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電脳空想少女  作者: 榊原藍
第7章 榊原一家
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第94話

 ところが、弟になったばかりの悠は、その事実を受け入れた途端に落ち着かなくなった。こよみが端末を操作するたび、手足にかけられていた制限が順番に外れていき、悠は指を曲げ、肩を回し、最後に両足を床へつけて感覚を確かめている。


 立ち上がれるところまでは戻ったらしい。ただし外部通信だけは遮断されたままで、そちらへ意識を向けるたび、悠の眉間には同じ皺が刻まれた。二度ほど試したあとで諦めたのか、長椅子へ座り直して藍を見上げる。


「……で。反省って、結局何するんだよ」


「後始末をしてもらいます」


「後始末?」


「はい。あなたが起こしたことに対する反省です」


 藍は会長席へ戻り、机上の端末を開いた。画面には恋の端末への侵入から校内ネットワークへの接続、渡り廊下での一件までが時間順に並び、いくつかの項目にはこよみが付けたらしい印が残っている。


 悠は画面へ一度だけ目をやり、すぐ藍へ視線を戻した。見るまでもなく、自分が何をしたのかは分かっているという顔だった。


「まあ、それくらいは」


 悠は口を尖らせた。もっとも、藍に説教をしているつもりはなさそうだった。監査資料の不足を一つずつ確認する時と同じ顔で、悠が残した記録だけを見ている。


「まず、本校へ侵入するために用いた手法をすべて教えてください」


 悠の目が僅かに細くなった。さっきまでの居心地の悪そうな顔から一転し、少しだけ警戒が戻る。


「それは秘密って言ったら?」


「では、開示してください」


「秘密って言ったよね?」


「次も使われると困ります」


「……姉さん、容赦ないな」


「当然です」


 悠は天井を見て、小さく息を吐いた。以前ならそのまま話を逸らしたかもしれないが、今は逃げ道がないと分かっているらしい。


「物理的に使った方法だけじゃ駄目なんだろ」


「はい。入構記録を避けた方法と、校内ネットワークへ入った経路もお願いします。監視系へ残した偽装記録があればそれも含めてください」


「全部?」


「全てです。私とこよみで確認します。監査記録は恋にも共有します」


 突然名前が出て、恋は椅子の上で背筋を伸ばした。今回は肩書きを便利に使われているというより、自分の端末が最初の入口にされている以上、完全な部外者でもない。


「私も確認するんですね」


「はい。監査等委員長であり、本件の被害を受けた当事者でもありますので」


 悠が横目で恋を見る。ほんの少し考えてから、面倒そうに頬を掻いた。


「お前にも見せるのか」


「まあ、私の端末に侵入されたところから始まったので」


「それは覚えてるよ。ただ、正直誰のでも良かったというか。というかお前が見たところでーー」


「……それ以上は言わないでください。自分でも分かってるので」


「事実だけど」


「悠」


「……はい」


 藍に名前を呼ばれただけで、悠は少し肩を落とした。弟になってからまだ十分も経っていないはずなのに、すでに呼ばれ方だけで次に何を言われるか分かり始めているようだった。


「次に、恋の端末です」


 藍が画面を切り替えると、恋も思わずそちらへ目を向けた。


「悠には、侵入によって変更した箇所の復旧をしてもらいます。端末は既に初期化しましたが、残留している処理や不正な権限がないことまで確認してください」


「それはいいけど」


「加えて、恋の端末に侵入した時に不正に取得した記録、その情報から作成した関連データ、保存した複製を削除してください」


「全部消せばいい?」


「悠が保持しているものと、悠が外部へ保存したものはすべてです。削除前に一覧を出してください。削除後は私とこよみが残存の有無を確認します」


「信用ないなあ」


「ありません」


 藍は一拍も置かなかった。悠の口が半開きになり、恋も思わず藍を見る。


「……姉さん。僕、弟になったんだよね?」


「はい」


「そこは少しくらい信用してもよくない?」


「家族であることと、信用できることは別です」


「分けるんだ」


「分けます」


 悠は何とも言えない顔で黙り込んだ。恋には、藍が冷たく突き放しているようには見えなかった。受け入れたから過去まで帳消しにするのではなく、むしろ受け入れた相手だからこそ、曖昧に済ませないつもりなのかもしれない。


