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お勉強などしto night

この世界の根幹はマナだ、と青年は言った。この世界の全てがマナで作られている。だから理論上、十分な量のマナと制御方法があればできない事はない。不老不死も夢じゃないぜいぇいいぇい、とは青年は言わなかったが俺が今勝手に言った。


で、マナの塊であり制御用の素材でもある魔石が超重要。その魔石は魔物を殺すか、ダンジョン内で見つけるしかない。魔物はダンジョンから湧く。ダンジョン外の、俺が転生早々遭遇したような魔物も、元を辿れば全てダンジョン産だ。

だからダンジョン攻略がこの世界では超重要。よって冒険者が生まれた……なるほど。


そんなわけでダンジョンを有する町にたどり着いた。大抵のダンジョンの周りには人が集まり「豪華さ」に応じて村、町、都市が出来る。但しあまりにも豪華すぎる場合、危険度もヤバいので逆に封鎖されてたりもするらしい。この国にはそういうヤバいのはないんだとか。青年がやや残念そうな口調で言っていたのは、危険はあれど豪華なダンジョンこそがこの世界の富、いやそれ以上、全ての源泉だからだろう。


さっそく冒険者ギルドに入り受付に向かう。人はまばら。皆ダンジョン攻略で忙しいのかしら。


親の顔より見たうざ絡み受付嬢と力量を測る水晶玉。これで受付嬢が美少女なら大満足だったのに山賊のおばさんと同年代はガン萎えだったけど。水晶玉に手を載せ(とにかく怪しまれない程度の良い感じになれーっ)という気持ちを込めて隠蔽チートを発動した結果、良い感じの熟練冒険者って事で誤魔化せたっぽい。


手厚くもうざい見送りを振り払い、さっさとギルドを離れる。ダンジョン、クエスト、勿論気になるが、まずは図書館だ。

受付嬢に聞いた道すがら冒険者カード(仮称)を取り出す。ここに先ほど測った俺の「本当の」ステータスも載っている。隠蔽チートは発動済み。俺の姿ごと完全に隠している。スマホ歩き的な事故には気を付けないとな―。で、見てはみたが……URだのSSR+++だの……レアリティ表記かよ。ええと、翻訳チートでこういう表示になってるって事は、この世界でのステータス表示は相対評価って事か?何万人に一人、何十万人に一人……みたいな。多分そういう事だろう。

偽装ステータスの方はSR+からR++って感じ。今はこっちの表記を覚えといて、やむを得ず人前で目立つ行動をする時は(SR+っぽくなれー)とか念じればチートが良い感じに仕事してくれるだろう、多分。

本当のステータスを伸ばせるのかどうかはまだ不明。てか不明な事だらけだから……ついたぜ図書館、お勉強の時間だ。

本なんか読むの何年ぶりだよ。お勉強チートは持っていませんので私は非常に憂鬱です。


本なんて読むもんじゃねえよ、積んで飾るインテリアだろうが!

声に出して叫ばない位の常識は俺にもある。いや、仮に叫んでも隠蔽チート発動しっぱなしだから問題ないんだけど、何となく雰囲気的にバツが悪い。

ええっと、ステータス表記については推測が当たってた。どのレアリティがどれ位凄いのかは良く分からないままだけど、魔物を殺しまくったりスキル……マナを扱う特殊能力の総称……を発動しまくってるとステータスが伸びるらしい事は分かった。つまりダンジョン攻略しろって事だよなー。一切危険のない範囲で攻略しても「経験値」は入るのかしら。入ると良いなー。


魔石なしでも人間はマナを扱える。チーターの俺はともかく普通は扱う程疲れて、無理すれば命も危ないらしいけど。どれ位、どんな風に扱えるかが個性であり「ステータス」だ。

スキルの中でも特に魔法と呼ばれる能力は特別視され、それを使える魔法使いはダンジョン攻略、魔道具開発運用、軍事に医療に教育に大活躍だそうな。ただ、特別視されてる割にどれが魔法でそうじゃないのかは曖昧っぽい。難しい本には区別の仕方が書いてあるのかもしれないけど勿論読む気はない。

魔法とか魔法使いと呼ばれるのを嫌がる人も稀にいるとか。魔物と同じ語源で、迷信深い時代には差別迫害人身御供、まああるある。現代ではそういう意味はなくなり、社会的地位もベラ高なので気にしない人が殆どらしい。


後は、この世界の地理的なのを見とくか。勿論子供向けで。……何か凄い広いな。前世の星かそれより広い位ある。そして、うん?魔界だの天界だのって言葉も出てきた。うーん。これはスルーしない方が良い気がして難しめの本に挑戦。ちゃんと読むのは無理なので魔界や天界に関する部分だけ斜め読み。

実在は確かめられていないが迷信でもない、って感じ?魔法使いの内、学問やってる方々が正式に研究もしてるとか。あーこれは、絶対どっちも実在する奴だ。


頭の片隅に入れておこう。この世界……仮に、人界?で調子乗りすぎると魔界や天界から来た怖い人にぶっ殺される可能性を。


お勉強はこんなところか。あ、貨幣単位とか生活面とか全然調べてないや、でももう疲れた。チート無しでこんなにお勉強したので褒められたい。まあ誰も褒めてくれないから自分で褒める。……にもカネが無いからレストランにも入れない。せっかく魔道具の恩恵か、貧乏なこの国でも町は清潔で飲食店も美味しそうなのに。じゃあ、クエスト受けてダンジョン行くか。今日は頭が疲れたからチートの確認その他は後回し。さくっと日銭を稼ぐだけでいい。


冒険者ギルドに戻ると受付嬢に丁度よかった!と声をかけられた。すっごい嫌な予感がした。大当たり。

国王の息子が行方不明という緊急クエスト。


……お貴族様どころか王子様かよ。


まあそれは明日行くとして、ダンジョン……行く気も失せたな。だるい。何か丁度いいやつ、ほら、薬草集めとか町周辺の雑魚狩りとかないの、あ、雑魚狩りの方はいくつかあった。

ここは正直に話した方が面倒がないだろうと、受付嬢に金欠を告げ雑魚狩りクエストを複数受注して、さっさと達成して帰ってきた。魔石を渡すと報酬として銀貨を数枚渡された。宿に払った感じでは、これで一週間位は持つっぽい。


食事も美味しく、宿も清潔で風呂もあった。一通りの欲求を満たされて俺は寝た。前世よりはずっとよく眠れた。

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