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Chopin 2012  作者: 中仙堂
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「御免なさい。」

「フレデリック、フレデリック。」

遠くで誰か自分を呼ぶ声がした。

白い霧の中に自分を呼ぶ声がした。

「貴方は誰ですか。」

その人物は白い服を着た老人だった。

「貴方は…」

再び呼んだ。

老人は爽やかに微笑んで

「フレデリック。」

と懐かしそうに呼んだ。

フレデリックは何故か懐かしい顔に思えた。

「私だよ。フレデリックだよ。」

「フ、フレデリック?」すると老人は笑いながら頭を降り。

「いいや。フレデリック・ショパンさ。」

フレデリックは老人をまじまじと見詰めた。

「フレデリック。音楽は楽しいかね。」

「は、はい。」

彼は気まずそうに紅い顔をすると、

「御免なさい。」

「何を謝るのかね。」

フレデリックはショパンコンクールのステージの事を思い出した。

「はっはっは。」

可笑しそうに笑った。

「良いじゃないか、そんな事。

それでわしやお前の人格が破壊される訳じゃない。」

「我が愛するフレデリック。お前の幸せだけを願うぞ。」

青年フレデリックは無性に涙が溢れて仕様が無かった。


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