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遠望(えんぼう)の

朝マヅメの一瞬を詠んだ一首です。

満潮と満月が重なる時刻に、

自然の気配がふと立ち上がりました。


遠望えんぼう

はるあけぼの

つき

しおいまそかりと

浮子うきを沈めり


【解説】

朝マヅメを狙って釣りに向かう。

やうやう白みゆく、この時刻。

人事は尽した。

朝日と満月と満潮が、この一尾を授けてくれたのだと思う。


========余白de川柳=========

春はのっこみ やうやう白く なりゆく前に

船の朋 となりで上司は お神酒あげ呑み

青物は 嫌いという口が 食べる釣り鯖

うきしずみ しごとははげしく なくていい

使わんと 欲したことばは 「いまそかり」


「いまそかり」は古い尊敬語ですが、

潮の“臨在”を描くために使ってみました。

朝の白みゆく気配と、浮子の沈む瞬間を重ねています。


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