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ククール神がカサノヴァに見せたのは、不思議な石? みたいなものだ。中央に黒い石にキラキラとした微粒子が入ってるような……そんな見る角度によって表情を変える石があって、その周囲に、欠片が浮遊してる。
なんかとても特別感がある。まあ私がそう作ったから……ではある。それがなにか……というと――
「宇宙の種……それをどうやって?」
宇宙の種……まあ星の種があるんだから宇宙の種があってもおかしくないよね? ってことで作ってみた。実際あれで宇宙が作れるのか? といえば、まあ無理だ。ある程度の宇宙は作れるかもしれないけど、でもそれは既存の宇宙に紐づいた宇宙でしかない。
私が作った新生宇宙のような? 完全に別物ってわけにはいかない。でもまあ、それにはカサノヴァは気づいてない。それはそうだよね。だって私が一応その文献? に書かれてたら姿で創造したからね。
それに私の宇宙の力がはいってるから、カサノヴァにとっては未知の力を感じるてるはずだ。そうなると「この不可思議な力が宇宙の創造を……」とか勝手に妄想してくれるだろう。
いや、今まさにしてるだろう。
「実はずっと私が保管していました。これは宇宙を分断するほどのものですから」
「それは……そうよね。なるほど、貴方なら、納得ね」
どうやっての部分の答えにはなってないような? そんな解答だったのに、そこはカサノヴァはスルーした。それだけククール神ならって思われてるってことなんだろう。これが信頼ってやつか。カサノヴァはククール神を嫌ってそうだけど、それでもククール神の力とか特別性は認めてるってことなんだろう。
彼女ならこれを持ってて、そしてそれを保管する役目になっててもおかしくない……とカサノヴァは納得したんだろう。それはそれでありがたい。そこを下手に突っ込まれても困ったしね。
けど宇宙の種……ね。まあ分かる。それに神たちがカサノヴァについてるのも、これで納得いったよね。つまりは……だ。カサノヴァの勧誘文句はこうだ。
『私とともに来れば、この宇宙を捨てて、新たな宇宙へと行けるわよ』
――である。実際そんなふう言ってるのかは知らないが、新たな宇宙が口説き文句なのは間違いないだろう。だって宇宙の種をみたカサノヴァの目の色は変わってるもん。




