7:女三人寄れば姦しい
2年生だけとは言え、5クラスあるため時間をずらして食堂やお風呂を使っていた。
1、2組がご飯を食べている間に3、4、5組がお風呂に入り、3、4、5組がご飯を食べている間に1、2組がお風呂に入る。
「私達、先にお風呂でラッキーだったよね」
「……うん。汗かいたしね」
一応口はもぐもぐと動いているものの、セシルがその口にミニトマトを入れたのは随分と前だった気がする
「大丈夫?セシル。もう残して部屋に戻ったら?」
「……うん、そうね」とむにゃむにゃと答えるセシルは完全に寝惚けているように見えるけど、一応フォークが次の食材を捕まえたので、もう少し見守る事にする。
隣のクラスのテーブルからはしゃぐ声が聞こえてきて
ちらっと覗いてみると、レオの周りを囲む彼と同じグループの女の子達3人だった。
この宿泊施設の前開きのシンプルなパジャマの一番上のボタンを外し、胸の谷間を強調している。
「あらあら、旦那さん完全に狙われてるじゃない」
いつの間にか目が覚めたらしいセシルが面白そうにレオ達を見ていた。
「すごいよね、女豹だよ。チラチラ見てる男子生徒とそれを見てキレてる女子生徒の存在をまるっと無視してるよ」
「リリーは参戦しなくていいの?」
私がしないと分かり切っている顔で聞いてくる
「正直言うとレオにむかつく。いつも私が男の子と仲良くすると邪魔するくせに、って。あんなどうでもよさそうな顔して、実はバレないようにめっちゃ見てるかもしれないよ」
今日の出来事を思い出して、あんな事してあんな事言ったくせに!とムカムカとした気持ちが湧いてくる。
「えー意外だね、今までならこういう状況でもそんな事気にもせず、レオが恋に落ちればいいのに!とか言ってたのに」
「…レオだけずるいって思っただけだよ」
そう?まぁ確かにね。と答えるセシルの声が遠くに聞こえるほど、私は気付いてしまった自分の心境の変化に戸惑っていた。
部屋に戻り歯を磨きベッドに潜る。
隣のベッドで本を読んでいるセシルは、眠気が覚めてしまったようだ。
「え!?ちょっとちょっと何寝ようとしてるのリリーちゃん!!」
「…うぇ?」半分夢の中へ旅立っていた私は訳も分からず声の主を見る
先ほどはいなかったもう1人の同室者、リズちゃんだ
「こんな夜に恋の話もしないで寝るつもり!?」
ガクガクと肩を揺すられ目が回る
「わ、わかった、わかったからリズちゃん落ち着いて」彼女の剣幕に押され、私は寝ることを諦めてベッドに腰かける
「で?」
「…へっ?」
「へ?じゃないでしょ、レオノール様との事を聞かせて」早く早くと目をギラつかせる彼女の圧がすごくて助けてもらおうとセシルに目を向ける
「ね、寝てる!リズちゃん!セシルが寝てる!」
ほら、と言うとリズちゃんはセシルをチラッと見て
「セシルちゃんはいいの。私はリリーちゃんとレオノール様の恋の話が聞きたいの」
そう言いながらにっこりと笑う彼女の後ろで
セシルがニヤリと笑っていた
(こいつ!寝たふりだったのか!)




