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僕のチャット相手が実は女の子で、ヤバイ。

そういえば、ずっとネットゲームやってなかったな。そんな思いで起動する。


『おいっす、最近どーした?』


猫族のMillというキャラは僕のフレンドだ。結構仲が良かった。半年前までは、週末は必ず大型ボスを狩ってたくらいの仲間だ。


『ちょっといろいろあってね・・・地動説から天動説に変わったくらいの激動だったよ』


『へぇ・・・おもしろそうだな』


『まぁね。そうそう!オススメだった、魑魅の贄!!結構抜けたよ。CG集しか買ってないけど』


『だろ?オレの事は、エロゲーソムリエって呼んでいいぜ』


『その称号は、ギルマスのモノだよ』


うちのギルマスは、他にも、エロアニメソムリエ、AVソムリエ、AV女優ソムリエという四冠を欲しいままに称えられているソムリエだ。彼ほど、エロに情熱を傾けている人を、僕はまだ、知らない。


『オレの勧める絵師で快適なオナニーライフを得たんだから、オレの実力を認めろよ』


『OK、認めるよ。確かに、快適なオナニーライフだった』


『しかし、最近は規制が厳しくなったんだよなぁ』


『そーなの?』


『そーそー。昔のエロゲーなんて、小学生を監禁して調教するのもあったけど、最近はそういうゲームは作れないみたいなんだよねー』


『Millってロリには興味無いって言ってなかったっけ?』


『興味は無いけど、エロゲーを極めるための修行には、手を抜いちゃダメだろ?』


『・・・・なるほど』


そのストイックな精神、この男気に、僕は惚れてフレンドになったのだ。


『そうそう、教えてもらった妹ぱらだいすっ!すげーおもしろかった』


『でしょでしょ!?あのむらかみてるにゃきが、和姦物を作ったら、絶対ヒットするって、僕は信じてたんだよ!!!』


『結構ミスマッチかなーって思ってスルーしてたけど、やっぱすげー良い作品だったよ』


リアルでは、こういう会話を出来ないので、僕はチャットしにネットゲームをしているといっても、過言ではないのだ。気が付けば、僕は結構なレベルになっていた。


『躍動感っつーのかなぁ・・・エロに、動きがあるんだよなー・・』


『だよね!なかなかベストだよ!』


『・・・・でも、一番はリゾートPOINなんだろ?w』


『まぁね。そこだけは、譲れないね。決して』


エロとは、ただ、エロイというだけでは、ダメなのだ。エロの中にも、シチュエーションがあり、そのエロに行き着くまでの流れがあり、コスチュームがあり、抜き所に至るまでの一連の山場を綺麗に魅せる。エロとは、深いものなのだ。


『それじゃ、そろそろ落ちるぜ。今日はチャットできて良かったぞ』


『僕もだよ、エロゲーソムリエ。おつかれさん』


『その称号で呼んでくれて、嬉しいZE。それじゃあ、あばよ!』


Millはログアウトした。コーヒーを一すすりして、落ち着く。こうやって同じ趣味の同じの嗜好を語り合うという機会を持つ事は、なにものにも代え難い一体感というか、ライヴ感をもたらしてくれる。


「でも、最近は特事の仕事があるからね。でも、やっぱりチャットは楽しいなぁ。癒されるなぁ・・・」


・・!ギルマスだ。エロマイスターの匠には、一言挨拶しておこう。


『お久しぶりですーギルマスー』


『お。おお。おおおおおおどうした同士!お前抜きで最近週末ボス狩りしてるから、大変なんだぞ!新人教育で、ペットボトルからこぼれる忙しさなんだよ!?』


ちなみに、大型ボス狩りの際に、僕らのギルドはトイレ退席が許されていない。オムツ着用か、ペットボトルで用を足す事が規則に盛り込まれているのだ。


『すいません。かくかくしかじかで、大変なんですよ・・・』


『かくかくしかじかなら、しょーがないね・・・』


僕らは、かくかくしかじかで伝わる仲だ。本当にかくかくしかじかしか、伝えてないんだけど。


『そーいえば、オフ会やられたそーですけど、どーでした?』


『あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ』


あ、この文字でチャット欄が埋め尽くされた。


『あのさ。あの佐あの佐あの佐』


『もちつけ!』


『き、ききききき、きいてくれ』


『はい』


『いいか、冷静に落ち着いて、対処するんだぞ?聞いても聞き返すなよ?』


『ドント来い、超常現象』


『MillはJKやった』


『すいません。もう一回言ってください』


『聞き返すなっていったじゃん!聞き返すなっていったじゃん!』


『なかなか面白い冗談ですね』


そうなのだ。僕はMillとは、エロアニメやエロゲーのCG、魔法少女物のエロゲーについて、夜通し語り合った仲なのだ。それなのに。


『えっと・・・JKってじょうきって意味ですよね?』


『違う。JOSHI KOUSEI の略だ』


『・・・・・・・・・・少し、散歩してきます』


『腐ってたけど、やっぱりJKだったんだったよ。しかも、割りとカワイイ』


『マジっすか・・・』


『マジっす・・・・』


『僕もう、Millと一緒に魔法少女について語れませんよ・・・』


『それは・・・あれじゃないか。ダメじゃないか』


『だって!女の子と一緒にエロゲーについて盛り上がったらダメじゃないですか!?』


僕の心の叫びだ。


『仲間だろ?』


『・・・ハッ!?』


そうなのだ。例え女の子でも、女子高生でも、可愛くても、僕らは、仲間なのだ。


『・・・そうですね・・・』


思えば、思い返してみれば、お尻を使ったオナニーについて、ヴェラーゴルゴロスVer3を倒す間中、ずっとやってたような気さえする。時間計算で、五時間は熱く語ってたと思う。


『まぁ、俺は気付いてたけどね』


『嘘乙!』


『ほんとほんと。俺ほどネトゲを極めると、大体分かるんだよ』


『それで、セクハラまがいの事やってたんですか!?』


『ねーよ!ギルド内でそういうのは無しだからな』


それから魑魅の贄のCGと絵師のあおむしについて、熱く語って、ログアウトした。


「ネットの海は、深遠だなぁ・・・・」


僕は不思議な奇妙な満足感で、おなかいっぱいだった。

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