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『ウサギっこちょっと隠れてなさい』
私はそういって、ウサギっこにベールを作ってあげる。それはこの宇宙のベールではない。私の力100パーセントのベールだ。だってこうでもしないと、どこから死が襲ってくるかわからない。一度は始祖の龍がウサギっこの死を確定させてしまってるからね。
確かに今はなんかたくさんの神やら竜やらが参戦してきた。そのせいでうやむやになった。他の神や竜が死んでくれてる。でも……あくまでそれは戦いの中で死んでるわけで、ウサギっこは始祖の龍直々に死を確定させられている。
そうなると……ね。それはもう呪いのようなものだよ。死という呪い。なにせこの世界でてっぺんの存在に「お前死ね」――されたわけだからね。そう簡単になかったことになるものじゃない。だからこそ、ウサギっこを守るベールを作った。あたまをからそれをかぶせると、私には見えるが、ほかの人には見えなくなっただろう。
いや、見えなくなんてそんなちゃちい性能ではない。この宇宙という場所から、存在事消えたはずだ。私の力がそれを実現してる。これで這いよる死を回避する。
「それでこれからどうするの?」
「とりあえずカサノヴァ達にはいけにえになってもらうよ」
ウサギっこのその質問に私は簡単にそう答える。だってカサノヴァ達では始祖の龍に勝てないし? 本気でやるって決めたのなら、カサノヴァの相棒である龍とか出てきてもいいと思うんだけど……あいつらいい関係を築けてなかったんだろうね。
「ええー! やだー! あんたらでなんとかしなさいよおおお!」
――とか言いやがった。それでいくつかの竜を引きつれてどっかいった。いや、別に遠くにいったとかじゃなく、視線から外れるところまでいっただけだったけどさ……あれではカサノヴァたちと一緒にはたたかってくれないだろう。
まあカサノヴァには個人的に恨みがあるから、このまま始祖の龍とぶつけてるわけだけど、そのパートナーである龍にまで恨みがあるわけじゃないからね。別に来てくれないのなら、それならそれでいい。でも一応はカサノヴァも上位神だからね。戦力としては大きい。
それに……だ。それに……
「今の状況でこれだけの神を煽動できる奴ってほかにいないからね……」
それは貴重な能力ではあるよね。




