴力団は反社会的組織という部分では一致しているものの、日本という国家を転覆させる目的や意思は持っていないという点で大きな違いがある。ただ、薬物や金の密輸などの犯罪行為と極めて密接な関係を持つことから規制を受ける。
s 受ける規制の種類は違うのですね。
k 日本という国家からしてみれば犯罪の質が違うからね。暴力団対策法によって暴力団は極めて厳しい規制を受けている。ただ、全員が犯罪を犯している分部はないという点では破防法に定める組織と一致していると言えよう(暴力団は全部黒寄りのグレーだが破防法は相当白に近いグレーも調査を受けるから幅の違いは大きい)。だから暴対法は平成三年にできているのに対して破防法は昭和二十七年にできていることからも国家を揺るがすものに対する犯罪を厳しく取り締まりたかった経緯がうかがえる。
s 破防法って成立までに結構揉めたでしょうね。
k ウィキペディア見ると分かるけど吉田内閣のときに揉めに揉めてあんまり機能はしづらくなった。ただし、機関誌の発行を一定期間禁止することはできたり集会を一定期間禁止できたりする。表現の自由や集会の自由を制限できる結構強めの権限があるよ。
s 機関誌も発行禁止があり得るのですか?
k 例えば
「明日、〇〇広場にて〇〇反対運動を行う。手段を問わずこの悪法は必ず撤回させる。同士たちよ。結集せよ!」
こんな感じの機関誌を発行して大衆を煽って国会に一般人を乗り込ませて国会の機能を停止させるということはありえない話ではない。だから「暴力主義的破壊活動を行つた団体に対して、当該団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由」がある場合に限って機関誌の発行の禁止ができる。
ここまで厳重な制限があるのには当然、日本国憲法にある表現の自由を制限しないため。難しい線引だよね。
s 本当に厳しいですが、団体の解体もできるという点においてはものすごい強力な権限が認められていますね。
k 権限が強力な分、公安調査官は省令に定められた身分証を示さないといけなかったり、年一回の法務大臣による国会への報告義務があるね。
s 使い勝手が悪い法律にも見えますが、日本国憲法の定める表現の自由は極力制限してはならないのもわかります。
k 話を逸らすけどドイツは「闘う民主主義」と言う制度がある。憲法に反する内容を掲げる過激な組織は解体される。共産党やナチズムを掲げる組織は解体された。現在も再建はされたけど厳しい監視が行われている。
s どの国においてもそうですが共産党って本当に監視されやすいですね。
k ソ連の成立が革命によるものだったのもあって警戒されやすいのかも。ただ、共産党にいるからといってそれで差別したり排除したりしようとするのはお門違い。目指している理想が異なるだけでそれを排除しようとするのは日本国憲法の理念から外れているからね。だから破防法も日本共産党を含めた指定組織に対する監視は調査等の限られた手段にとどめられている。
s そうなると、地下鉄サリン事件などの卑劣な犯罪を犯した組織は破防法に指定されているのですか?
k 「将来」に及ぶ犯行を抑止するためにあるものだからトップや幹部が一斉検挙されたその組織は将来また同じ犯罪を犯すと考えられにくいために指定はされていない。ただ、事件が悪質かつ集団的に行われたから別の法律で規制することにした。「団体規制法」だ。団体を解散させられないのが違いだが(税についての優遇がある宗教法人としては解散命令が出ている)同じく厳しい公安による監視が行われる。今後同じ事件が起きるとも限らないからこの法律も消えることはないだろう。二度と起きてほしくない凄惨な事件だが。
s 破防法は解散を受けても個人の活動は制限されないのが特徴ですね。
k 人間は集団になると恐ろしいほどに力を持つからね。これは、全てに言えることだ。
アドルフ・ヒトラーも現代にいたら、一人だけだったら気が狂った変人扱いするだろう。
ヒトラーが悪魔となった所以は、大衆と組織の暴走が産んだプロパガンダにある。
民衆いてこその「団体」
国民自身の知恵によってでしか、集団の暴走は防げない。
憲法の定めた自由は、大衆が守っている紙切れにすぎない。それを守る秩序ある社会を作っているのは他ならぬ国民自身だ。
それが分かる社会は、意外と遠い。
出典:e-GOV法令検索、ウィキペディア、法務省




