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『29:「気弱な魔王」』
「魔王様……いい加減にしてください」
「そうは言っても生まれ持った性分は変えられないのだ……」
「そんな悪行ばかりしてないできちんと魔族としての本分を果たせって言ってるんですよ!」
「だって……」
「だってじゃありません!」
「ほら、きちんと人間たちを虐殺してください」
「いや、人殺しはちょっと……」
「きちんと魔界の瘴気で土地を汚染してください」
「草花を枯らすのは悪いことだと思うんだ」
「我ら魔族の本分は力、強奪、汚染ですよ」
「やだ、僕の種族怖い……」
「いたな、魔王! 千の国の祈りを束ねた最終兵器を食らえ」
パチッ
「やっぱり平和が一番だと思うんだ」
(あれを食らえば魔界が一撃でほろんだはず……それを片手間で対処して見せた……この方が野心さえ抱いていれば……!)
「あーもう、どうして魔王様はすごいのにその力を見せないのですか!」
「やっぱ、こう……苦手なものは……ね?」
「きーっ!」




