6:男女の友情は果たしてどうなる?
あの後、レオが帰ってきてるのに私が居ない事に気付いたセシルが探しにきてくれて
ゴール付近に戻った頃には最後のグループも到着していた。
学園の管理する宿泊施設に戻りお風呂に入ると、普段運動をしない貴族令嬢達はクタクタになっていた。
「あと1時間後に夜ご飯だってー」
「もう疲れて寝たいのに、食べに行かなきゃダメなのかしら」
「点呼があるからねー、食べ終わった人から部屋に戻っていいみたいだからパッと食べてさっさと戻ろ」
ベッドに寝転びうつらうつらしているセシルを見ていると、私も眠たくなってくる。
絶対1時間で起きれないし、何よりただでさえスッピンなのにその上寝起きの顔でみんなの前に顔を出したくない。必死に眠気と戦っていた
「ふわぁ〜あ、そういえばリズちゃん遅いね…まだお風呂入ってるのかな」
もう1人同じ部屋のエリザベスちゃんの姿をずっと見ていない事に気付く
「ん〜、あの子3組に彼氏いるらしいから会いに行ってるんじゃない?」
「あぁ、お風呂上がりの普段と違う姿とシャンプーの香りに彼氏がドギマギしちゃうやつ…」
「あんた本当にそういうの好きね…ダメだ、ごめん。30分寝かせて」
そう言いながら目を閉じたセシルはすぐに寝息をたてはじめる。よっぽど疲れていたらしい。
(だめだ、私も寝そう。30分後にセシルを起こすために眠気を覚まさないと)
廊下に出ると部屋の中よりも空気がひんやりとしていて、それだけで少し目が覚めた。
「おーい、リリー!」と呼ぶ力強い声の方を向くと
廊下の先にあるちょっとした休憩スペースのような場所にウィル、ケイン、クロードの3人がいた。
「今日はお疲れ様。3人で話してたの?すっかり仲良しさんだね」と笑いかけ、空いていたウィルの隣に座る。
スタンプラリーの帰り道で更に仲が深まった私達は、敬称なしで呼び合う仲になっていた。
「リリーってやっぱり可愛いな!化粧してないといつもよりちょっと幼く見えるぜ」
「おいケイン。そう言う事をはっきり言うな!化粧の有無に触れたりするんじゃない」
ケインとクロードが言い合っているけど、仲の良い友達同士のじゃれ合いのようで微笑ましい。
「セシルと一緒じゃないの珍しいね、同じ部屋じゃなかったの?」
そう不思議そうに尋ねるウィルに苦笑いで答える。
「セシルすっごく疲れちゃって、今寝てるの。ご飯に行く時に起こさないといけないんだけど、私も寝ちゃいそうだったから出てきたんだー」
なるほどね、と頷くウィルの髪から水滴が落ちる。
「あれ?ウィル髪が濡れてる。お風呂入ったばっかり?ちゃんと乾かさなかったの?」と聞くと
さっきまでクロードと言い合っていたケインが
「コイツ、しっかりしてると思いきや結構大雑把なんだぜ!俺でもちゃんと乾かしてんのに、ちょっと頭振っておわりなんだよ」意外だろ?と、おかしそうにケラケラと笑う。
「うるさいないいだろ別に」と少し恥ずかしそうに言うウィルの意外な子供っぽい一面が可愛くて
「ちゃんと拭かないと風邪引くよ?それに、せっかく綺麗な髪なのに傷んじゃう」と、思わず撫でてしまう
乾き切らず少ししっとりとした銀色の髪が綺麗で指に絡めて遊んでいると、その手をきゅっと掴まれる
耳を赤く染めたウィルが「もうおしまい」と言うので
やりすぎたかな、と少し焦り「ごめんね」と手をおろす。
そんな私達の様子をケインはニヤニヤと、クロードは少し苦笑いしながら見ていた。
その時、食堂への移動を促す館内放送が流れたので
彼らとは別れ部屋に戻りセシルを起こしに行く。




