θ波の研究
フレデリック青年は大学の研究室に居た。
そこで音響に関連した或研究に没頭する事になった。
「フレデリック。何しているの。」
「何って、君には余り興味無いと思うけど。」
「まぁ、そう見限ったものでも無いかも知れなくてよ。」
「じゃ云おう。」
「何かしら、怖いな。」
「今、θ波の研究をして居るんだ。」
「それは知らなかったわ。」
「θ波を離れた位置から発射すると、かなり遠方に居ても、
音声情報を対象者の脳内に発生させる事が出来るのさ。」
「ねっ。それって何に役立つのかしら。」
「さあ。それは未だ判らない。」
その日フレデリックは研究室から帰ると、
アパート近くのレストランで遅い夕食をした。
レストランで食事をしながら、何と無くテレビを見て居た。
彼は思わず心臓が高鳴った。
全身鳥肌が立った。
「は…。ショパン、夜想曲。」
http://www.youtube.com/watch?v=r7BFh37zuk0
軽やかな演奏に彼も、少なからず、ジェラシーを覚えたのは確かだった。
「あ…。」
夜想曲を耳にしながら彼は何かを思い立ったようだ。
急いでレストランを出るとアバートの階段を駆け上がった。
「フレデリック。」
一階の大家が怒鳴った。
「ごめんなさい。」
部屋に入るとフレデリックは上着を放り投げパソコンに向かった。
「さあて。」
彼は一体、何を考えて居るのか。
わき目も振らずキーボードを叩き始めた。
夜は次第に更けて行った。




