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法と政治の無知な批判者に告ぐ  作者: i/o


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二十一言目 ポツダム宣言

i/oはポツダム宣言の現代訳に挑戦します。マジでここまで難しい訳、やったことがないので誤訳があった場合、重大な解釈違いがあった場合は感想で報告願います。

s 日本国憲法の解説ってこんなにも長くなるのですね


k あれだけでも滅茶苦茶省いて解説しているから図書館行って調べな。マジで奥が深いから。


s そういえば大日本帝国憲法の改正の基礎となったものってどんなものなのですか?


k それこそが、日本に示された「ポツダム宣言」と言われる日本軍無条件降伏を促す連合国(アメリカ、イギリス、中華民国の宣言でソ連自体は宣言に参加していない)の宣言だ。今回はこれを解説しようか。これは連合国との間に交わされた平和条約が効力を示すまでの間適用されていた法律の一種と考えることができる。これによって多くの非民主的な法律が排除されることとなった。このポツダム宣言、意外と重要だよ。




「1 吾等合衆国大統領、中華民国政府首席及「グレート・ブリテン」国総理大臣ハ吾等ノ数億ノ国民ヲ代表シ協議ノ上日本国ニ対シ今次ノ戦争ヲ終結スルノ機会ヲ与フルコトニ意見一致セリ

2 合衆国、英帝国及中華民国ノ巨大ナル陸、海、空軍ハ西方ヨリ自国ノ陸軍及空軍ニ依ル数倍ノ増強ヲ受ケ日本国ニ対シ最後的打撃ヲ加フルノ態勢ヲ整ヘタリ右軍事力ハ日本国カ抵抗ヲ終止スルニ至ル迄同国ニ対シ戦争ヲ遂行スルノ一切ノ連合国ノ決意ニ依リ支持セラレ且鼓舞セラレ居ルモノナリ

3 蹶起セル世界ノ自由ナル人民ノ力ニ対スル「ドイツ」国ノ無益且無意義ナル抵抗ノ結果ハ日本国国民ニ対スル先例ヲ極メテ明白ニ示スモノナリ現在日本国ニ対シ集結シツツアル力ハ抵抗スル「ナチス」ニ対シ適用セラレタル場合ニ於テ全「ドイツ」国人民ノ土地、産業及生活様式ヲ必然的ニ荒廃ニ帰セシメタル力ニ比シ測リ知レサル程度ニ強大ナルモノナリ吾等ノ決意ニ支持セラルル吾等ノ軍事力ノ最高度ノ使用ハ日本国軍隊ノ不可避且完全ナル壊滅ヲ意味スヘク又同様必然的ニ日本国本土ノ完全ナル破壊ヲ意味スヘシ

4 無分別ナル打算ニ依リ日本帝国ヲ滅亡ノ淵ニ陥レタル我儘ナル軍国主義的助言者に依リ日本国カ引続キ統御セラルヘキカ又ハ理性ノ経路ヲ日本国カ履ムヘキカヲ日本国カ決定スヘキ時期ハ到来セリ

5 吾等ノ条件ハ左ノ如シ吾等ハ右条件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ右ニ代ル条件存在セス吾等ハ遅延ヲ認ムルヲ得ス

6 吾等ハ無責任ナル軍国主義カ世界ヨリ駆逐セラルルニ至ル迄ハ平和、安全及正義ノ新秩序カ生シ得サルコトヲ主張スルモノナルヲ以テ日本国国民ヲ欺瞞シ之ヲシテ世界征服ノ挙ニ出ツルノ過誤ヲ犯サシメタル者ノ権力及勢力ハ永久ニ除去セラレサルヘカラス

7 右ノ如キ新秩序カ建設セラレ且日本国ノ戦争遂行能力カ破砕セラレタルコトノ確証アルニ至ルマテハ連合国ノ指定スヘキ日本国領域内ノ諸地点ハ吾等ノ茲ニ指示スル基本的目的ノ達成ヲ確保スルタメ占領セラルヘシ

8 「カイロ」 宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州 北海道九州及四国竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ

9 日本国軍隊ハ完全ニ武装ヲ解除セラレタル後各自ノ家庭ニ復帰シ平和的且生産的ノ生活ヲ営ムノ機会ヲ得シメラルヘシ

10 吾等ハ日本人ヲ民族トシテ奴隷化セントシ又ハ国民トシテ滅亡セシメントスルノ意図ヲ有スルモノニ非サルモ吾等ノ俘虜ヲ虐待セル者ヲ含ム一切ノ戦争犯罪人ニ対シテハ厳重ナル処罰ヲ加ヘラルヘシ日本国政府ハ日本国国民ノ間ニ於ケル民主主義的傾向ノ復活強化ニ対スル一切の障礙ヲ除去スヘシ言論、宗教及思想ノ自由竝ニ基本的人権ノ尊重ハ確立セラルヘシ

11 日本国ハ其ノ経済ヲ支持シ且公正ナル実物賠償ノ取立ヲ可能ナラシムルカ如キ産業ヲ維持スルコトヲ許サルヘシ但シ日本国ヲシテ戦争ノ為再軍備ヲ為スコトヲ得シムルカ如キ産業ハ此ノ限ニ在ラス右目的ノ為原料ノ入手(其ノ支配トハ之ヲ区別ス)ヲ許サルヘシ日本国ハ将来世界貿易関係ヘノ参加ヲ許サルヘシ

