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未踏toダンジョンto魔界

結局ダンジョンは殺風景。どこもこんな感じなのかなー。流石に広さは桁違いだけど。

まあ、普通は魔物のバリエーションが彩りになるんだろう。確かに力の強い魔物、群れで襲ってくる魔物、魔法を使う魔物、罠をしかけるというか生態?が罠っぽい魔物……色々な種類が居る。だからパーティを組んだり、ソロはソロで知恵を絞って攻略を考えたり、そういうのが楽しいのかな。

俺には分からない感覚だ。わざと縛りプレイでもすれば……それでもきっと分からないだろうな。


ダンジョンは、攻略できる。全てのダンジョンに「鍵」となる魔物が一体存在する。いわゆるボスモンスター。それを倒せばダンジョンは消滅する。


この世界では、無数とは言わずも日々ダンジョンが発生している。但し殆どは魔物数匹だけしかいない、魔物のねぐらと言った方が良い程度の規模。それらは事件やクエストになるまでもなく「ついで」で攻略される事が多い。攻略するとそこそこの魔石が出てくるらしい。但し一回きり。

これらのミニダンジョンの攻略には制限が無い。むしろ推奨されている。ほっとけば魔物≒魔石が湧き続けると言っても、小規模すぎて被害と利益がバランスしないからだ。

小規模ダンジョンを育成したらでかくなる、といった事例もないそうだ。


国が管理する規模のダンジョンは攻略が基本的には禁止されている。一定以上の規模のダンジョンを攻略するとどうなるのか。高価値の魔石、或いは良く分からないがマナの籠った天然の魔道具のような何かが出てくる。魔石ならまだいい、魔道具のような何かは、その価値を解明するのも一苦労だ。


ちなみにこっそりダンジョンを攻略する事はまず不可能。攻略の瞬間、極小規模のダンジョンすら周辺一帯を照らす強い光を放つそうな。規模が大きい程、攻略の光は強く、大きく高くなる。実験を兼ねてある国の許可を得た冒険者たちが、貧国の田舎を養っていた程度の規模のダンジョンを攻略した時、その凄まじい光は隣国にまで届いたという。


というわけでボスを殺したので、うおっまぶしっ。とんでもない光が周囲を照らす。サングラスチート必須だ。なるほどこれは隠蔽しようがない。この地の周辺国にもモロバレしただろうけど、今はそこまで気を回さなくていい。その余裕があるかどうかも分からないし。


ダンジョン攻略の報酬はというと……。魔石?いや、それにしちゃでかい、でも石……。うーん。一応唯一購入しておいた「何でも収納袋」に入れてみる。素直に入った。凄いぞ何でも収納袋。小銭入れサイズに何でも入る!目ん玉飛び出る位滅茶苦茶高かったけどその価値はある。多分。収納チートとかさえリソース不足になるかもしれないしな。


最初の内は張り切ってダンジョン内部の構造や魔物の構成も確かめながら地道に最奥まで進んではボスを狩っていたけど、すぐ面倒になってきた。俺なので仕方ない。


消すと全部消えてしまうので、何か便利な炎、みたいなイメージのチートを発動してみる。入り口に放つと勝手に燃え広がって内部を全部焼き払う。魔物が死んだ後の魔石も燃やしてしまうが、ボスを焼き殺したら消火する設定なので報酬だけは残る。


報酬は概ねでかい石、たまに良く分からん部品みたいなやつ、稀に精巧な細工、これが魔道具風の何かか、何なのか全くわからん。とにかく全部収納袋にぶち込む。最高級品を買っといて良かった。半端なのだとすぐ一杯になっちゃってただろな。


最初に感知した数百のダンジョンは全部焼いたので、更に奥へ進む。挨拶代わりの魔物の群れ、これはもう消して、感知して、ダンジョンを焼く。んー、報酬を千個以上集めたけど一目でピンとくるようなものはなかったなー。


よし、もうとにかく中心まで行くか。こういう地は中心に何かあるって相場は決まってるんだ。


決まってなかった。中心部も代り映えなし。でも1500余りのダンジョンを焼き払った成果なのか、チートがまた伸び伸びと伸びている感覚がある。ならば、感知。何を探しているのかも分からない「何か」を見つけるという無理難題をチートで無理やり実現。

できた。中心部から北西に結構ずれた場所に1つのダンジョン。「何か」が、他のダンジョンとは違う。どう違うかまでは入ってみないと分からない。


入った。見た目は変わらんな。でも魔物は見た事ない奴ばかりだ。どれ位他と違うのかはこっちがチート過ぎて良く分からない。とりあえず魔石の輝きが尋常じゃない事だけは分かる。魔石ガン無視してたけど、ここのはいくつかサンプルとして拾って置こう。


