↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翼のない悪魔  作者: 内田


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/8

修行

 楓は朝早くからパーティ会場に向かった。今回の会場は意外と遠いらしいのだ。


「さてと…」


 僕は森に向かう。森なら誰もいないので集中して修行ができるからだ。


 僕が修行をする理由は6柱の悪魔との戦いに備えての事だ。今の僕はただ相手を殴る事しか攻撃方法がない。そしてその攻撃が悪魔に通用するかも分からない。


 僕は集中する。何も聞こえない程に集中する。そして気付くと視界は真っ暗になり、目の前には初めて戦った相手、かつてのいじめっ子が立っていた。


 いじめっ子は僕に大量の魔術を放ってくる。そして一撃でも喰らえば僕の負けというルールだ。かなりひりつく。


 しかし、準6級魔術師は正直言って弱い。だから簡単に勝ててしまうのだ。


 僕は全ての魔術を避け、相手の心臓を貫いた。あまりにも簡単すぎる戦いに飽きていた。


 視界に緑が戻る。イメージトレーニングに勝った印だ。だが、成長は全くしていない。


 相手を強くすれば良いと考えた事もあるが、僕はあいつ以外と戦ったことがないのだ。


「もう少し奥に行こう。」


 僕は森の奥に向かう。そこは基本的には立ち入り禁止なのだ。なぜなら魔獣という危険な奴らがいるからだ。


 普段誰もが食べる魚や植物でさえも魔獣となり、人を喰らう。階級の高い魔術師でも死ぬ事が良くある場所だ。


 森の奥に辿り着くとそこには5メートルほどの大きさの熊、ブラックベアがいた。


 黒い体毛に獰猛な性格。そして高い耐久力。まさに魔術師殺しだ。僕は内心緊張していた。魔獣と戦うのは初めてだからだ。


 ブラックベアは僕に向かって突進してくる。その攻撃はかなり速く、一瞬反応が遅れてしまった。


「ぐっ!?」


 避ける事が出来ず、僕は木に激突してしまう。体が少し麻痺していた。脳が揺れていた。


「やってやるぜぇ…」


 僕は興奮していた。自身が追い込まれていく感覚に、強敵との戦いに。


 お互いに見合う。そして、互いに突進する。力と力のぶつかり合い。どちらの方がパワーが上かという比べ合いだった。


「流石に重いなァァァ!!!」


 人間の力なら確実に負けていた。しかし、今の僕には悪魔の力が宿っている。だから互角だった。


 僕達は距離を取る。互いにパワー比べは互角だと気付いたからだ。そして僕は拳を握るのをやめ、指を伸ばした。そしてゆっくりと近づく。


 そして互いの息が当たるほど近寄った瞬間、鞭のようなビンタをお見舞いした。


 ブラックベアは痛がった。そして僕も同時に痛がった。この技は空気抵抗が反動となるのだ。


「こいよ。俺がお前を投げ飛ばしてやる。」


───楽しい


 心の底からそう思った。今まで現れなかった強敵との戦い。ライバルとの戦いに震えていた。


───もっと戦いたい


 興奮が抑えられなかった。体が熱くなる。悪魔の力を手にした時の感覚が蘇る。


 ブラックベアは僕に突進してくる。そして僕はそれを受け止める。そして体長5メートルもある熊を、僕は上空に投げ飛ばした。


 筋肉が疲労する。筋繊維一本一本が破壊されていた。そしてそのまま僕は、気絶した。


───暖かい。


 フサフサと肌に何かが当たる。まるで高級ベットのような感覚だった。


 僕が目を開けるとそこには先程戦ったブラックベアがいた。ブラックベアは気絶した僕を守っていたのだ。


 僕が立ち上がるとブラックベアは森の奥に立ち去った。僕は涙が流れていた。


「負けた…」


 僕は気絶し、ブラックベアは立っていた。僕は完全敗北した。けれど良い戦いだった。


───強くなりたい。


 僕は再びそう思った。楓を守れるくらい、そしてあのブラックベアを超えたい。


 決意で僕の心はいっぱいになった。更に強くなって、必ず再戦すると心に誓った。


「み〜つけた。死の悪魔く〜ん。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
読ませていただきました。 感想を書かせていただきます。 雨琉雪さんが、魔術を扱えない落ちこぼれから、最上位の死の悪魔の力に目覚めていく展開に熱くなりました。 幼馴染の楓を守りたいという純粋な想いと、次…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。