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ざわざわと周囲がしてる。ここはゼーファスの宇宙で、そしてその中の神の領域にある建物だ。自身の宇宙をなくした神や竜がここに集まってる。竜達は建物じゃなく、この神の領域内にいるってだけだけど。
そしてさっきのカサノヴァの通信。あれは強制的にこの場所にいるすべての神や竜へと伝わっただろう。そしてちゃんとみんながその意味を理解したはずだ。ようはカサノヴァがピンチってことがね。だってそうゃないとこんな言葉を伝えてこないだろう。
だって……だよ? だってカサノヴァは言ってた。ここに残る者たちに対して――
「私たちはもうここに戻ることはない。貴方たちとは違って私たちは先に行くわ」
――ってね。ここに残る神たちをバカにしてるようなさ……そんな風にいってた。自信満々だった。その時はたくさんの神や竜を取り巻きとして周囲に侍らせてた。けど今はもう一人。いやまだヴァラヴァレレイドたちのような強力な龍はいるが……それは別にカサノヴァについてるってわけじゃないからね。
だから彼らはメイクには使えない。まあ彼らがやられたときは魂なんて自由につかえってスタンスだろうけど。でもカサノヴァも今残ってる龍が消えるのは困るだろう。いろいろと援助してくれてるし。だからこそのここに残ってる神や竜に対するもう一度の声掛けだ。
ここに残ってる神も一応遠い場所で行われてる戦いを見てた。誰かの力なのか、そういうシステムをゼーファスが編み出してたのか、それぞれの神がそれぞれの手段でもってその戦いを見守ってた。だから状況はわかってる。
カサノヴァの戦いは悪くはなかった。そう本人は思ってる。だって一応は通用してるからね。メイクを完全に完成させたら……それこそ完璧なメイクを始祖の龍に施せたら、チャンスは確かにあるんだろう。その希望はあると思う。
どんな攻撃もほぼ通らない始祖の龍にカサノヴァのメイクは通ってるからね。でも……それでも……手を上げる神も、そして竜もいない。だってカサノヴァに懸けてたやつらは、もう全員、すでにカサノヴァが犠牲にしたから。
そう、ここでカサノヴァの声に応えるってことは、自身もメイクの材料になるってことだ。さすがにそれは……ね。いくら新たな宇宙で復活させるとカサノヴァはいってるとしても、今ここに残ってる神たちは、それを不審に思ってる奴らなのだ。
『くそ! あんたたちはそんなんだからダメなのよ! 私しか! 私しかいないのよ! それがどうしてわからない!!』
そんな怒った声が頭をガンガンしてくる。




