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020最終章前夜! 男2人女1人の組み合わせで、とうとう禁断の場所へと足を踏み入れる。

020最終章前夜! 男2人女1人の組み合わせで、とうとう禁断の場所へと足を踏み入れる。



「で、御子なのか?」

 という中年の男。

「はい。間違いなく」

 神妙な顔で頷く女騎士。

「ではやはり『空間収納』を持っているのか?」

「いえ…… それが……」


 そういう会話は2人でやってくれないだろうか。

 俺の目の前でせんでも。

 いや、女騎士がチラチラこっちを見ているので、多分『やってみせろよ?』という事なんだろうけど。

 

 □

 

 こうやって見てみると、やはり2人は似ていた。

 本当の親娘か親戚筋だろうか。

 

 □

 

 そんなわけで、俺の黄金化の能力を披露した。


 そしたら中年の男も頭を抱えて、

「ん……ぅごぉおおお……」

 と唸ってしまった。

 女騎士は不憫そうな顔でそんな上司を見ている。

 

 □

 

「なるほど、こういう事でしたか。これは確かに言えませんね。貴方は500年に一度の神の御子。これはおそらく神に授けられた力でしょう」

 合っていますか? という視線で俺を見たので、

「はい」

 と短く答えた。

 男は女騎士より言葉遣いがかしこまっている。

「あ、でも、この能力もらったのはこっちの神様じゃないというかなんというか」

 どうやって説明したものか。

 

 俺は別の世界で死んだ。

 その後、神の居る場所に居た。

 俺の管理をするはずだった神が、俺を別の神(猫神様)に押し付けた。

 その神(猫神様)も面倒だと言って、自分の管理外のこの世界に落とした。

 その際、能力をもらった。

 

 という事をなるべく簡潔に語った。

 

「ということは、この世界の神の加護は受けていないのか」

 言われてみればそうである。

 俺はこの世界の神を知らない。

「他所の神の加護か」

 と冷ややかな視線の女騎士。

 

「だが連れていかねばなるまい」

 

 どうやら俺は連行されるらしい。

 

 □

 

 

 そんなわけでやって来ました王都。

 この国の首都である。

 

 馬車でお尻のHPを削りながら3日間。レベル10でも耐えられん。

 色々あったけど、まぁそれはそれ。

 休憩はあったものの、夜も馬車を走らせていた。

 何でそんなに急いでいるのか。

 

 俺は早速王宮に連れられて行った。

 左右を女騎士と中年男が固めている。

 逃亡防止かと思ったのだが、

「500年ぶりの御子だ。今の体制への影響を嫌がる者による暗殺もあるかもしれない」

 どうやら俺を守っているらしい。

 

 前にこの2人を出迎えた時の愚行を二度とおかすまいと、今度はジャージで来た。

 王様のお城にジャージはどうかとも思うのだが、異世界の服なんだから相手にはわからんだろう。

 何より、地味な服を着ていると落ち着く。

 

 だが、王宮に入ると以前俺が着たオモテナシ服よりずっとギラギラで豪奢な服を着ている人が多数いて、俺のジャージは地味すぎて逆に目立った。

 おかしい。うまくいかない。

 

 ただ、周りの人達の目が、変な焦りの様なものを宿しているのがはっきりわかった。

 

 □

 

「早速だが、お主に頼みがあるのじゃ」

 王様は思ったよりも柔らかい雰囲気の老人だった。

 体格こそ大きいものの、物腰も話し振りも柔らかい。

「500年ぶりの神の御子よ。どうか、北から進軍してくるモンスターの群れを排除してほしいのじゃ」


 まさかのジェットコースター展開だった。

 

 この国の北は山岳地帯になっており、国は無い。

 強力なモンスターがひしめく危険地帯で、そのさらに北は海。山に登れば水平線が見えるそうだ。

 

 ああ、海が見たいなと、地球が懐かしくなった。だってこれ絶対面倒な話だろうし。現実逃避したい。

 

 そこでモンスターが異常発生しており、観測チームによればやがてこの平原に下りてくるだろうとのこと。

 

 他国からの侵略を警戒して背後にこの山岳地帯を構えている王都は、最初の餌食になってしまう。

 巨大な城壁はあるものの、数が尋常じゃ無い。

 観測によれば、1万を超えているだろうとの事。

 全部ゴブリンならギリギリ迎撃できそうだが、高位のモンスターもかなり混ざっているため、王都を捨てた方が賢明である。

 そんなわけで明日から避難、疎開を開始する。

 プライドより人命尊重を選んだ王様に俺は敬意を覚えた。

 

 とはいえ、迎撃できるに越した事はない。

 心血注いで作った街は長い歴史を持つ重要な資産であるし、何より、この平原でさらに増えられると厄介だ。

 

「頼む。神の御子よ。どうか奇跡の力で脅威を退けて欲しい」

 と、王様は疲れた顔で頼んできた。

 

 でもさ…… それは……

 

 俺が答えられずにいると、左右の2人が、

「はっ! 必ずや!」

 とか言って頭を下げ、つられて俺も頭を下げた。

 

 無理です。

 とは言えない。

 周りの視線が必死だったのだ。

 逃げると言っても、1万のモンスターだ。

 王都の食料を食い尽くしたら、バラバラに逃げた人々を追ってくるだろう。そもそもモンスターの主食は人間である。

 

 しかし、俺は戦えない。

 期待されても困る。だが、知らねーよとも言えない。

 王都の食料を貪ってモンスターが増え、逃げた人々を食ってさらにモンスターが増え、散り散りに街を襲ってまた人を食い……

 いつかは殲滅されるだろうけど、それまでどれぐらいの被害が出るのか分からない。俺自身もやばい。

 いまいちよく分からないが、神の御子というのは希望らしい。

 周りの視線が痛い。

 

 そんなわけで、そこでの話はあっさり終わった。

 

 □

 

 俺は居たたまれない気持ちで2人に引きずられ、王城の一室に連れていかれた。

 

 ぼんやりしていたからよく覚えていないが、どんどん王宮の奥深くに入っていくみたいだった。

 俺はおとなしく従っていた。

 

 1つの扉の前に来て、中年男がその扉を開き、中に入った。

 

 

 そこには、さっき見たばかりの王様がいた。

 

 ◯


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