十八言目 今更シリーズ、日本国憲法第二章
今回は九条自体の解説にとどめます(自衛権、憲法と政治と自衛隊の回で解説しているため)。その回もできれば見てほしいです。
s 遂に第二章ですか……
k 二章に来てしまったよ……よく自衛隊や自衛権の話はしてきたけど面と向かって日本国憲法第二章をやるのは初めてだね。第二章は条が一つだけで編成されている。内容は、
「戦争の放棄」
日本国憲法の根幹を成す条文だ。日本国憲法は国民主権、基本的人権の尊重、平和主義からできている。それを構成する極めて重要な条文だ。三大原則は基本的に改正できる範囲外と解釈されているため、戦争を肯定する内容に変えることはできないとされる。もし変わればそれは日本国憲法とは呼べないからだ。
s それを考えると本当に慎重に考えなければならない条文の一つと言えるのですね。
k 憲法改正というものはどれも慎重であるべきだけどこの条文は三大原則の一つというのもあって最も慎重に議論を行わなければならない。それでは一回、第二章第九条についておさらいしよう。
「第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
第二次世界大戦の悲惨で残酷な殺し合いに対する反省からできているこの条項は、日本で最も争いの絶えない議論となっている条文でもある。国権の発動たる戦争、武力による威嚇又は行使は国際紛争を解決する手段として永久にこれを放棄することを宣言している。だから本来は自衛隊は違憲と言われても仕方がない存在なんだ。
s この条文は平和主義の観点から一項は変更したくありませんね。国際紛争を解決する手段としての武力行使は日本が戦争に加担するということそのものですし。
k 一項の目的を達するために陸海空軍その他の戦力は保持しないとしている。そして一番重要なのは国の交戦権を認めていないことだ。宣戦布告から始まる戦争を含めたすべての武力行使は絶対に許されない。例え国際法上許される交戦権が存在してもそれは認められないんだ。
s 国の交戦権は読んで字の如くとは思いますがどういう意味ですか?
k 戦時国際法における交戦権を認めないということだ。交戦国は一定の権利があるがそれは一切認められない。例えばハーグ陸戦条約の宣戦布告は絶対にできない。当然、宣戦布告をしなければ国際法上、国を攻めることはできないから他国への武力行使は封じられるというわけだ。
s 自衛隊は他国から軍と言う扱いだそうですが何で軍扱いとなるのですか?
k 実力組織と言ってもほぼ軍と同じだからね。国を守るという目的であれば。後、軍隊には国際法上守る義務のある事(例としては赤十字の旗を使って攻めたり白旗を上げながら突っ込んだりなどの禁止)があるから自衛隊もそれは守らなければならない。だって自衛隊が捕虜になったときに虐待を受けたら日本が戦時国際法を守っていなければ文句の言いようがないからだ。
s それを考えると自衛隊はもう、実力組織という範疇を超えてしまっていると言うしかないのですね。
k 国際情勢的に自衛隊は違憲判断が極めて難しい。だから最高裁判所は統治行為論によって回避しようとしている。本当であれば憲法判断をすべきとは思うが自衛隊という巨大かつ今までの災害救助支援の事も考えて解体は不可能に近い。
だから、自衛隊を廃止するのではなく憲法改正によって自衛隊の存在を明確にしなければならない。
s 内閣総理大臣は文民(軍人ではない人)でなければならないという項目がある以上、自衛隊の暴走は権力によって起きることは防げるという感じはしますね。
k ただ、自衛隊の存在を明記する場合、九条2項の戦力の放棄をどうするかが重要だ。2項を残すのか、戦力を定義して自衛隊を合憲にするか、2項を削除し自衛隊について明記するかの選択肢がある。
僕の意見としては戦力を定義してそれ以外の侵略目的の戦力を放棄するというのがいいと思うがそういう意味でも自衛隊の存在についての議論は慎重に行いたい。
s 日本国憲法の中心と言っても過言ではない条文を数の力で変えてはならないとは感じます。
k 本当にその通り。九条は平和主義の根幹を成す極めて重要な条文。全文削除は許されない以上、平和主義を貫きながらどうやって憲法と向き合っていくか。
s 平和主義自体は前文にも記載されていますね。平和的生存権などはそこに記載されていますし。
k だからこそ、前文を変えるべきかどうかも議論しなければならない。憲法の内容同士で矛盾していたら元も子もない。憲法改正って、本当に難しい問題なんだよ。
s 短い議論にしてはいけませんね。
今回は短めですがよく見てほしいです。




