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現代陰陽師譚 〜伍〜

[May-3.Fri/22:45]


「……それに、その『五行秘術』は貴女の1番忌み嫌う方の家系が確立した術式でしたね? 忌み嫌う方が直接、貴女に『仕込んで』くれたんですよね?」

 状況は決して芳しくは無い。しかし、自身に向けられた侮辱に、チドリは黙っていられるような腰抜けではないのだ。相応に、その侮辱を返さねば気が済まない。

 そして、その報復として出た言葉。

 それは癸チドリが知る、陰陽寮が誇るエリートとされる賀茂瑞穂の汚点だった。

 いや。それはもはや、汚点というよりは禁忌タブーと言って差し支えない。

 チドリについては平然と悪評を口にする老害と称される人種が、口篭り、見ぬ振り、知らぬ振りをする瑞穂の過去だった。

「――貴方は忌み嫌う人間の手助けがあってはじめて評価されている陰陽師――私よりも貴女こそが陰陽道を捨てては如何です? あの方の仕込んでくれた以外の才能なんて凡庸に過ぎないのでしょう?」


 検体。否。既ニソレハ献体ダッタノカモ知レナイ。


 冷たく言い放った言葉が、ソレの心を深くエグく穿ったことは必至なのだとチドリは確信している。

「――癸!!」

 怒りそのもののを爆発させ、瑞穂は叫んだ。それは正しくチドリの予想通りの反応だった。


 土御門霧柄つちみかど きりえ。『土御門』という姓は安倍家が室町時代以降に名乗った姓である。つまり彼女は安倍晴明あべのせいめいの血を引く直系の一族の一人なのだ。

 そして霧柄は、チドリの知る、魔術師としての現在最高の陰陽師である。

 否。それはチドリ個人のみの認識ではないし、近代最高の魔術師としての陰陽師だった。歴史を紐解いてみても、彼女以上の陰陽師が何人いよう。

 その所業は認められざるものでありながら、その所業の残した意味は功績として捉えれば、先祖たる安倍晴明にも劣らないのかも知れない。

 彼女は賀茂瑞穂の師であり、そして――。


 怒りに任せた行動を取る瑞穂に、後先はなかった。

 この場に辿り着くためにも、それなりに消耗し、さらには先の大規模な五行秘術行使を行ったのである。

 精神的にも肉体的にも、チドリと同等か、それ以上に疲弊していたはずだった。

 しかし、次々と徒労と思われる魔術を、憤怒を晴らすかのように立て続け実行に移している。

「――アンタ、私を蔑むなんていい度胸ね! 正統な陰陽道のイロハもまともに行使できないクセに!」

「正統な陰陽道!? 貴女も老害と一緒で履き違えていますね! 陰陽道は総てを陰陽五行に解析するものですよ!? その魔術体系のほぼ総ては元々、先人たちが『外』から陰陽道に取り入れたもの。だったら、今、貴女の使う秘術の多くも私と同じ外法ですね!」

 ファビオの群れを互いが互いに盾にするように。

 終には行灯陰陽ダークライトストーカー陰陽律法ソーサラーテキストの魔術は、互いを直接の標的として行き交う。

 劣悪になるばかりの戦況。

 二人の陰陽師が敵対したところで、只一つの存在を除いては何の利点メリットもない。

 いたずらに消耗しあう少女二人に比べ、その巻き添えを受ける形でファビオたちは滅ぶも、覚醒したばかりの絶対領主ツェペシュ・ワラキアの不死の能力により復元するために何の損失もない。

「――大体、私は元からアンタが気にいらなかったのよ! 何でアンタみたいな外道を正統に評価しようとする晴歌を避けるのよ!? 怖いわけ!? 自分のしてきたことを老害に否定されるのが!?」

