まごうことなきデートです7
シェア目的で小さいのを一つか、ケチだと思われたくないので大きいのを二つか。どうしようか考えて、中途半端に真ん中のサイズを味2種類で購入してしまう。一人しかいないのにドリンクを二つ頼んだせいか、レジの人の反応が少し鈍った気がした。
どう考えても、恵茉の横で呑気にポップコーンが喉を通る気がしない。……恵茉はそんなことないだろう。
「買えました?」
「うわっびっくりした!」
気配を消して後ろに出てきた女の子のせいで危うく買ったばっかりのものをこぼしそうになる。
恵茉がドリンクを受け取って少し飲む。なんだか艶めかしく感じで目を逸らしてしまう。
「あ、正解です。間違って高瀬君のヤツを飲んだらどうしようって思いました」
反応しにくいことを平然と言い放って屈託なく笑った。
「はいこれ、チケットです」
恵茉から受け取って書いてある題名に違和感。
「これ……」
数ある中から恵茉が買ってきたのは売り出し中の女優とアイドルグループの主演が織りなす恋愛映画。
真っ向からの邦画だった。
「まぁ、たまにはいいじゃないですか。それとも高瀬君的にはダメでした?」
「いや、全然!俺、全然邦画も好きだし!」
恋愛映画って言うのがそこまで悪くない気がした。と言うのも多分、俺も恵茉もデートでの正しいチョイスが分からないのだろう。このぐらいがちょうどいいのかもしれない。
「良かったです、ごめんなさい、恵茉のわがままに付き合ってもらって」
「逆に新鮮で良いじゃん」
チラリと映画のタイムテーブルを見る。確かに時間がベストなのはこの邦画だが、別にさっき話したアニメ映画も洋画も別に待てない時間じゃない。何か、恵茉にはほかに考えでもあるのだろうか。
「じゃぁ行きましょう。恵茉、早めに行くのが好みなんです」
崩れたスキップのような足取りで歩く恵茉の後ろを追いながら引っかかる何かを無意識に探していた。