で、最奥。空間が異様に広くて、その空間を埋め尽くすほどの巨大なボスがいた。殺した。一気に広々。ここの攻略の光はご近所(国)迷惑確実なレベルだろうなーと逆にちょっと楽しみにサングラスチートかけて待ってたのにダンジョンが消滅しない。報酬も出ない。


代わりに広々空間の中心部に淡い光。グラサン外して近寄ると、これはあれだ、いわゆる魔法陣という奴ですね、はい。乗っても良いんだけど如何にも乗って下さい、他にしようもないでしょ?みたいな態度が気に入らない。

ダンジョンから出た。消した。ダンジョンごと消せるのかはやった事あったっけ?無かったっけ?1500も攻略してると分からなくなってくる。消せたからいいか。


と、大地震が発生した。地震は流石に怖いので自己保身用チートをかけまくりながら体を丸めて収まるのを待つ。収まるどころかどんどん激しくなる。酔い止めチートのおかげで酔いはしないけど揺れがとにかく怖い。あ、空に浮けばいいのか。浮いた。何故すぐこれが思いつかないのか。自分に呆れながら延々待ち続けてようやく収まった。これ周辺諸国に大迷惑かけてないかなー。震源が深くてとんでもない惨劇を各国に生んでたら世界の敵認定されかねない。まあその時はその時か。


地震が収まって、最初は変化なしと思ったが何か違う。何がと言われると困るが、空気?天界みたいに色が違うわけじゃないけれど、でも天界を想起した位の違和感がある。つまり?


魔界。周囲の景色は変わらないけれど。でも魔界に来た。そんな直感がある。その直感は身体的な実感に変わった。全身が痛気持ちいいような変な感じがして、暫く続いたその感覚が消えた時。


半分だ。俺は半分永命の種族になった。半分永命って何だよって感じだが、とにかくそうとしかいえない。


嬉しい。全身が震えるくらい嬉しい。


この世界で色々やってれば永命の種族になれる。その確信が持てた。三界への到達が条件の一つだったのだろう。

魔界そのものはあんまり興味が無かったけど、今は気分が良いので観光位はして行ってもいい。


何かドラゴンが飛んできた。ドラゴンを洗う趣味は無いのでそこまでテンションは上がらない。いや、雌かつフォルムチェンジできるなら話は別だ。


「あのー、あなた、未踏の地を攻略なさったんですか?」

「え?まあ、多分」

「うわぁ……」


普通に側まで来て話しかけてきた。わざわざ地面に着陸して頭を低くし、俺と目線の高さを出来るだけ近付けて。何だこの低姿勢、ドラゴンと言えば傲慢が相場じゃないのか。この方が話しやすくて助かるけど。でもドン引きされてる。向こうは話しやすいと思ってくれてなさそう。


「まあ、そうですよね。出口が揺れたんだし。でも、本当に攻略するとは……やっぱり人間って怖い……」

「出口とは?」

「あ、え、えぇ?御存知なく?」

「ええ、まあ」

「うわぁ……。……未踏の地には入り口と出口がありまして、一見同じ姿ですが出口側は基本的に平穏、入り口側はもう、てんやわんやという違いがあります」

「なるほど。確かにてんやわんやでした。あ、でも人間界……で伝わります?人間のいる世界では出口は見かけなかったんですが」

「あー、私も人間に詳しいわけではないので推測ですが、恐らく出口側を開発しちゃっているのではないでしょうか。実は魔界でもそういう話は何度も出ていて。でもその度に強硬に反対する者達が居たので……結果的に彼らが正しかったという事ですね。……まさか、本当に攻略する者がいるとは、うわぁ……」


凄い引かれてる。こりゃ観光案内は頼めないなと思ってたら


「あ、先ほどから失礼でしたね。すみません、つい……。その、せっかく魔界にいらっしゃったのでしたら、色々と見て回られますか?人間の方のお気に召すかは分かりませんが、観光名所など案内させて頂きます。或いは、すぐに帰りたいという事でしたら、入り口側の未踏の地にご案内する事もできますが。いやそれは不味いでしょうか、出口が開発されているなら……しかし他に帰る手段があるわけでも……うーむ……」


めっちゃ頼めたし人間の為にめっちゃ悩んでくれてる。

魔界観光記録そのいち、ドラゴンにはドン引きされるけど親切。

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