 それでも。互いにそれを止めようとはしなかった。

 チドリはギリギリのところで僅かな隙間を利用し瞬歩で回避したが、瑞穂の行使した風の大渦は、つい今の瞬間まで彼女のいた場所で猛威を振るう。

 これは謝罪で済むレベルの行為では当然ない。

 下手をすればWIKと陰陽寮の友好関係を消滅させるに十分な事件と成り得る。

「チヤホヤされてきただけの貴女に何が解ります!? 逃げる!? 御冗談を! 世界を見た私にとって閉塞的な陰陽寮は、何の魅力も、学ぶべきところもないだけです!」

 しかし、双方矛を諌めようとはしない。

 対するチドリは、相対する陰陽師とはここでも明らかに対照的とばかりに、的確に小技を撃ち込んでいた。

 瑞穂の魔力感知能力があと僅かでも鈍いものだったとすれば、今もファビオの頭部の代わりに爆散スプラッタしていたのは彼女だったはずだ。

 事、任務に対しては冷静に冷徹に当たる彼女とて、そういう組織間の問題など見えてはいないように思える。

「晴歌はアンタに会うのを純粋に楽しみにしてたのよ!? アンタにあの子の気持ちが解る!? 陰陽寮に幽閉されてるのと同じで、友達なんかいなくて!」

「なんですか? 本音は嫉妬ですか!? 貴女は自分よりも私に陰陽頭の期待だの、好意だのを向けられているのが悔しいだけでしょう!? 浅ましい!」

 安倍晴歌あべ はるか。現在、陰陽寮を統べる者の名前である。彼女は確かに癸千鳥という陰陽師を高く評価していた。だから。だから、違和感は確信に変わる。

「勘違いするな! 晴歌はアンタをアンタの意志を無視してまで無理矢理に陰陽寮に引き抜こうだなんて考えてないわよ! ただ同じ年代の陰陽師としての悩みも共有できる友人が欲しいだけでしょう!」

「――そんなこと! そんなこと、言われなくても理解しています!――私だって! 私だってハイそうですか、で会えるものなら当に会っています!」

 それでも。

 それでも、組織的な問題や、外法忌端と面会したなどと、当の陰陽頭に批判が向けられることを考えて足が遠のいていただけだ。

 その遣り取りの為されるまでのチドリは、それに何となく気付きながらも、確信を持てずにいた。

 それは賀茂瑞穂という少女を、直接的に知らない故に持てなかった自信である。

 本気で命の取り合いを繰り広げるようであって。だが、チドリは切り札を発動させてはいなかった。

 それは――。

 それは、そのためだ。

 瑞穂の指が印を結ぶ。それは果たして幾度目だろう?

 恐らくは彼女は感情的になったようでありながら、ただ、行灯陰陽ダークライトストーカーを信じ、疲弊を続けていたのだろう。

 だが、そのとき。晴明桔梗が空間に描かれた瞬間に、陰陽律法ソーサラーテキスト微笑わらったのを行灯陰陽ダークライトストーカーは見逃さなかった。

「――貴女のこと、本当に気に喰わなかったわよ。今の今までわね……でも、そういう風に貴女なりに晴歌のことを考えてくれていたのなら、貴女を認めないわけにはいかないわね――」

 その口が、ぽつり呟く。

「ごめんなさい。賀茂さん」

 だから、チドリは非礼を詫びた。

 演技といえど、侮辱する言葉を浴びせたことを、心から謝罪した。

「お互い様よ、癸。それに狙いを解ってくれたみたいだから、今回は特別に許してあげるわ」

 そして、本心から認める。そういう意思が陰陽寮の陰陽師には見て取れる。

 瑞穂の行っていたことは、誘き寄せ、だったのだ。

 絶対的な優位を作り出せば、極上たる自分達えものを、どうして吸血鬼ファビオは知能の低い、駒、身代スケープゴートでしかない食人鬼ニセファビオに与えようか?

 これ以上目覚める可能性のある新たな能力を開花させる前に、ファビオを補足するには、それは一番楽な、しかし非常に難度も危険性も高い作戦だったのだ。

 しかし、標的は確かに網にかかった。それは自滅するばかりになった少女たちを襲うべく『ファビオ』に紛れ戦場ここに現れたのだ。

 それを瑞穂は感知していた。

「金行を以って水行を生ず、水行を以って火行を減ず――」

 晴明桔梗は完成する。

「凍結せよ!」

 金生水。そして水剋火。

 魔力増幅を行い、行使した複合五行秘術。

 周囲の空間に存在する火行の氣を急激に減退させた結果、それは当たり前の事象として発生させられる――。

 瞬間。

 一面を覆うファビオの群れは完全に凍結していた。

 死者をあるべき場所へと閉じ込めるように。魔術により突如と乱立させられた氷棺の一つ一つが、その全ての動いていた躯を強制的に封じ込めている。

 そして、チドリは瑞穂の五行秘術が作りだした氷の棺の連なる世界に、一人動いていた。

 その左目を塞ぐ眼帯に手をかける。

 そこに在るのは右目とは違う色の瞳。黒い瞳孔軸にして、時計回りに螺旋を巻いた模様がそこに浮かぶ。

紅螺旋(ホンルオシャン)、発動」

 『色彩螺旋(メススパイラル)』の一種に、行灯陰陽ダークライトストーカーは発動を命じる。

 周囲の存在する者から強制的に生気、生体エネルギーたるアストラル体を奪う魔眼。

 それで事態は終焉を迎えていた。







[May-3.Fri/23:00]