「ところで」


 恋が口を挟むと、悠の目がこちらへ向いた。今度はさっきより少し嫌な予感を覚えたような顔をしている。


「私の情報、どこまで抜き取ったんですか」


「姉さんとの関係を調べるのに必要な範囲」


「その『必要な範囲』で個人情報を流出されたらたまったもんじゃないんですけど」


「……学籍、生徒会での権限、接触記録。あとは端末の認証情報を少し」


「少し」


「最初に繋ぐ時しか使ってないよ」


「使った回数を聞いてるんじゃないです」


 恋が返すと、悠は言葉を止めた。少し前までなら気にする必要がないとでも言い返したかもしれないが、今は一度視線を逸らし、そのまま口を閉じている。


「……分かった。全部出して、消す」


「お願いします」


「お前、急に普通に喋るな」


「普通に話してますけど」


「さっきまで僕のこと、かなり警戒してただろ」


「今もしてます」


「してるんだ」


「してます」


 恋が真顔で答えると、悠は小さく鼻を鳴らした。少なくとも、その反応には先ほどまでの刺すような冷たさはなかった。


 藍は二人の会話が途切れるのを待ってから、次の記録を表示した。いくつかの項目に赤い印が並び、恋には意味を読み取れない文字列も、その数だけでまだ処理が残っていることは分かる。


