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『我らの魂も使うか?』
「あら、使わせてくれるのかしら? それはとてもありがたいのだけど?」
『ふっ、すまんな。今の我は我自身の物ではない。だから勝手にこの命を指す出すことはできない」
『なら、最初から言わないでくれる?』
それはそのとおりだと思った。ヴァラヴレレイドとカサノヴァの会話。やる気が無いのならいうな……というカサノヴァの言葉はそのとおりだよ。てかヴァラヴレレイドがそんな事いったらさ……
「真竜改32槍の貴方がそこまでいうって……あの子? あの子はもう」
『それ以上は愚問だな。我ら龍は盟約を違えたりはしない。それだけだ』
なんとか曖昧に言ってくれたヴァラヴレレイド。でもきっとカサノヴァ的には疑惑は残ったと思う。
「もしかしてあの神はまだ……」
そんな風に思ってるはずだ。けど、まあ深く考えることはないか。むしろこれで私が最期の最期に現れたら……「あれは伏線だったのか!?」――とかなるんじゃない? そうなるとニマニマとしてしまうな。
なんか隣のククール神が引いてるような顔してるが……そんなにあくどい顔してるかな? いや、ほら美人の冷たい顔ってより怖く見えるじゃん? それだな。私の酷薄な笑みはゾッとするほどに美しいからね。
だからククール神は引いてるんだろう。
『ふっ、意趣返しだ。悪く思うな』
「こんな場面で?」
『今しかないだろう? 我もムカついてるからな』
「そういうのはあいつに向けなさいよ。今の希望は私よ? 私のメイクで始祖の龍の概念に干渉してる。だからこそあんたたちはまだ生きてる。希望の私に尽くしなさい」
そんなことをカサノヴァは平然と言うんだから驚きである。私も言いそう? うん……それはそうかもしれない。でも私は尽くさせるんじゃない。尽くしてくれるのである。だからそこら辺違うのだよ。
『足りるのか? お前の取り巻きはもういないぞ。それにストックしていた魂ももうないだろう?』
「だったらあんた達の魂を使わせなさいよ!」
『それは御免被る!』
そういってヴァラヴレレイドはカサノヴァとの会話を強引に打ち切った。そして前にでて、始祖の龍とぶつかり合ってる。そこらの神や竜なら始祖の龍という存在に押しつぶされてしまうがヴァラヴレレイドはそんなことにはならずに済んでる。
とりあえず前にでて、始祖の龍の相手をすることでカサノヴァへの協力ってことにしてるんだろう。実際はそれだけでもありがたいはずだ。
「あのくそ龍め……はあはあはあ……」
カサノヴァは苦しそうだ。きっとヴァラヴレレイドの言ったことは事実なんだろう。




