↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乙女ゲームの世界に転移したOLが、陰ながら悪役令嬢を救う話  作者: 楊楊
第一章 プロローグ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/28

2 取調べ

 衛兵に拘束された私を騎士団長が怒鳴る。


「すぐに取調べだ。拷問してでも口を割らせてやる。陛下、申し訳ありません。我らの警備の不手際です」

「よい。それよりも原因の究明と、この者の素性を調べよ」

「分かりました」


 私は衛兵に拘束され、拷問部屋に連行された。

 見たこともないような拷問器具が所狭しと並べられている。騎士団長が怒鳴る。


「正直に話すことだ。そうすればすぐに処刑してやる。何も喋らないのなら、死ぬよりも辛い目に遭わせてやる」


 私は打ちひしがれた。



 ★★★


 私の取調べは、騎士団長自ら行うようだ。

 この騎士団長はゲームにもたびたび登場する。攻略対象のゴードンの父親であるだけでなく、不定期に貴族学校にやって来ては、訓練をつけてくれる。その訓練に参加すれば攻撃力が上がり、ゴードンとの親密度も上がる。


 性格は・・・息子のゴードンと同じく、かなりの脳筋馬鹿だ。

 今も意味不明に怒鳴られ続ける。


「正直に言えと言ってるんだ!!」

「何度も言ってますように、自宅いたら急に光に包まれて、いつの間にか・・・」

「そんな馬鹿な話を誰が信じるんだ?もういい、拷問だ!!」


 終った・・・短かったな、私の人生・・・


 そんな時、宰相が部屋に入ってきた。

 この宰相もゲームに登場する。宰相の授業を受けると知力が上がり、攻略対象の一人である息子のクレバスとの親密度も上がる。


「騎士団長。その辺にしておけ。心配になって見に来たら予想通りだな」

「宰相。ここは我に任せろ」

「任せられないから、私がここに来たのだ。お嬢さん、落ち着いて話をしてくれ。悪いようにはしないからな」


 宰相は息子のクレバスと同じく、冷静で常識人という設定だった。

 

「ありがとうございます。この方は全く話を聞いてくれなくて・・・」

「何だと!?もういい、拷問だ!!」


「落ち着け、騎士団長。お嬢さん、話を続けてくれ」


 私はこれまでの経緯を正直に話した。


「いきなり光に包まれ、気づいたら玉座の間にいたと?」

「はい」

「流石に信じられんな。過去にそんな事例があったと文献にはあったが・・・一応、宮廷魔導士団に調査をさせてみる」

「ありがとうございます」

「それでは話を変えよう。君の住んでいた国や家族のことを教えてくれ」


 私は地元の運送会社で勤務していることや父が町長をしていることなどを正直に話した。


「町長というのが、よく分からんな。もっと詳しく説明してくれ」

「そうですね・・・町の代表といったものでしょうか。予算を決めたり、条例を作ったりが仕事ですね。条例というのは、法律やルールみたいなもので・・・」


 宰相と騎士団長の表情が変わる。

 何か変なことを言っただろうか?


「それで君は普段は何をしているんだ?見たところ、学生に見えるが・・・」


 まあ、小柄で童顔だしね。来ている会社の制服も学生の制服に見えなくはないだろう。


「これでも町一番の運送会社で仕事をしています。運送会社というのは、主に商品をトラック・・・ではなくて・・・大きな馬車のような物で運ぶのが仕事で・・・」

「どれくらいの規模なのだ?」

「えっと・・・トラックは30台だから、馬車でいうと・・・」

「それって大商会ではないか・・・そんな商会に就職させられる権力となると・・・」

「権力というほどのものでは・・・田舎の小さな町ですし。あっ!でも立派なお城はありますよ。町で唯一と言っていい観光スポットで・・・」


 しばらく話をした後に、騎士団長と宰相は拷問部屋の外に出て、ヒソヒソと相談を始めた。

 全部聞こえてるんだけどね・・・


「おい、騎士団長。町長というのは、この国でいうと辺境伯のようなものかもしれんぞ」

「そ、そうだな・・・」

「それに大規模商会の関係者でもある。お前の態度が後々問題になるかもしれんぞ」

「それは・・・困るな」

「この後はお前に任せる。私は彼女の証言の裏を取る。くれぐれも怒鳴ったりはするなよ」


 そこからは急に騎士団長が優しくなった。

 どうやら、いい意味で勘違いしてくれたようだ。



 ★★★


 3日後、私の処分が決まった。

 私が異国の辺境伯の娘かもしれないという話になり、処分保留となった。しかし、保護という名目で貴族学校であるシャイターン学園に入学が決まった。私が成人していると言っても聞いてくれなかった。25歳にもなって、10代の若者と同じ学校に通うことになるとはね・・・


 でも私はポジティブに考えることにした。

 折角「聖女と勇者」の世界に来たのだから、この世界を楽しもう。それに間近で攻略対象たちを見られるしね。


 そんな思いを抱えながら、私を乗せた馬車は進む。

 しばらくして、大きな建物が見えてきた。間違いなくシャイターン学園だ。私はワクワクしていた。しかし馬車はシャイターン学園を通り過ぎ、森の中に入っていった。

 同行している騎士に質問する。


「あの学園に入学するのではないんですか?」

「扱いは同じシャイターン学園の学生ですが、マコ様が通われるのは特別クラスになりますので・・・」


 騎士は答えづらそうに言う。


 特別クラス?


 そんな設定は、ゲームにはなかったはずだけど・・・


気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。