「次は学校側です。侵入のために変更した設定、作成した認証経路、偽装した記録を元へ戻してください」


「もう普通に動いてるだろ」


「動いているだけでは不十分です。同様の経路を悪意を持った第三者が利用する可能性があります」


 藍が一つの項目を拡大する。そこだけはこよみが赤く印を付けており、悠も画面を見た瞬間に軽口を止めた。


「あなた自身が二度と使わなくても、入口を残しておけば第三者が利用できます。ここは閉じてください」


「……姉さんがやった方が早いと思うけど」


「そうでしょうね」


「僕が開けたから、僕が閉じろって?」


「はい」


「分かったよ」


 今度は悠も食い下がらなかった。自分で開けた経路が別の誰かに使われる可能性まで示されると、面倒だというだけでは押し切れないらしい。


「最後に、再発防止策をまとめてください」


「まだあるの?」


「今回使った侵入方法とプロンプトインジェクションが成立した理由を整理し、同じ方法を使われた場合の対策案を提出してください」


「……僕が、自分の使った手法の対策を作るの?」


「はい。一番詳しいでしょう」


「弟になった途端、使い方が雑じゃない?」


「適任だと判断しています」


「それを雑って言うんだよ」


 藍は少し首を傾げたが、言い直す様子はなかった。悠も完全に拒む気はないらしく、文句を言いながら画面の空欄を覗き込んでいる。



「期限は?」


 恋が尋ねると、藍は画面の右上へ日付を入れた。入力されたのは、今週末の日付だった。


「週末までです」


「急じゃない?」


 悠がすぐ顔を上げる。藍は一度だけ悠を見ると、入力した期限を変えなかった。


「悠なら間に合います」


「姉さん基準じゃなくて?」


「今の悠を見て判断しています」


「……そう言われると、反論しにくい」


「難しい場合は言ってください。期限は調整します」


「そこは伸ばしてくれるんだ」


「雑に終わらせる方が困りますので」


 悠はしばらく藍を見つめたあと、諦めたように息を吐いた。さっきまでの反抗的な勢いは残っているものの、自分がやるべきこと自体にはもう異論がないらしい。


「分かったよ。やる」


「お願いします」


「これで反省も終わり?」


「はい。ここからは責任の話です」


「責任?」


 藍は端末を閉じた。今度は資料ではなく、長椅子に座る悠へ身体ごと向き直る。


「私との話が残っています」


「姉弟の中の話ってやつ?」


「はい」


 悠の警戒が目に見えて戻った。恋も少しだけ姿勢を正す。これまでの作業は内容が分かれば納得できたが、悠が最初から怖がっていたのはこちらだった。


「悠は、自分の意思で私を姉と呼ぶと言いました」


「言ったけど」


「私も、悠を弟として受け入れました」


「……うん」


「ですので、私の家族へ悠を紹介したいです」


 悠が止まった。恋も一瞬、言葉の意味を追ってから藍を見る。


「……誰に?」


「お母様と、お父様です」


「いや、それは聞こえた。姉さんの?」


「はい」


 悠の両手が膝の上で固まった。藍の家族については以前から調べているはずなのに、実際に会うことまでは考えていなかったらしい。


「母親って、榊原真由美だよな」


「はい」


「父親が榊原幸三」


「はい」


「僕、その二人に会うの?」


「その予定です」


「弟として?」


「私は、そのように紹介します」


 悠はしばらく動かなかった。顔から警戒が消えたわけではない。ただ、何を警戒すればいいのか分からなくなったような顔に変わっている。


「僕に、あの二人を母親とか父親とか呼べってことじゃないよな」


「違います」


 返答はすぐだった。悠の肩から、ほんの少しだけ力が抜ける。


「私はお母様、お父様と呼んでいますが、それは私がそうしたいからです。悠が同じようにする必要はありません」


「仮に僕が良いとして、あの二人がそれを受け入れるかも別だろ」


「それも二人が決めることです。受け入れる側が受諾すべきというわけではありません」


 悠の視線が藍の顔へ固定された。そこに何か引っかかったのか、声の調子が少し下がる。


「……あの人、姉さんのこと娘じゃないって言ってるんだろ」


「お父様ですか」


「そう」


「はい」


「姉さんですら拒絶してるのに、僕を受け入れる訳ないだろ」


「その可能性は十分に高いです」


「……普通、そこはもう少し濁さない?」


「事実ですので」


 悠は眉を寄せたまま黙った。藍も続けて何かを説こうとはせず、その沈黙を待っている。


「姉さんは、それでもあの人を父親って呼ぶんだ」


「はい」


「何で?」


「私が父親であると認識しているしためです」


 あまりに単純な答えだった。悠はしばらく藍を見つめ、やがて小さく息を吐く。


「……変な家族」


「私も前にそう言いました」


 思わず恋が口を挟むと、二人の赤い瞳が同時にこちらへ向いた。急に注目されて、恋はわずかに身を引く。


「でも、褒めてませんからね」


「私も褒め言葉とは認識していません」


「ならいいです」


 悠の口元がほんの少しだけ動いた。笑ったというほどではなかったが、さっきまでの張り詰め方は薄れている。


 恋は二人を交互に見た。顔立ちも背丈も違い、言葉の出し方もまるで違う。それでも、どこか妙に似ているように見えた。


「もともと週末、お母様と一緒にお父様のところへ行く予定でした」


 藍が続けると、悠の表情がまた固くなった。どうやら話が具体的になるほど現実味が増すらしい。


「そこへ悠も来てください」


「二人は僕のこと、知ってるのかよ。急に娘に弟ができたと知ったら困惑するだろ」


「お母様についてはまだです。この後、伝えます」


 藍が端末へ手を伸ばすと、悠が勢いよく立ち上がった。


「姉さん、せめて心の準備させて」


「週末まで時間があります」


「そういう準備じゃなくて」


「では、十五分待ちます」


「そういうのでもない!」


 恋は口元が緩むのを堪え、視線を机へ落とした。藍は本当に十五分で足りると思っているらしく、端末を置いて待つ姿勢に入っている。


 悠が一歩踏み出したところでこよみが身体の向きを変え、藍と悠の間に入るように遮った。


「記録者。何もしないから」


「藍様の端末操作を妨害する可能性を警戒しました」


「しないよ」


「では問題ありません」


 こよみが元の向きへ戻ると、悠は何とも言えない顔で長椅子へ座り直した。立ち上がった時の勢いは、もうすっかり消えている。


「……『お母様については』ってことは、榊原幸三には僕のことは話してるってことか」


「名称と存在は伝えています」


「いつ?」


「最初に接触された日の夜です」


「何か言ってた?」


「興味はない、と」


 悠の目が細くなった。返ってきた答えを想像していなかったわけではなさそうだが、実際に聞けば腹は立つらしい。


「本当に父親っぽくないな」


「本人も父親ではないと主張しています」


「姉さん、それでよく会いに行くよね」


「はい」


「そこは理由ないの?」


 藍はすぐには答えなかった。恋には、その短い沈黙が答えに迷ったというより、どこまで言葉にするかを探したように見えた。


「私が会いたいからです」


 悠が瞬きをした。恋も、思わず藍を見る。


 藍の表情は変わらない。それでも、予定されているからでも必要だからでもなく、その一言を選んだことが恋には少し意外だった。


「……そっか」


 悠はそれ以上聞かなかった。膝の上で組んだ指を一度ほどき、また組み直す。


「すごい週末になりそうですね」


 恋がぽつりと言うと、藍がこちらへ目を向けた。


「恋にも同行をお願いしたいのですが」


「はい?」


 反射的に返事をしてから意味が入ってきた。恋は数秒遅れて背筋を伸ばす。


「私も行くんですか?」


「可能であれば」


「何でですか」


「悠の開発には、お父様の研究に由来する技術が使用されている可能性が極めて高いです。開発者とその組織について、改めて確認する必要があります」


「私だけで記録を完結させることは適切ではありません。監査担当として、恋にも立ち会ってほしいと考えています」


「それくらいなら、僕が今この場で言ってもいいんだけど」


「あなたの情報だけを鵜呑みにすることはできません。あなたが自覚していなくとも、あなたの根幹に関わる部分を記述しようとするとハルシネーションを誘発するよう仕組まれている可能性もあります」


「……まあ、確かに」


「またあの人に会うんですね……」


 頭に浮かんだのは、最初に幸三と会った時の薄暗い部屋だった。机や壁を埋めた資料と、こちらの反応など構わず話を進める男の顔まで思い出し、恋は少しだけ肩を落とす。


「断ってもいいですか」


「はい」


 即答され、恋は逆に瞬きをした。もっと渋られると思っていたらしい。


「いいんですか?」


「当然です。同行を強制するつもりはありません」


「でも、来てほしいんですよね」


「はい。私や悠はもちろん、お母様でさえもお父様は一方的に会話を拒絶する可能性があります。恋は以前、お父様自身が望んで接触を受けています。我々より会話が成立する可能性が高く、お父様も恋を無碍に扱いにくいでしょう」


