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ソロ神官のVRMMO冒険記 ~どこから見ても狂戦士です本当にありがとうございました~  作者: 原初
二章 ランクアップ編

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新しい装備、アヤメ編 前編

 ランニングを終え帰宅した俺は、汗で汚れた服を着替え、さっそくとばかりに朝食の準備に入る。今日は洋食で行きましょうか。

 やはり一昨日のアレは奇跡だったようで、あの二人は普通に寝こけている。朝食ができたら起こすとしよう。


 さくっ、と朝食を作り終わり、寝こけるアホ二人との壮絶な戦いの果て、ようやく朝ご飯タイムである。


 寝ぐせでぼさぼさの頭のままむしゃむしゃとトーストを頬張る太陽と蒼。って、蒼が寝ぼけて顔面スープにドボンしそうになってる!?

 まぁ、そんなことがあった以外は平和に終わった朝食のかたずけをしていると、ソファーにだらーんと寝そべったパジャマ姿の太陽が、ぼーっと俺の方を見ながら口を開いた。どうでもいいが、このだらけた姿を写真に撮って委員長に送ってやりたい衝動にかられるが、手元にスマホが無いので断念する。



「なぁ、流。お前さぁ、マオとやたら仲いいよな? アレ絶対に初対面じゃないだろ?」


「ん? あー、そういえばお前らは知らんのか。あいつは……」


「(ずいっ)あいつ、は?」


「おわっ!? あ、蒼か……びっくりさせないでくれ、皿を落とすところだったぞ?」


「ん、ごめんなさい」



 突然、横から現れた蒼に驚きつつ、危ないことはするなと注意する。まったく、包丁を洗ってる時じゃなくてよかった……。蒼に怪我をさせるとこだったからな。



「で? なんだったっけ? 太陽の言うことなんて基本どうでもいいことだから、すでに忘れちゃったわ」


「記憶力お化けが何を言うか! というか俺の扱いひどすぎないか!?」


「……あわれ太陽。今更気づいたの?」


「ぐさっ……。うぅ……。二人が虐める……。お、俺もうおうちかえる!」


「おう、家事の手間が減って助かるから、いくらでも帰ってくれ」


「流にぃと二人っきりになれる。太陽、ごーほーむ」


「……そこは引き留めてほしいの?」


「「きもい」」



 蒼と二人でバッサリと太陽のアホ発言を斬り飛ばしてやると、いじけたようにソファーの上で体操座りをし始めた。めんどくせぇヤツだなぁ……もう、ほっとこう。



「で、後輩の話だったっけ?」


「ん。その後輩って呼び方も気になる。どういうことか……ちゃんと教えて」



 ……何だろう、蒼の目からハイライトが消えてるような気がするんだが……。寒気を感じる。例えるならそう……。手順を間違えた瞬間に爆発する爆弾の処理をしているかのような……。うん、対応には十分注意しよう。



「後輩は、呼び方の通り俺の後輩だよ。中学の時の、な」


「むぅ、流にぃの後輩でわたしの知らない人……。もしかして、部活の?」


「おう、その通り。部活のメンバーとは、あんまり親しくなかっただろ? お前ら」


「ん。というか、もうほとんど顔を覚えてない」


「あっそう……」



 相変わらず、自分の興味のないことにはとことん関心が薄いな。

 


「……まぁ、そう言うことなら、許してあげる」


「俺は一体何を許されたんだ……?」


「わたしに内緒で女の子と仲良くなったこと」


「俺は女の友人を作るたびにお前に許可をもらわんと行かんのか……」


「とうぜん」


「何が当然だ、このアホ」


「あうっ」



 うっすい胸を張って言う蒼の顔に、指先についた水滴を飛ばしてやる。

 顔を濡らした蒼が「うぅ~」と恨めし気な目でにらんでくるのに、満面の笑顔でサムズアップしてやると、ぽかぽかと叩かれた。

 さすがにふざけすぎか? とお詫びの意味も込めて蒼の頭を撫でり撫でり。それだけで、蒼の表情をほころばせ……。



「……あの、いちゃつくのは良いけど、そろそろ俺のことも思い出してくれるとうれしいなーって……」


「太陽、うるさい」


「あ、ハイ……」



 蒼にバッサリ斬り捨てられて、太陽は体操座りのまま、ぽてん、とソファーに倒れこむのだった。





 今日も今日とてレベル上げのために、FEOにログインする。さぁ、気合を入れてトカゲ共をぎったんぎったんにしてやるぜ! ……と、思ったら、アッシュからメッセージが届いていた。内容は『アヤメちゃんの装備が完成しました。暇なときに取りに来てください』である。


 ほう、アヤメの装備か。今のレンジャー少女っぽい格好もいいが、新しい装備も気になるな。アッシュのことだから、きっと可愛らしいのを作り上げてくれるだろうし。いや、アヤメならかっこいい路線の服装だろうと華麗に着こなしてくれるはず……! うんうん、今から楽しみだ。

 こうしては置けない。レベル上げとかどうでもいいから、さっさとアッシュのところに行こうじゃないか……!



「おはようっす、先輩……って、あっれ!? どこ行くんすか先輩! そっちは街の方っすよ!?」


「ん? ああ、後輩か。おはよう。ところで、俺は用事ができたので一度ドゥヴィレに行く」


「はぁ!? れ、レベル上げはどうするんすか!?」


「阿呆、そんなものより、アヤメの新しい装備の方が大切に決まってるだろ! ……あ、そうだ。アヤメ召喚しなくちゃ」


「うっわー、マジで言ってるよこの人……。ええい! わかったすよ! 私もついていくっすからね!?」

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