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22 そのヒーローはバイクに乗って

バイクとヒーローは切っても切れない関係だと思っております。

今回はあの仮面のヒーローへの想いを書いています。

 私が子供の頃、テレビ画面の中でヒーローはバイクに乗っていた。

 悪の組織に機械の体に改造されながら、人間の自由のために戦う仮面のヒーロー。

 跨るバイクの格好良さに目を惹かれながらも、どこか悲しみを秘めた背中に憧れた子供時代。

 年齢を重ねるうちにヒーローはあまたある興味の底に沈み、あまり表に出して好きだと言わなくなっていったが、私がバイクに乗る原点にはきっと、あの颯爽とバイクを駆る雄々しい姿がある。

 私は病気を経験し、そのままなし崩しに年をとっていく自分が嫌で、二輪免許を取った。

 実際に乗ってみると、そんなちっぽけなことはどうでもよくなってしまうのがバイクの良いところなのだが、それでも転倒したり、トラブルにあったりすると不意に感じなくなっていた不安が戻ってくる時がある。

 そんな時、あのヒーローの悲しくも力強い、バイクに跨った背中を思い浮かべる。

 戻らないものを嘆くのではなく、新たに得たものを大事にしよう。

 私にとって、あの背中はその象徴だ。

 彼が世界を守る力を手に入れたように、私が新たに得たものの価値も計り知れない。

 バイクによって加速する意識と、鮮やかさを増していく美しい世界。

 光が、風が、景色がより鮮明になり、世界と意識がつながる瞬間。

 ヒーローが受けた悲しみに比べれば、私が感じる不便さなど蚊に刺されたようなものだし、彼が戦う相手は巨大な悪の組織だが、私の相手はたかだか自分自身の内側にある小さな不安だ。

 だからヒーローのバイクは目も眩むような加速を必要とするし、私のバイクはのんびりと流す程度の加速しか必要としない。

 迷った時、悲しみや不安の霧を吹き飛ばしてくれるバイクは、私自身が強くなるための変身ベルトだ。

 ヒーローは『変身!』と叫ぶ。

 私はキーを挿し、セルボタンを押し、クラッチを握ってチェンジペダルを踏み込む。

 ヒーローが戦うように、私はアクセルを開ける。

 悪の戦闘員が吹き飛ぶように、私の不安も後方に吹き飛び、怪人が爆発するように、私の迷いもどこかに消えていく。

 私はヒーローのように強くないし、彼ほど大きな悲しみも背負っていない。

 それでも時折、膝をつきそうな後悔や不安や迷いに襲われる。

 人として社会の中で生活している以上、誰にでもあることだし、誰だって戦っている。

 私は弱いからヒーローに助けてもらいたい。

 でも、彼は世界のために戦っているのだから、私は私で強くなって戦わなければならない。

 だから、私もバイクに跨る。

 加速し、意識を解き放ち、世界とつながっていく。

 その瞬間があればまた立ち上がって戦えるし、不安にだって勝てるはずだ。

 私が憧れた仮面のヒーローは、もう元の体には戻れない悲しみを胸の奥にしまって戦っていた。

 私の悩みなんてどうってことないし、元の体に戻ることは出来なくとも、前に進むことは出来るのだ。

 私もあんな風に、力強く、格好良くありたい。

 同じようにバイクに跨り、加速し、鮮明さを増す世界の中を走りながら、私もあのヒーローのように。

私にとって、ヒーローは悲しみを秘めたあの仮面の背中とバイクです。

未だにフィギュアやストラップを集めてしまう程好きです。

いつか私もサイクロン号に乗ってみたいなぁ~。

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