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「フレデリック居るの。」
雨の日曜日午後、
アパートの天窓をぽとりぽとりと打つ音がする。
机に伏して物思いに耽るフレデリック。
誰かがドアを叩いて居る。
「フレデリック居るの。」
「ポパイなら留守だよ。」
そっとドアを開けると、思った通りオリーブだった。
「ふふふ。相変わらずね。」
「良く来たね。」
「最近元気無いわね。」
「そうなんだ。」
彼女は部屋の片隅のピアノを見ると
「私の為に弾いて…」
「判った。」
フレデリックは余り気が進まなかったが、
鍵盤の前に座った。
「何を弾こう。」
「ラ・カンパネーラが聴きたい。」
http://www.youtube.com/watch?v=xNzzF0M5hB0
「何て贅沢な女の子なんだろう。」
「フレデリック・ショパンにラ・カンパネーラをおねだりしてさ。」
「はっはっは。」
「はっはっは。」
突然情熱的なメロディーが奏でられ始めた。
街中に鳴り響く鐘の音。
谷間にこだまする鐘の音。
弾いている内にフレデリックの魂は、
鐘の音と共に空高く駆け巡った。
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