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異世界兵器開発録  作者: タスムート
第一章 悪魔の研究者
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悪魔に取り憑かれた少年

帝国歴929年の2月、私は、初の戦場に赴いた。


前線は予想を遥かに上回る悲惨さであった。


周囲には人体が転がっている。指や足はまだマシなほうで、土にまみれた目玉や、地面に刺さった肋骨がそこら中にあった。


魔銃は標的に着弾した瞬間、エネルギーが球状に広がる。そのため、人体に当たると四肢が吹き飛ぶのだ。まあ、痛みを感じずに死ねるだけ人道的である。


私は、最前線の魔術歩兵に開発した武器の設置をさせ、魔力を込めた。


この武器の名称はシュタイン魔銃という。名前の一部を軍上層部につけてもらった。


魔力の充填スピードは現行の魔銃とほぼ変わらない。タンクにもクリスタルを混ぜたおかげか、魔力が大幅に増幅されすぐに充填が完了した。


私は魔銃が暴発する可能性も考え、設置位置よりも離れた場所から遠隔で引き金を引くようにした。


頭を下げながら塹壕の中を走っていると、頭上を魔弾が掠める。


魔弾の掠める音は甲高く、これに当たると死神でさえも死んでしまいそうなことから、死神の断末魔と呼ばれているらしい。何とも禍々しい呼び方だ。


そうこうしているうちに、全ての準備が完了した。緊張が走り手が震える。もし暴発してしまうと、私たちの塹壕が吹き飛び、フェルグラード前線は崩壊してしまう。もし生き残ったとしても、軍法会議にかけられ、処刑されるのがオチだ。


私は震える手を押さえながら、思い切り魔銃の引き金に掛けたロープを引っ張った。


その瞬間、銃口からは眩い閃光が走った。


言葉にならないような甲高い音が響く。死神の断末魔なんて生ぬるい。言うなれば、神の断末魔であろうか。


先程まで跳んできていた魔弾がピタリと止んだ。


ふと相手の塹壕を見る。そこにはポッカリと空いた穴。少なく見積もっても直径3メートルほどのクレーターが出来ていた。


なんてものを作ってしまったのだろう。大成功なんて言葉じゃ足りない。


私の心は踊り昂ぶった。気づくと私は、恍惚とした笑みを浮かべていた。


のちに私の様子を見ていた歩兵は語った。



『あの時、彼の目には悪魔が宿っていた』



と。


実証実験を終えたのち、事前に生産していた100挺のシュタイン魔銃を、速やかに前線の歩兵に渡した。


長年拮抗していたフェルグラード前線であったが、私の開発した魔銃が、戦況大きく変えてしまったのだ。


1週間後、前線を押し上げた我軍は、コル連邦の主要都市であるキリングベルグを占領した。


研究所に戻った私は、実験結果を論文にまとめ、上層部へ提出した。


上層部は功績を称え、12歳と8カ月の私は、名誉開発教授の称号を授かった。また、個人的な研究室も与えられ、莫大な予算を使った兵器研究の許可が下りた。


私は休む間もなく、新たな兵器の研究を始めた。悪魔に取り憑かれたかのように、寝る間も惜しんで研究に勤しんだ。











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