「どうします。」
時間に成るとドアをノックする音がした。
そう、オリーブは強いて帰宅させた。
「フレデリックさん。」
「あ、FBI…。」
「そう、FBIです。」
フレデリックがドアをそっと開けるとグレイのスーツに身を固めた三十代のニヒ
ルな男が立って居た。
半ば強行的に外の車に押し込まれた。
「ま、待ってくれ。」
敵は中々待ってはくれなかった。
「FBIに着きました。」「な、何だって。隣町じゃないか。」
フレデリックは余りにもの近さに驚いてしまった。 街中に良く有るオフィスと云
った処だろうか。
フレデリックは受付の女性に案内されて、彼を待つ人物の部屋へと行かざる負え
なかった。
「ようこそフレデリックさん。」
「初めまして。」
不機嫌そうなフレデリックに担当官だと云う男ジャックは愛想笑いを浮かべた。
「僕は彼女とプライベートを…。」
「ああ、それは大変申し訳ありませんでした。」
「実は事件がありまして、是非ともご協力お願い致したいので。」
フレデリックは厳しい表情をすると、
「協力と云う事は、お断りしても構わないと云う事はですね。」
ジャックは少し驚いた顔をすると。
「そ、そう云う事にも成りますね。」
「手短に申します。」
「…。」
「本日未明、ニューヨーク市内のFホテルにテロリストが乱入したのを知ってい
ますか。」
「お言葉ですがその事件と私と何の関係が有るんでしょうか。」
「こいつは手強い。」
「余り色んな事に首を突っ込みたく無いんです。」
「それは、良く判ります。」
「では、お話下さい。」
「貴方には全く関係の無い話しでは有りますが、テロリストとの交渉が膠着状態
で進展せずですが。彼らの首謀者の情報に、クラシック音楽に大変造詣が深いと
聞き、此で手荒な事は避けて見ようと、トップが判断したもので…」
「私の研究のθ波が使えないかと云う事でしょうか。」
「はっはっは。流石に読みがお早い。」
「う~ん。」
「如何でしょうか。」
「犯罪者と云っても些かなりとも音楽を愛する心が有る。罪を赦すのは裁判所の
仕事。」
「随分弱腰では…」
「はっはっは。今度トップが替わったばかりでねえ。私には良く判らないんだが
、彼らにこれ以上の罪を犯させない事も考慮したと云う訳だろう。」
「判りました。」
「随分早い決断で。」
「急を要します。」
「有難う。ではこちらへ。」
フレデリックはジャックの車に乗り込むとアパートでθ波発射装置を積み込んだ
。
現場のFホテルは警察の包囲陣や報道関連の車で溢れて居た。
ジャックは
「どうします。」
フレデリックは
目を、きっと引き締めると「やるしか無いでしょう」と、きっぱり云った。
θ波発射装置をセットしていると、
「楽曲名曲は…」
フレデリックは
「ホシの好みのデータは」「バッハの崇拝者だ。」
「バッハ先生と云えばG線上のアリアと云いたいが」「何が有りますか。」
「そうだね、やはりあれにしよう。」
「スタンバイOK。」
http://www.youtube.com/watch?v=DmOJ53HB0R4&feature=fvst
θ波発射装置が震えた。




