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『16:「カーナビ」』
――ポーン
『そこを右です』
「カーナビがおかしくなったか?」
『そこを右です』
「さっきから山奥に進んでるけど、こっちの道であってる?」
『そこを右です』
「さっきからこのカーナビ同じことしか言わないな」
「待って、この道が舗装されてなくない?」
「こっちであってるよ」
『そこを右です』
「本当にあってるの?」
「こっちだよ」
『そこを右です』
「ねぇ、どんどん山奥にいってるよ」
「こっちだって」
『そこを右です』
「ねぇ、本当に!」
『逃げろ!!』
唐突な声に私は必死に車から飛び降りた。
車はそのまま直進し、崖から落ちていった。
体の痛みよりも飛び降りる直前に見た、彼の睨みつける形相が忘れられない。




