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Chopin 2012  作者: 中仙堂
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「トッカータとフーガの二単調」

Fホテルの一階ホールには犯人達の築いたバリケードの山が有り、その奥には従

業員や、客達の人質が居て膠着状態であった。


主犯のドン・ケージは、疲労を隠せない様子だったが決して行動の変更を考えて

は居なかった。

「お前達気を緩めるな。」人質には全く人間的な配慮は無かった。

「俺達は一体どうなってしまうんだ。」

只、時間だけが通り過ぎて行くのであった。


と、その時彼等の脳裏に突然荘厳なメロディーが沸き上がって来たのである。

「何だ。隣はコンサート会場か。」

現場は騒然と成った。

やがて人々は各々の立場も、怒りも、悲しみも、

飢えも渇きも忘れて、

じっと

音楽に聴き入った。

暫くして

主犯のドン・ケージは、

「は、バッハじゃないか」とぽつりと云った。

自分は今何を考え、

何をしようとしているのか。

「嗚呼。自分にはかつて、音楽が有った。」

思わず彼の両の目尻から、熱いものが流れ落ちた。

何ものの音も聞こえなかった。

「主犯のドン・ケージ。お前を逮捕する。FBI捜査官だ。」

ドン・ケージは、

虚ろな目を見せながら

フレデリックの前を通り過ぎて行った。

で、結局今回の事件解決のキーワードは

「トッカータとフーガの二単調」だったそうである。選曲は月並みだったろうか。


http://www.youtube.com/watch?v=wzzNjSJCyrw&playnext=1&list=PL567A4095E8A43497



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