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ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
二章 ランクアップ編

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レベル上げ二日目、効率的なレベル上げについて

 さて、アヤメの新装備のおかげで戦闘時間が短くなっているのは良いんだが……。それでも、経験値の溜まり具合が悪くなっているのは変わらない。レベルが一つ上がるたびに、それはどんどん如実に表れている。

 今の戦い方じゃなくて、もっと効率のいいレベルの上げ方は無いだろうか……。



「先輩、また考え事っすか?」


「ん? ああ、そうだ。ちょっとこのレベル上げで間に合うのか不安になってきてな」



 ズガッ、ドゴッ、ギャース。



「いやいや、何言ってんすか。今だって十分異常なスピードでレベル上がってんすからね? 休みなく戦闘を続けることの精神的疲労とかで、普通のプレイヤーはこんなに連戦できないんすから」


「そうは言っても、間に合わなかったらどうしようもないだろ?」



 バキャッ、ズドンッ、グシャッ、ベキバキベキッ。



「まぁ、それはそうですが……。けど、このペースなら普通に間に合うと思うんすけど? あと八レベくらいっすよね?」


「まぁ、そうだな。というか、ペース以前に、なんというか……この単純作業じみたレベル上げに飽きた」



 ズドドドドドドドドッ、シュンッ、ズシャズシャズシャッ。



「あ、飽きたぁ? ……先輩、それはないっすよ……。というか、先輩って戦うの大好きな戦闘狂マンじゃなかったんすか?」


「誰が戦闘狂マンだ誰が。俺はただ、強い敵とか厄介な敵をどう攻略するか試行錯誤したり、そう言う敵を倒した時に得られる達成感を楽しみにしているだけだ。作業じみた行動が不得意なわけじゃないけど、こうも変わり映えしないと、ちょっとなぁ……」


「そう言うもんっすかねぇ……。ま、何でもいいっすけど……」



 後輩はそこで言葉を切ると、声音に一気に呆れを混ぜた。



「とりあえず、周りのやつらを一掃するっすよ。というか、よく戦いながらアレだけ喋れるっすよね……」


「慣れだよ慣れ。どんな行動をとってくるかわかってるやつらなら。片手間でも十分……だッ!」



 俺の周りに群がっていたトカゲ共の最後の一匹の頭をカチ割り、そのHPをゼロにする。

 うんうん、後輩と会話しながらの戦闘も何の問題もなし。ま、何百匹と同じモンスターを相手にしてれば、目をつぶってでもぼこぼこに出来るぜ。……ふむ、試してみるか? それなら退屈なトカゲ狩りも多少は面白くなるかもしれない。



「先輩、アホなこと考えてないで、次行きますよ次」


「アホなことってなんだよ……。俺はただ、この現状を打ち破る方法を模索していただけで……」


「自分から縛りプレイしに行くとか、先輩もしかしてドMなんすか? うっわー、ないわー」


「なん……だと……?」



 俺がドM……? そんなはずは……。いや、でも確かに自分から困難な方向に行こうとするのはドMなのか……? いやいや、違う! 俺はドMではない! ただこのゲームをさらに楽しむ方法を模索しているだけに過ぎないのだ! うん!



「まぁ、そんなことはどうでもいいっす」


「お前……人のことドM扱いしといて放置って……」


「何度も言ったっすけど、『竜の溪谷』以上に効率のいい狩場はないっす。これより上位の狩場に行くには、結構めんどくさいボスを倒さなくちゃいけなかったり、ギルドのランクが一定以上じゃいと行けなかったりするんすよ。そんなことしてたら、逆に時間食っちゃうっすよ」


「スルー……まぁいい。それより後輩、ギルドって冒険者ギルドのことだよな? アレって何か重要だったりするのか?」



 俺のドM疑惑はいったん置いていて、気になったことを聞いてみる。

 冒険者ギルド。確か、ドゥヴィレから先の町にはどこにでもあって、依頼を受けてそれを達成すると報酬がもらえる場所だとあいつらからは説明されていたはず。まだいったことないんだよな……。



「……先輩、もしかして冒険者ギルドに登録してないんすか? そこまで非常識だったとは驚きっす」


「え、何そのガチ呆れ。そんなに基本的なことなのか?」


「そりゃ、冒険者ギルドのランクはプレイヤーの強さの基準の一つだったりするっすから。それ以外にも、ギルドの依頼報酬で強い装備が手に入ったり……。ドゥヴィレについたら、冒険者ギルドへの登録する。これがプレイヤーのお約束っす」


「そ、そうだったのか……。ファンタジー世界のお約束なのは知ってたけど、ミニゲーム的な何かだと思ってたわ」


「ミニゲームどころか本編っす。ちなみに、冒険者ギルドに登録してフィールドボスを倒すと報酬がもらえるっすよ」


「……死霊騎士とデカトカゲ分、無駄になった」


「ね? それ以外にもいろいろと特典があったりしますし、冒険者ギルドに登録しておいて損はないっすよ」


「……レベル上げが終わったら、すぐに登録しに行きます」



 うーん、ドM扱いに続いて非常識とまで言われてしまったな。情報収集をきちんとするべきだっただろうか?

 

 とりあえず、さっさと冒険者ギルドに登録するためにレベル上げを終わらせてしまおう。そのためにも、今のレベル上げ方法を見直す必要があるんだよな……。

 今は、『竜の溪谷』を歩き回る。群れとエンカウント。それを殲滅。また歩き回るという工程を繰り返している。

 この歩き回る時間をどうにかできないだろうか……?


 そんなことを考えていると、どこかからズドドドドドド、と無数の足音が聞こえてきた。何事かと思い、音がした方を見ると、こちらに走ってくるアヤメが。俺の戦闘中はアヤメがすることが無くなるのから、その辺で自由にさせてたんだけど…………ッ!?


 駆け寄ってくるアヤメ、その後ろには武器を振り上げたトカゲの群れが付いてきていた。


 きっと、散歩でもしていてうっかり群れとエンカウントしてしまったのだろう。そして、自分では倒せないと判断して、俺のいるところに逃げてきた、と……。これ、一歩間違えたらMPKモンスタープレイヤーキルになるんじゃないか?

 ……いや待て、これを使えばもしかして…………。


 

「って、そんなこと考えてる場合じゃない! オラァ! トカゲ共! アヤメから離れやがれッ!!」



 とりあえず、トカゲ共を殲滅しよう。ウチの癒しに手を出した報い、存分に喰らってくれ!

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