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魂を預かってる……カサノヴァがいうそれがどういうことなのか……一応一部始終を見てた私にはわかってる。私も直前でカサノヴァの陣営にもぐりこんだからだ。さすがにククール神だけに任せるのは悪いかな? って思ったし? それに実際この皮の肉体はどうなってもいいってのがある。私ではあるが、その力は一端でしかないからね。
まあけど完全に別の宇宙の力をにおわせてたら、カサノヴァに疑われるかもしれないし、一応この宇宙の力に変質させておいた。無駄だからやりたくなかったが、しょうがない。それでカサノヴァがどうやってその魂を預かってるかというと、そもそもがどうやらカサノヴァたちはもうこの宇宙を見限る気満々みたいだ。
まあ宇宙の種を求めてたからそれはわかってたことではある。でも実際には全く新たな宇宙をどうやって実現するのか? は神たちのなかでも前例なんてないわけで……カサノヴァが考えたのはどうやら魂の完全開放だったみたいだね。
なにせ宇宙には魂の帰る場所がある。大きな輪のように回るそれは神でだって逃れられない。宇宙に属してる限りはね。まあ神ならほとんど輪廻に帰るなんてことはないし、そこでまっさらにされることもない。どうにかこうにかの回避方法をどんな神でも持ってるからだ。
そこらの生命なら輪廻に帰ると魂をまっさらな状態にされる。それからまた生を与えられるわけだけど、そもそもが神には生も死もあいまいだからね。だから復活することはできる。神ならね。どうやらカサノヴァはそこに……輪廻の一部に干渉する方法をみつけてるようだ。
預かった魂……それをそこに仮置き? してるみたいだ。それは私の魂で確認した。
(なるほどね。これがカサノヴァの虎の子か)
たくさんの魂。それにそれだけじゃない。強大な魂がいくつかある。それも……一つの魂じゃないそれ。魂の組み合わせ……それもそこらの魂じゃないね。それこそ神や竜の魂だ。それを使って強力な存在を生み出してるみたい。
その強さは具体的にはわかんないが……強大さでいえば上位の神や龍にも匹敵してる。それにカサノヴァの改造が入ってるんだし、きっと厄介なんだろう。でもこれが始祖の龍との戦いで猛威を振るうか? というとなかなかに疑問ではある。てかさ……
(カサノヴァは最終的にはここに保管してる魂をすべて使う気じゃない?)
それはある。最後の手段として、ここにある改造された魂の存在、それの最後の仕上げが、私たち今集めてる神たちの魂といえない? 確かに保管してあるから安心してねって言ったよ。でも……それを返すなんてカサノヴァはいってない。あいつ自分の物は自分の物で、相手の物も自分の物って精神だよ? ここにある魂は奴の思いのまま……なんだ。私は使われても別にいいけど……この魂を使うのなら、それが奴の破滅のきっかけになるだろう。




