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宵(よい)の口(くち)

宵の口にふと訪れる季節の変わり目を詠みました。

山の近い土地では、まず「音」から季節が進みます。

鈴虫の声、月の光、葉の影——その静かな連なりを短歌にしています。


宵(よい)の口(くち)

熱(ねつ)冷(さ)ます声(こえ)

鈴々(りんりん)と

傾(かし)げた月(つき)は

陰(かげ)の葉(は)を広(ひろ)めり



【解説】

山が近い土地では、季節の変化はまず音から訪れる。

宵の口、まだ昼の熱が残る空気の中に、

鈴虫の澄んだ声が入り込み、

その響きが体温をそっと冷ましていく。


湿度の下がった夜気は透明度を増し、

傾いた月の光は真夏よりも強く葉を照らす。

その光に押されるように、木々の影は静かに広がり、

季節がひとつ進んだことを知らせている。



=====余白de川柳=====

梨茄子を 割るさかむけに 沁みる青


読んでくださり、ありがとうございます。

季節は大きく変わるのではなく、

音、温度、光、影の順で静かに進んでいく——

その感覚を短歌に落とし込んだ一作です。

また次の季節も、ゆっくり詠んでいければと思います。


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