何が聞こえた
「うぉ~。」
大学の研究室からけたたましい雄叫びが聞こえた。
十三人程のスタッフが、ダークグリーンのドアを蹴破ってなだれ込んだ。
「どうしたんだね。」
「お前か。」
「フレデリック君。困るじゃないか。」
所長のアール教授が怒った。
「出来たんです。」
「…。何が。」
「発明です。」
「明日聞くよ。わしは今忙しいんだ。」
スタッフはそれぞれ自分の研究室へ帰ってしまった。
「フレデリック。どうしたの。」
「君か。ちょっとドアを…」
フレデリックはロッカーの扉を開くと中から出て来たのは、
一台の光学機器の様な物だった。
「もしかしてレーザー発射装置?」
「そんな恐い代物じゃないさ。」
「君、済まないがキャンパスの端にベンチが見えるだろう。」
研究室のガラス窓から広いキャンパス内が一望出来た。
「あの白いベンチかしら。」
「これから行って、そう5分程座って見てくれないか。」
「OK。」
間もなく彼女が白いベンチに座るのが窓から見えた。
「良し、いいだろう。」
フレデリックは早速マシンにスイッチを入れθ波を発射させた。
窓の外を見ると、
オレンジ色のカーディガンの彼女が魅惑的に微笑んだのが眩しかった。
その彼女が非常に不思議そうな顔をして手を挙げた。
そこでフレデリックは
「今、行くよ。」
と合図を送った。
「驚いたかい。」
「ねっ。あれって何なの。」
「何が聞こえた。」
「ハープでアベマリアが聞こえたわ。」
http://www.youtube.com/watch?v=hxn0NGIYG80
「はっはっは。」
してやったり。とフレデリックは喜んだ。




