僕の知らないゴスロリが僕の事をHENTAI罵倒連呼し過ぎて、ヤバイ。
「つまらない女って、今になって思うわ。あなたとの会話の種が、一つも思い浮かばない。もっと喋りたいのに、話せない」
「あたし達って、結構似た者同士なのかもね。たった一つを除いては、並以下の凡人のそれより下。あたしはロックスターで、あなたはヒーロー。おかしな話よ。そんなあたし達の唯一の共通点は、魔法使いだってことですら」
ワーナーの色っぽい台詞が、酔いが回ったせいなのだろうか。普段とかけ離れている言動に、戸惑った。
「ご主人様。起きてください。もう・・・昼ですよ」
「・・・・起きてるよ。もう昼か・・・」
そろそろ、普通の人間の真似事をする自己満足する行為も、辞め時なのかもしれない。
ピピピピピピピピピ
ピッ!
「・・・・・フォース、KC」
「すまないわね。こんな時に。南南東1400キロの場所で客船が海賊に襲われたわ。緊急コード409。頼んだわよ、晃弘君」
「わかりました」
「・・・・いってらっしゃいませ、ご主人様」
「行ってくるよ」
栞とエリカはなおも熟睡しているようだ。アルコールを飲み過ぎたのだ。
「・・・頭痛い・・・」
案件の片付けが完了したのは見た事も無い蝶が夕暮れに羽ばたく頃合だった。
「・・・・赤いなぁ・・・・・」
そんな事を呟きながら、誰もいない無人島で、真っ赤に燃える夕陽を見つめる。・・・男の時間だ。
ピピピピピピ
ピッ!
「兄さん!?今日も帰らないんですか!?昨日と今日の調教がまだですよ!」
「・・・あ・・アハハ・・・」
「とにかく、すぐ帰ってきてください!今から即行でです!・・・・ずっと傍にいるって言った約束、守ってください・・・」
そして電話を切られた。う・・・。酷い兄貴じゃないか。自分だけの体じゃないのだ。家族の、家の、僕は責任を持った人間だ。
「行くよ」
きっと、弟かもうちょっと上の姉だったら、こういう感じはしないと思う。下手にカワイイ分、逆らえないのだ。・・・。
「ああ・・滅茶苦茶カワイイからね・・・今気付いたんだけど、僕もシスコン入ってるのかなぁ・・・」
「キモイです」
「・・・・・・・・」
「こっち見ないでください。キモイです」
どうして絶海の孤島に妹ぐらいの絵に描いたゴスロリが居るんだ・・。
「・・・・・・あのさ・・」
「シスコン、キモイです。喋ってもいいですけど、1m離れてください」
僕はとりあえず、1mといわず、倍の2m離れて話しかけた。
「あのさ、君、誰?」
「アンジュリリー・フォーレヌーボーです。あなたキングクリムゾンですね。ブラコンとてもキモイです。妹が滅茶苦茶カワイイとか、ドン引きです」
「・・・・・・」
釈明の余地は無いだろう。・・・しかし、名前をどこかで聞き覚えがあったような・・・。
「疑問に思われてるみたいですね。この航路は明日に教皇様が使われるんです。直属近衛軍の仕事なんです。日本人はさっさとハンターハンターの続きを描きやがれです」
僕にだって、どうしようもないことだってあるんだよ・・。
「そうなんだ・・・。が・・頑張ってね・・明日は宜しく・・・」
そう言うと、じりじりと後ずさりしていく。獣を見ているような視線で引き続き見られていた。
「こ・・こっちこないでください!・・・・あっ」
急斜面上から足を滑らせるのが見えた。・・・マズイ。僕は彼女を抱きかかえる。軽い。アリスぐらいだ。・・・しかし、踏ん張れない。
「ちょ・・!ちょっと!!どこ触ってるんですか!?止めて下さい!妊娠します!」
「いや・・・違・・!」
じたばたされて、踏ん張れない。僕達は斜面を滑り落ちていく。
「お・・犯さないでください!」
「犯さないよ!」
止む得ない。エアスターを展開して、空をそのまま滑る。彼女を背中に乗せる。
「・・・!!か・・監禁するつもりなんですね!?無人島の小屋に連れ込んで、腹ボテプレイや出産プレイをするんですね!?最低です!この豚野郎ッッ!!犯罪者~~!!」
「違うよ!僕は童貞だよ!!」
「童貞をこじらせすぎてそうなったんですね!?このHENTAI野朗~~!!」
世界に誇る日本の文化を下卑た口調で口にするなよ!!思ったが口に出せない。
「ちょっと黙って!さっきの場所は急斜面で落ち着けないし・・・どこか平面の手頃な場所はないかな・・・」
「明日2ちゃんねるのVIPにスレたてと、ツイッターとフェイスブックに絶対この事書いてやるから覚悟しときやがれです!!」
あっ。・・・それやめて。それだけは絶対にやめてよ!!
「くそう!団長の事を信じて近づいてしまったのが運のつきです~~!!」
「だから何もしないってヴぁ!」
「変質者はみんなそう言うから困るんです!」
「確かに・・そうだね・・・・」
「納得するなです~~!」
僕は手頃な島を見つけると、下ろしてあげる。丁重に扱ったつもりだけど、触れた部分を手で掃われた。
「キモイHENTAIブラコンと遊覧飛行だなんて、最低の日です!自殺禁止の宗教じゃなかったら、どうなってたかわかったもんじゃないです!」
「ですです、うるさいよ!ローゼンキャラにでもなったつもり!?」
僕はちょっと怒ってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
効果は抜群だったようだ。・・・なんか悪い事をしてしまったかな・・。
「いや・・・その・・ごめん・・・ほら。結構・・・似合っててさ・・えと・・・蒼星石にさ・・」
「翠星石です!!!」
「ご・・ごめん・・」
どうして謝ったんだろうか。ああ。僕って、きっとこういうタイプって苦手なんだと思う。美鈴とか美鈴とか。
「まぁいいです。犯す気で助けたわけじゃなかったらしいですから、ネットで晒し者にする事だけは勘弁してあげますです」
良かった・・・。本当に・・・。
「あ・・ありがとう。えーっと・・僕は三上晃弘。改めて明日は宜しくね・・・」
「死にやがれです!」
ああ・・ちょっと違うんだよなぁ・・・ですぅ!なんだよなぁ・・。これだからにわかは・・。
「死にやがれですぅ!」
しまった。こいつら・・人心を読んできやがるんだったか・・!ガードを・・心のロックをしないと・・・。
「早くあっちに行ってください。妹と近親相姦しに行ってくださいですぅ!しっしっ!」
こいつ・・・!言わせておけば・・・!
「あ、あのね。他人には、もうちょっと言葉遣いを正した方がいいって、僕は思うなぁ」
「知るかですぅ!鬼畜ー!HENTAI~!シスコン!」
もしかしたら、僕は知らない間に、彼女から恨みを買うようなことをしたのか・・?・・・思い当たらないけど・・・。
「とりあえず、もう帰るよ。それじゃ、また明日」
そっぽを向かれた。もうやだ、この子。何も悪くないのに、泣きそうになってきてしまう。振り向くと遠くから、ロリペド~~っという言葉が放たれた。それでも僕の心には届かなかった。むしろ微笑ましいくらいに思った。あの子ぐらいだと、悪口に聞こえないよ・・!むしろ・・・・。
僕はそこまで考えると、頭をかかえてしまった。精神の乱れた走行を行ってしまい、またまた雷雲に突っ込んでしまった。