12 前記諸目的カ達成セラレ且日本国国民ノ自由ニ表明セル意思ニ従ヒ平和的傾向ヲ有シ且責任アル政府カ樹立セラルルニ於テハ連合国ノ占領軍ハ直ニ日本国ヨリ撤収セラルヘシ

13 吾等ハ日本国政府カ直ニ全日本国軍隊ノ無条件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適当且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ対シ要求ス右以外ノ日本国ノ選択ハ迅速且完全ナル壊滅アルノミトス」(出典、内閣府ホームページより)




s はっきり言って大日本帝国憲法の方が読みやすさとしてましと思うくらい分かりやすいです。カタカナと漢字が多すぎてマジで読めない!


k もちろん僕なりに現代訳してみるから少し辛抱しててくれ。まあ、厳格な言葉で書かないと終戦を決意させるに至らないし何より、舐められる可能性があるから相当厳しい言葉を使っている。だから現代だとなおさら読みづらいんだよね。それでも知ってほしいから現代語訳をしてみる。日本の命運を決めた「宣言」を。


i/o現代訳 ポツダム宣言(厳密な解釈は別にお願いします)


「1 我らアメリカ合衆国大統領、中華民国政府首席及びイギリス総理大臣は我ら数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し今次の戦争(太平洋戦争)を終結する機会を与える意見で一致した。

 2アメリカ合衆国、イギリス及び中華民国の巨大な陸、海、空軍は西方より自国の陸軍及び空軍による数倍の増強を受け日本国に対し最後的打撃を加える態勢を整えた。これらの軍事力は日本軍が抵抗を止めるまで同国に対し戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され、かつ鼓舞されるものである。

 3 躍起した、世界の自由なはずの人民の力に対するドイツ国の無益かつ無意義な抵抗の結果は日本国民に対するこれから起きるであろう結果として極めて明白に示すものだ。現在日本国に対し集結しつつある力は抵抗するナチスに対し適用された場合において全ドイツ国人民の土地、産業及び生活様式を必然的に荒廃させた力(ナチスドイツの生活基盤を全部ぶっ壊すほどの力)に比べて、計り知れないほどに強大なものだ(ナチスドイツに対して行ったものより更に強力な攻撃を行うという意味)。我らの決意に支持した我らの軍事力の最も強い力の使用は日本国軍隊の不可避かつ完全なる壊滅を意味する。又同様に、必然的に日本国本土の完全的破壊を意味する。

 4 浅はかな打算により日本帝国を滅亡のふちに陥れた我儘な、軍国主義的指導者(軍国主義の政府)により日本国が引続き統御されるべきか、理性の経路を日本国が踏むべきか。日本国が決定すべき時期は到来している。

 5 我らの条件はこれから述べるとおりである。我らはこれらに述べた条件より離脱することはない。これらに変わる条件は存在しない。我らは遅延を認めることはない。

 6 我らは無責任な軍国主義が世界より駆逐されるに至るまでは平和、安全及び正義の新秩序が生まれることはできないことを主張することを以て、日本国国民を騙し、誤った方向に導いて世界征服を企てた過ちを犯した者の権力及び勢力は永久に除去する。

 7 上記のように新秩序が建設されてかつ日本国の戦争遂行能力が消えたことの確証に至るまでは、連合国の指定すべき日本国領域内の諸地点は、我らのここに指示する基本的目的の達成を確保するため日本国は占領される。

 8 「カイロ」 宣言の条項は履行されなければならない。又日本国の主権は本州 北海道九州及び四国ならびに我らの決定する諸小島に限定される。

 9 日本国軍隊は完全に武装を解除されたのち、各自の家庭に復帰し平和的かつ生産的の生活を営む機会を得ることができる。

 10 我らは日本人を民族として奴隷化したり国民として滅亡させたりする意図を持ってはいないが、我らの捕虜を虐待した者を含む一切の戦争犯罪人に対しては厳重な処罰されなければならない。日本国政府は日本国国民の間における民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障害を除去する。言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されなければならない。

 11 日本国はその経済を支持し、かつ適正な現物賠償を可能にするため産業を維持することを許す。ただし日本国に戦争の為、再軍備に協力する産業はこの限りではない。上記の目的のため原料の入手(その支配とはこれを区別する)を許す、日本国は将来世界貿易関係への参加を許す。

 12 前記諸々の目的が達成され、かつ日本国国民の自由に表明する意思に従い、平和的傾向を有しかつ責任ある政府が樹立されたときにおいては連合国の占領軍は直ちに日本国より撤収する。

