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(三)

 この日の客は宝町証券という外資系の投資銀行で、買収した企業の商品をネット販売するための施策を提案するというものだった。

 私と武西君は会議室に通された。相手を待っていると、ファンドの担当者二名が会議室のドアを開けて入ってきた。

 本来ならそこですぐに挨拶と名刺交換が行われるところだが、相手の二人のうちの片方を見て、私は言葉を失った。私はしまった、と思った。

 部屋に入ってきたのは小川和人と橋園学と名乗る男性だった。二人とも身長は一七五センチ以上で、肌は浅黒かった。しかし問題はもう一人の小川和人の方だった。この男は、私もよく知る人間であった。というのも、この男こそ、私の元夫だったからだ。


(続く)

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