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メイクを完成させようとしてるカサノヴァ。派手なメイクだから、あれだけ適当にぶっかける感じでどうにかなってるようだけど……
「ふん,そこよ!」
そういって急反転したカサノヴァは始祖の龍へとつっこんでいく。そんな自殺行為をあいつが? とおもった。いちおうフォローができるように私は片目だしの少女にそれなりの位置に置いておく。無差別に放ってる始祖の龍の攻撃に対して他の神や竜たちはてんやわんやしてる。
私も仮の姿の片目の少女でてんやわんやを演じてるわけたけど、実際はなんでもないからね。だからさりげなくカサノヴァの近くにいる。まあ近くと言ってもあんまり認識されたくないし? 向こうからみたら点にしか見えない位置ではある。
まあ私たち神にとってはそれでも目と鼻の先と言える距離ではある。
(全く無茶を)
やけになった……というわけでないと思う。そういうやつじゃカサノヴァはないしね。あいつはそういう信頼はある。絶対に安全な時にしか奴は動かない。でも……
(今が安全?)
そう思ったけど、どうやらカサノヴァはうまくやったようだ。カサノヴァは始祖の龍へと向かってその噛みつき攻撃を避けると同時に手に持ってたさまざまなメイク道具をパパパパ−−っと駆使する。するとなんか乗っかってたというか? 重ねてただけのようだった派手なメイク。それがなんか始祖の龍へと馴染んだ? ような感じになった。
「やっぱり気になってたんだ」
私は片目の少女でそう呟く。やっぱりカサノヴァもあのざっとしたメイクでは「完璧」とはおもってなかったいうことだ。だから直接手をかけて始祖の龍へと馴染ませた。ひと手間を加えることで完成度ってやつかグッとあがる。
そういうのはよくある。今回やったのは前爪の一つだった。ぶっかけただけでも派手な爪にデコられてたわけだけど、さらにそこに繊細さと緻密さが加わった。ただの爪の一つ? と思うかもしれないが、始祖の龍はでかいのだ。だから爪でもカサノヴァとかそこらの竜よりもデカかったする。
今回はうまくいった。でも……何回も同じことをするとなると、かなりリスキーな気はする。だって始祖の龍はたしかに野生的で賢くはない。でも、やつの野生の勘とか、野生の適応性をなめちゃいけない。奴は絶対に対応してくる。何回も何回も同じことがうまくいく……なんておもっちゃいけない。
(おもっちゃいけないよカサノヴァ)
私は心の中で忠告してあげる。