陰陽律法ソーサラーテキスト、よく紅螺旋(ホンルオシャン)の影響下で平気でしたね?」

 静けさを取り戻した墓地で、その場所に似つかわしくない少女は、眼帯を元に戻しつつ訊ねる。

「……瑞穂、でいいわよ。その変わり、私も千鳥って呼ぶけど……いい?」

「はい」

 瑞穂の提案をチドリは笑顔で了承した。

「別に対したことじゃないわ。いざというときの為に備えがあっただけよ」

 そういって彼女が取り出したのは、金属製の鏡、だった。

「護符、としての金鏡ですか……これは?」

「一応、オリジナルの禁呪を持ってるんだけどね。それを補助なしで使うと負担がかかって本気で死ねるから、そのために持ち歩いてるのよ……あのバカに関わる前は、こんな保険を常備する必要はなかったんだろうけど……まあ、今日のトコは感謝、ね」

 さらりと奥の手を口外したのは、敵意が本当にない、という証明だとでも言うことか。

 しかし、その言葉には嘘偽りはないようだった。それを続けた言葉が裏付ける。

「――ああ。その禁呪はね、相生の流れを無理やり逆転させる術式だから、私も立派に外法使いだわね」

 と。瑞穂は口元を緩めて、そう告げたのだった。




 教会の入り口に二人が戻ると、そこには黒一色に身を包んだ少年がいた。

 それは件の夜に奇跡を行使した剣士である。

「……滝口、ですか」

「ああ」

 問うチドリに少年は、そうとだけ応えた。

「アンタの方には死なない死人がいなかった?」

「全部、斬り伏せた……それに何か問題があったのか?」

 瑞穂の問いにも、極めて端的に答える黒衣の剣士。

 後は無言。

 目を瞑り、二人の成り行きを見守るというよりは、さも用件があるならさっさと終わらせろ、と態度で告げている。

「……まったく。コイツは借りとか恩義とか感じてないのかしら?」

 こと、こういう戦場であればこそ、この滝口の『絶つ意志』を込めた剣技は活きたはずである。

 この滝口が傍にいたのだとしたら、戦況はかなり有利に楽に展開していただろう。

 それは助けに来るとか、来れなくて申し訳ないとか、そういう素振りを少しは見せろという口ぶりなのだろう。

 しかし、そうして少年を非難するも、どこか憎めない感情を瑞穂が漂わせているのをチドリは感じていた。

「別に私も貸しだなんて思っていませんから、お気遣いなく。前回の件は我々WIKにも非があったわけですから、当然のことをしたまでです」

 だから、それに少年の態度にそう悪い気はしない。それはチドリの本心だった。

 まあ、事情を知る前に乙女心の代償は某相手にしっかりと支払いさせてもらったわけだし。

「そう? でも私はそうは思えないのよね……なんとなく、ね」

 そう告げるも、どこか腑に落ちない素振りを瑞穂は見せる。

「……でしたら、今日の助力で十分ですよ。それでも、ダメですか?」

「ダメね」

「でしたら、今回の件の報告書……手伝っていただけませんか? 陰陽寮の見解を報告していただきたいんです。ファビオ・インザーキとは何者だったのか……アレは吸血鬼という分類カテゴリーから確実に逸脱しています。果たしてアレは、どう分類すべきものなのか……」

「いえ。吸血鬼、よ」

 考え込もうとするチドリを置き去りに、瑞穂は迷いなく断言してみせた。

「何故そう断言できるんです?」

「雨月が吸血鬼として判断されているからよ。雨月を親としてファビオは誕生した爵級だったのよ?」

「ええ」

「で、そもそも、その雨月自体が能力を完全に解明されていなかったんだもの。でも世間せかいは、それでも雨月を吸血鬼だと分類した。それなら、アレも吸血鬼でしょ? そうじゃないなら、雨月自体も吸血鬼ではなくなるわ」

「そんな乱暴な」

「いいじゃない。どうせもう消滅したのよ。雨月の血族は。なんなら十二真祖の能力を擬似的に持ったくだりは報告しなきゃいいじゃないの。私たちが黙殺すれば、誰もわかりはしないわよ」

「……なんて無責任な」

「オホホ。何とでもお言い。終わったことはグズグズ考えない!」

「陰陽道を探求する者としてはどうなんですか……それ……」

 しかし、呆れられようが、瑞穂はそれを流すと教会から伸びる坂の下へと視線をやった。

 不意に、こちらに近づく二つの光。

 それは自動車のヘッドライトだった。

「お。ハイヤーが来たみたいね」

「ハイヤー?」

「そ。こんな遅くにトボトボと歩いて帰るのも大変でしょ? だから足を確保しといたのよ」

 それが近くで停車したかと思うと、扉が開き、一人の少年が姿を現す。

「ミズホ、オマエ、急に電話一本寄越して、車出せって命令口調でお願いすらなく、さらには用件告げた途端にコチラの都合も返事も聞かず一方的に通話を切るたぁどういう了見だ!? こっちはなぁ、クラスのレクレーションだの、こないだ雨月が車をスクラップにしたんでダチに借りに奔走だの、おかげで見たくもないダチと小学生の団欒いちゃつくさまを見るハメになるわ、クラスの連中からは抜け出た今でもメール送りつけられてまで非難轟轟だわ――って、アレ? 癸!?」

