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(焦ってる焦ってる)
このままじゃカサノヴァはメイクを完成させることができない。今もなお、ここに残ってる神や竜は動かないっぽい。いや、竜は単純だし? 何体かはその声に応えてくれた奴もいたみたい。最初の時は日和ってたけど、カサノヴァのメイクが通ってるのをみて、「これならいけるかも」――とカサノヴァに希望を見出したみたいだ。
まあそれはそいつの自由だ。神も竜も自身の意思というがはっきりあるんだから、そこは勝手にやればいい。自己責任だからね。でもカサノヴァ的には竜よりも神が欲しかったはずだ。正確には神の魂……がね。だって竜の魂よりも神の魂ほうが柔軟性高そうだったからね。
輪廻にアクセスして好き勝手に魂を引っ張る……こともできなくもないだろうけど、けど神や竜の魂は引っ張れないからね。自身が管理してた宇宙の輪廻限定になるだろう。そしてそこで生きる者たちの魂もきっとすでにカサノヴァは使ってしまってるとおもわれる。
だからこそ、ここにいる神や竜や龍たちに動いてもらわないと困る。もしもできることがあるとすれば……
「あとは自身の魂を使うしかないけど……」
「彼女はそれをしたくはないでしょうね。」
ククール神のその言葉に私はうなづくよ。あの自分絶対主義のカサノヴァだよ? それが自分を犠牲にする? まあ最悪するだろうけど、それは本当に屈辱だろうね。
『ククール! あなたがそこの神たちを説得しなさい。私が! 私につくのが正解だとあんたが言えば流される神はいるはずよ!!」
「それは私に占いの結果でうそをつけと?」
『嘘じゃないでしょう! 私がこの宇宙の希望なのはあんたが言ったことよ!』
まあ確かに。てかやっぱりククール神に要求してきたね。わかってたことだ。ここで見捨てるのは簡単だ。このまま魂を得られなかったら、カサノヴァのメイクは完成せず、カサノヴァの敗北は決定する。宇宙の種だって芽を出さない。まああれは宇宙の種なんてものじゃないから芽なんてそもそも出ないが……けどこのままだとあれがそうじゃないと気付くこともなくカサノヴァは逝くことになるだろう。
それは……ちょっと残念だよね。ククール神はこっちをみてくる。私はうなづいたよ。
「わかりました。やってみます」
そんな風にククール神は返した。するとカサノヴァは「急ぎなさい!」といって始祖の龍への対応に戻ったみたいだ。
「どうします?」
きっとククール神はほかの神とかを犠牲にするのはどうかと思ってるんだろう。だって最初にカサノヴァについていった奴らは自分の意思だった。まあその時もククール神の予言はあったけどね。でもそこでカサノヴァに賭けることを選ばなかった奴にここで再度言いに行くというのは……それは占いを強要してるようだ。
それはククール神の心情に反することなんだろう。
「大丈夫、わざわざ説得する必要なんてないわ」
私はそうククール神に言ってあげる。そもそもそんな時間はない。




