20 道でない場所をゆく
本格的なオフローダーではなくトレールですが、舗装路以外を走るのも楽しいですね。
今回はそんなお話しです。
クルマやバイクには『OFF ROAD』というジャンルが存在する。
日本語だと『道路以外の場所』だ。
三菱自動車のパジェロやスズキのジムニーなどがクルマでは有名だが、大自然の中を走るダカールラリーのようなラリーレイドや、大掛かりなコースを走るクロスカントリーのイメージが強い。
バイクではモトクロスやエンデューロ、トライアルといった競技がこのジャンルにあたり、各メーカーからオフロードタイプのバイクが発売されている。
でもよく考えてみると、オフロードは道路でないところという意味であるから、そんなに構える必要はなかった。舗装されていない草だらけの駐車場だってオフロードだし、河川敷に降りれば砂利や土や草のオフロードフィールドが広がっている。
私が相棒として選んだカワサキ・スーパーシェルパは、競技で使われるものとは違うが、元々道路として整備されていない場所を走るために造られたバイクだ。
ただ、買った当初は舗装路向けのタイヤが装着されていた。
前のオーナーはあまり道路以外を走ってはいなかったようだ。
私はそのタイヤのまま、ある程度まで練習をし、転倒をし、軽いケガをしたりしながら、相棒の操作を覚えていった。舗装路向けとはいえ、まったくのオンロードタイヤではないので、平らな草地程度ならなんとか走ることは出来た。
無論、専門のスクールに入った訳でもないし、練習といっても本気でスポーツとしてバイクにのっている人達に比べれば練習ですらないレベルだと思う。
それでも、道路ではない場所にバイクで入ってみると、驚くほど新鮮な感覚が楽しめた。
そして、しばらくしてタイヤを履き替えた。
それまでよりも汎用性の高い、オールラウンド用のオフロードタイヤだ。
ゴツゴツとしたブロック状のデコボコが並んだタイヤを履いたスーパーシェルパは、ようやく本来の姿に戻ったように見えた。
100kmほど走って慣らしを終え、いつも練習をしていた草だらけの駐車場に行ってみる。
慎重に、低速のまま未舗装の草地に入った。
驚いたことに、以前感じた傾けると転倒してしまいそうな不安な雰囲気が無くなっていた。
傾けてもブロック状のタイヤが地面をしっかりと蹴っていく。
ひとしきり感覚を確認し、今度は河川敷にバイクを向けた。
アクセルワークを誤って転倒した記憶が頭の隅を過ぎる。
教訓は生かさなければ意味が無い。
私はアクセルを慎重に操作しながら砂利のフィールドに入った。
アクセルを開けていくとコントロールができなくなる感じは同じだが、滑り出す前に私でもそれが解るようになっていた。
そのまま今度は地面に凹凸の多い草地に入る。
相棒は元気に、地面の凹凸をものともせずに進んでいく。
柔らかめに作られたしなやかな足回りが、上下動を程よく吸収してくれている。
私はあらためて、整備された道路ではない場所を走る楽しさを感じた。
すごい、馬に乗って草原を走っているみたいだ。
ヘルメットの中で顔がニヤける。
舗装路で加速をコントロールしながら走る楽しさとは別の、外に向かって広がっていくような開放的な楽しさ。
オフロードならではの楽しさがここにあった。
私の技術ではあまり色々なことは出来ないし、とんでもないところまで入っていける訳でもない。
それでもこの楽しさだ。
これからもっとたくさん練習しなきゃな…
私達はきっと、もっと色んなところへ行ける。
道でない場所を、このバイクが本来走るべきフィールドを。
草地を走っているとまさにアイアン・ホースという感覚を経験できます。
オフロードは楽しいですね。