「……時津さん?」

 不意に予想外の知り合いをそこに認めた二人が口をつぐむ。

「よ。元気? 彼方」

 見つめ合う(チドリ主観)二人の空気を全くもって読まずに、瑞穂は軽々しく挨拶をして場を崩した。

「ちょ、おま、僕の苦情はフル無視で、謝罪一つなく、それが第一声かよ!?」

「まー、まー。男の子が小さいコトにこだわって四の五の文句を言わないの。千鳥をこんな時間に一人で帰すわけにもいかないでしょ? だから、呼んだのよ。そりゃ理由を告げずに切ったけど、まあ、事情はアンタなら理解してくれるでしょ? それにカナタは女の子をこんな夜遅くに見知らぬ街で一人歩きさせて平気なの?」

「――う。そういう風に言われると……」

 そう言葉を濁して、この場に居る同姓であり反論相手みずほの扱いに長けてるであろう少年に助けを求めようと彼方は視線を向ける。

 事情は確かに解る。だが、最低でも文句の一つは受け入れさせて、謝罪の一つは入れさせたい。大体、そういえば数日前に誤認で殺されそうになったときも謝罪なく、『ドンマイ』の一言だった気が……。

 が、詩緒の対応は彼方でも十分に予想のできた反応があっただけであり、つまりは、無言で、無視ですか。

「……おっけ。オマエの態度は気に食わないけど、ミズホの言う通りだよ。それに癸にはいつも何かと迷惑かけるから、少しでも役にたっとかないとな」

 カナタの了承を聞くや、チドリの表情がぱあっと明るく変わる。

 降って湧いた幸運。

 諦めていたレクレーションは二人っきりの深夜ドライブ、デートと化したわけである。

 これを幸運といわず、何と表現しよう。狭い車内に想いの人と二人きり、である。

「で、でも時津さん、め、迷惑でしたら、わ、私なんかに気を使わず――」

 しかし、裏腹な対応をしてしまう辺り、チドリは自分の性格を恨めしく思う。

 出会って間もない相手に送迎を頼める(正確には『押し付ける』という)ような、横に居る新しい知人の図太さが羨ましくさえもある。

「何言ってるんだ? どうせ帰る道だし、癸一人増えたところで全く問題ないよ。それに一人で帰るより話相手がいた方が楽しいし」

 それでも返された言葉は、想いを寄せる少年らしいもの。

 チドリはカナタのこういう飾らない自然体のやさしさがたまらなく好きだった。

 そんな態度に自身の攻略フラグをまた一つ立てられてしまったことをはっきりと自覚しつつ、瑞穂にだけ聞こえるようにチドリは呟く。

「……ミ、ミズホさん。こ、これで十分過ぎるほど、貸しはナシです、ってそれどころか、こちらに大きすぎる貸しができたというか……」

「?」

 他人に自分の本心を吐露するような発言は、幸運をもたらせた少女に思わず零したものなのか、それとも幸運な状況に浮かれてしまったせいなのか。

 だが、色恋沙汰に絶対的に疎い少女は何をそれほどまでに感謝されているのかを理解できはしなかった。



 二人を乗せた車の調子は頗る良いらしい。自動車のイロハを知らないチドリは、小気味よいエンジン音からそう感じていた。

 セダンタイプの乗用車といえど、中の広さはたかが知れている。

 助手席に座るチドリのすぐ横、運転席には当然ながらカナタの姿があった。

 気を付けなければ、自分の胸の鼓動を聞かれてしまいそうな場所に、想いの人がいる。

 パワーウインドウを開くと、最高のお膳立てをしてくれた少女の顔がそこにあった。

「じゃあね、チドリ。カナタ、安全運転で帰るのよ」

「ミズホに言われなくても無茶な運転はしねぇ」

 お約束とばかりに意外そうな笑顔を作り、そして、じゃあ、とばかりに手をひらひらと振ると瑞穂は2、3歩後退る。

「あ、あのですね、晴歌さんに近日中に会いに行きますので、お茶菓子をお願いしますとお伝えください」

 そんな少女を突如と呼び止め、チドリは照れ臭そうに微笑った。

「おっけ」

「じゃあな。一応、渡辺にもよろしく」

 微笑み返した瑞穂と、その後方で物言わず立っているだけの無表情少年を残し、カナタの言葉と共に、チドリと彼女の夢と想いと妄想とを大いに乗せた車は、教会から発車したのだった。





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