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『30:「旅人さん」』
「どうしてこうなったんだろう」
「君が先延ばしにし過ぎたからじゃないかな」
僕はバイクで旅をしている。
そして今、なぜか花嫁にされている。
「あなたは神の花嫁に選ばれた、とか怪しいことを言われた時点で早く逃げればよかったんだ」
「いや、だって、そのあとふかふかの布団や豪華な食事を出されたからさ……」
「その結果、ずるずると逃げる機会を逃がしてもう3日でしょ!?」
「さすがに雰囲気がやばくなってきたからそろそろ逃げるよ」
「あれが花嫁様を神の身許に送るための檻です」
「すごい……木と藁でできた巨大な人形だ」
「あれに花嫁様をいれて燃やします」
「燃やす」
「いや、夜のうちに逃げて正解だったね」
「だいぶ距離が離れたけど、あのあとどうなったんだろうね」
「狙撃スコープで覗いてみようか」
「僕に似せられた人が放り込まれてる……すごく暴れてる」
「あ、火がついた……暴れてるのと火で脆くなってるせいで巨大藁人形が壊れた」
「あ、男が走って逃げてる……村に火がついてる……」
「…………行こうか」
「今回の生贄は彼らになっちゃったね」




