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 ただ逃げてるだけじゃないカサノヴァ。それはつまりは再びのメイクの完成を目指してるのだ。メイクによって興奮する心理。メイクによって落ち込む心理……そんな概念をきっとカサノヴァは使ってるんだろう。

 普通はできないであろう始祖の龍への力の対抗。それができるのもきっと概念を利用してるからだと思う。カサノヴァは逃げつつ、その筆で線を描き、パフをおきみやげとして置いたりしてる。


 必然、カサノヴァを追ってる始祖の龍はそんなものにジャブジャブと突っ込むんだよね。まあけど、メイクってそんなぶっかければ完成するってものじゃないのは誰でもわかるとおもう。普段はメイクとかしない男性でもそのくらいはきっとわかるだろう。

 龍である始祖の龍はそれこそメイクの概念とかないだろう。それにあの強さだからね。罠だとしても正面から食いつぶす!! ってのが始祖の龍だ。だからわかってても突っ込んでるんだと思われる。

 それか結局の所、メイクが完成したとしても再び咆哮一つで吹き飛ばせると思ってるんだろう。実績もあるからね。


「このままじゃ、カサノヴァのメイクが完成しても……ね」


 私はその光景を見ながら冷静に呟く。


「このままでは世界は暗闇に覆われて、命の火は全てが潰えるでしょう」

「なにそれ予言?」


 私の横にいるククール神がそんなことをいってる。抱いてる水晶……それが淡く光ってる。てかそんなの言われなくても……ね。皆わかってると思う。


「それってカサノヴァという火が消えることが実は全ての命の灯火が消えるのに連動してるって事?」

「私にはこの宇宙の予言しかできません。だから貴方のことはみえない。少なくとも、今はあの人が希望ではあります。それもとても小さい光ですが……」


 一応カサノヴァだって上位の神なんだけどね。それても小さい光……と言ってしまうのは始祖の龍が強大すぎるからだろう。カサノヴァもわかってると思う。もしも再びメイクを完成させても、始祖の龍の一声でそのメイクが崩れるということを。でも……もしかしたら一瞬した完成で充分……とも思ってるのかも? 


「でもあれでメイクが完成するの?」


 そこが微妙だよね。だってメイクにはテクニックが必要だ。そして繊細。技術の塊と行ってもいい。それなのにあんな……ね。あんなまるでプールに飛び込むというか? バケツに貯めた水をぶっかけるようにしてメイクが完成するとは思えない。

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