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どらんくんモンチーズ!  作者: 猫渕珠子
第二幕. ふぉーがっとんモンチーズ!
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Chapter19: 敷島ゆかりの考察

 最終列車で帰ってきた栃内とちないくんは、駅のホームに降り立ち、空を見上げて驚きました。地方都市を出たときには満天の星空が広がっていたのに、数駅離れたアパートのある街には、今にも雨が降り出しそうな雲がどんよりと広がっていたからです。


 ――酔っ払っているせいで曇って見えているに違いない!


 いいえ、実際に空は曇っていました。そして、酔っ払っているのには違いありません。


 栃内くんは駅構内を出て、アパートに向けてほてほてと歩き出します。雨はすぐにポツリポツリと降り出してきました。曇ってたのが本当だったとわかり、傘も持っていなかったため、早歩きになって家路を急ぎます。


 アパート近くの公園まできても、まだ雨は弱いままでした。


 どうやら本降ほんぶりになる前に帰り着きそう。


 しかし公園を通り抜け出ようとしたとき、足が止まってしまいます。


 街灯わきにあるベンチに、若い女性がひとりで寝ていたのです。


 真夜中にもかかわらず、雨が振り始めているにもかかわらず、彼女はいったいなにをしているのでしょう。終電に間に合わず不貞寝ふてねしているのでしょうか? そもそも駅にたどり着く前に力尽きたのでしょうか?


 放っては置けずに近づいてみると、なんと、大学の同級生――敷島ゆかりでした。


 彼女はお酒の臭いをプンプン漂わせています。


 靴だって履いていないではありませんか!


 彼氏と別れてヤケ酒でもしていたあげくの末路でしょうか?


 栃内くんは目を覚まさせようとトライしました。でも、敷島ゆかりはすっかり泥酔でいすいしているらしく、心地よさげに寝息を立てるばかり。そうこうしている内に、雨脚が強まってきまい、しかたなく一時避難させることにします。


 アパートへ着いたときにはもう土砂降りの様相ようそうでした。


 玄関に横たえた敷島ゆかりは、全身ずぶ濡れになっても依然として深い夢の中です。


 栃内くんは試しにほほを叩いてみました。


 敷島ゆかりは眠り続けています。


 今度は腹を殴ってみました。


 それでも起きる気配がありません。


 彼女はお酒が入ると、ちょっとやそっとじゃ起きない都合つごうのいいたちのようです。


 栃内くんはよからぬイタズラを思いつき、敷島ゆかりをベッドへと――


          ○


「ちょっとまったあぁぁぁ!」

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