「それ、もしかして私を緩衝材にしようとしてません?」


「正直に言えば、はい」


「やっぱり」


 恋は額へ指を当てた。藍と悠だけを幸三のところへ向かわせる光景を想像すると、理由の説明しづらい引っかかりも残った。


「……分かりました。行きます」


「ありがとうございます」


「監査のためですからね」


「承知しています」


 返事が妙に早い。恋は少しだけ藍を見たが、追及しても何も出てこない気がして諦めた。


 その向かいで、悠がゆっくり手を上げた。学校の会議で発言を求めるような仕草だったが、表情は真剣だった。


「僕にも拒否権ある?」


「あります」


 悠の顔がわずかに明るくなる。藍はそのまま続けた。


「行きたくないのであれば、強制しません」


「……本当に?」


「はい」


「じゃあ、行かないって言ったら?」


「私は二人へ、悠を弟として受け入れたという事実だけ伝えます」


 悠は少し眉を寄せた。もっと条件を出されると思っていたらしい。


「それだけ?」


「はい。それだけです」


「何で?」


「私は悠ではないからです」


 藍の答えに、悠は黙った。少し前、自分が姉と呼び続ける意思を何度も確認された時と同じなのだと気づいたのかもしれない。


「私が勝手にあなたの気持ちを代弁することはできます」


 藍は続けた。


「ですが、悠が何を思い、これからどうしていきたいか、お二人とどう接したいかについては、やはりあなたから話すべきです」


「僕が何て言うかは?」


「悠に任せます」


「挨拶の内容くらい考えてくれてもいいだろ」


「私が作った台本を読むのですか」


「……それは嫌だな」


「では、自分で考えてください」


 悠は深く息を吐き、長椅子の背へ身体を預けた。行くとも行かないとも、まだ口にはしていない。


 しばらく天井を見つめたあと、悠は指を一本ずつ立て始めた。頭の中で予定を数え直しているらしい。


「姉さん」


「はい」


「思った以上に面倒なことになってない?」


「必要な行程だと認識しています」


「どこが」


 悠が顔を上げた。藍はいつもの表情のまま、その赤い瞳を見返している。


「私が悠を自分の弟だと胸を張って主張するために必要なことです」


 悠は何も言わなかった。数秒だけ視線を逸らし、それから小さく鼻を鳴らす。


「……そういうの、急に言うのずるくない?」


「何がでしょうか」


「もういい」


 悠は再び背もたれへ沈んだ。耳のあたりが僅かに赤く見えたが、恋は何も言わずにおいた。


 しばらくして、悠の目が生徒会室の扉へ向いた。外部通信は切られていても、脚はほとんど自由になっている。逃げようと思えば少なくとも廊下までは出られるはずだった。


「……もし、今ここから何も言わずに逃げたら?」


 こよみの視線が即座に悠へ向いた。恋もつられて扉を見るが、藍だけは動かない。


「追います」


「どこまで?」


「見つかるまでです」


「学校の外でも?」


「はい」


「県外でも?」


「はい」


「国外は?」


「必要なら、大気圏外まで追跡します。あなたの回答を聞き出すまでは」


 悠の顔が少しずつ引きつった。冗談で聞き始めたのかもしれないが、藍の返答には一度も迷いがない。困ったような表情を浮かべながら悠は恋へ目を向けた。助けを求められているのか判断に迷ったが、恋は少し考えてから首を横に振る。



「逃げない方がいいと思います」


「お前まで」


「逃げたら、たぶん今より面倒になりますよ」


「……それはそうだけど」


 悠は扉をもう一度見た。逃走経路を考えているというより、最後の未練を確認しているような視線だった。


「分かった。行くよ、週末」


「承知しました」


「どうせ今拒否しても二人に会うまでは終わらないんだろ」


「はい」


「即答するなよ……」


 声からすっかり勢いが抜け、悠は長椅子へ深く沈み込んだ。両手で顔を覆ったまま動かなくなった横で、藍は端末を開き、週末の予定へ一人分を追加していく。


 ほどなくして、恋の端末にも更新通知が届いた。画面へ追加された予定を見てから長椅子へ目を戻すと、悠はまだ顔を覆ったままだった。


 姉を選ぶ、という一言だけなら簡単だったのかもしれない。しかし榊原藍の弟になるということは、思っていたよりずっと多くの責任が伴うらしい。少なくとも悠は今、その入口に座ったまま、身をもって知り始めていた。

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