 13 我らは日本国政府が直ちに全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し、かつ上記の行動における同政府の誠意について、適当であるかつ充分なる保障を提供することを同政府に対し要求する。右以外の日本国の選択は迅速かつ完全なる壊滅あるのみとする。」



s だいぶ分かりやすくなった方だとは思いますがこうしてみるとやはり、日本は圧倒的な武力の前に抵抗すべき手段を示せないほどに追い詰められていたのですね。


k そもそも戦争なんかしなければこんな宣言を喰らうどころかここまで多くの被害者を出すこともなかったことを忘れてはいけないよ。その上でこのポツダム宣言。ドイツのポツダムで宣言されたからこの名前がついているけど一回日本政府はこの宣言を黙殺している。


s なんで黙殺したのですか!そこで受諾していれば原爆もソ連侵攻もなかったではありませんか!


k 日本軍のプライドだよ。本当に無駄なプライド。国体護持(天皇制の維持)は重要だったかもしれない。でも日本が滅んだら何の意味もないことを軍国主義の日本政府は理解しようとしなかった。そして玉砕して歴史に名を刻みつけることしか意識していなかったのだと感じる。多くの意見があるけど、少なくとも僕にはそうとしか見えない。昭和天皇の決めた覚悟はその軍部をねじ伏せた凄いものとは思う。それ故に何でさっさと軍部はポツダム宣言を受諾しなかったのか。真意は当時の国民感情でしか計り知れない。


s ものすごく簡略に言えば、日本軍が無条件降伏をすればある程度のことは保証するということだったのですか?


k そうだね。あくまで()()()だから、一応日本政府という存在に対しては条件付き降伏という感覚になる。ここは解釈が割れやすいから曖昧かな。


s これによって日本は玉音放送を流し日本軍は戦闘停止(各地の小規模戦闘や千島列島の占守島の戦いを除く)をしましたが、それ以外にはどんな影響があったのでしょうか。


k 一つは民主主義に反する軍国主義的な法律(主に治安維持法や国家総動員法)が廃止された。ポツダム宣言を受け入れた以上は廃止する他に有りなかった。二つ目は領土、本州四国九州北海道以外は連合国が決めた場所以外主権は及ばなくなった。三つ目は軍について。太平洋戦争を主導した戦争犯罪人を処罰したり日本軍の武装解除をしたりなど軍国主義の徹底的な排除が敢行された。


s 最後の部分に新しい民主的な政府になれば撤退と書いてあったのは日本への配慮なのでしょうか。


k 日本の破滅を宣言すれば絶対に日本が徹底抗戦に入る。となれば確実に連合国軍はそれまで以上の苦戦を強いられ死者を出す。それを避けるためにも譲歩できる部分は譲歩したのかも。だからその規定は温情とか配慮みたいな甘いものではないと思う。


s そう言えば何でソ連は日本がポツダム宣言を受諾した後も侵攻を続けたのですか。日ソ中立条約が破られたのはヤルタ会談のせいとはいえポツダム宣言受諾後も日本を攻めることは許されなかったのでは?


k ソ連は当時、ポツダム宣言に参加していなかったから日本がミズリーで降伏調書にサインするまでの間に日本が抵抗できないことをいいことにして侵攻したのさ。ヤルタ会談でソ連に侵攻させればアメリカのやることが減ると思っていた当時のルーズベルト大統領と、ソ連の共産圏拡大を阻止したかったトルーマン大統領の思想の違いがこの結果を招いたと言っても過言ではない。八十年間続く北方領土問題を作ったヤルタ会談の罪深さは凄まじいと感じる。そもそも、当時から密談で領土変更することは許されていなかったのもこの北方領土問題が続いている原因。アメリカが千島列島侵攻を許したのはその時点で国際法違反だった(密談で領土変更禁止はそもそもの話第一次世界大戦が終わったときに十四か条の平和原則(出典、Wikipedia)をアメリカが言い始めたものではあるが)。


s ……戦争でろくなことにあっていませんね。民主的になったとはいえ、ここまでの犠牲は必要なかったはずです。


k 当然だ。必要な犠牲なんかじゃない。国体護持と東アジアの平和を謳った聖戦はタダの殺し合い。政府は尊い命をコマとして弄んだ。決して許される罪ではないしこれからも許されるものではない。軍人が必要以上に辛い人生を歩む羽目になった。政府は取るべき責任があったはずだ。A級戦犯として裁かれたとはいえ。運命の歯車がどうこういう口はどこにもない。


 何故ならば、それは人間が選んだ道だから。日本人が選んでしまった道だから。この事実は、永久に忘れてはならない。




 尊い命を弄び続ける超大国の政府とその現代に、その反省は生きているのか。




 教訓が生きているわけがない。




 こんなので第二次世界大戦によって犠牲になった人たちに顔向けは絶対にできない。

結構重いテーマです。結構政治や法律と比べて歴史よりのテーマですが、この存在した事実は絶対に忘れないでほしいです。

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修正ありがとうございました。 1例を持ってお話すると、前後の連合国による戦時犯罪者への裁判、俗に極東裁判と呼ばれたあの裁判では、上官の命令に従っただけの者、文化風習の違いで侮辱、虐待したと勘違いされ…
翻訳お疲れ様です。 翻訳された内容はわかりやすく、齟齬も無いのではないかと思います。 ひとつだけ気になった点があるとするならば、ポツダム宣言の即時受諾を蹴った理由を、プライドのため、ということのみに…
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