4:ゴールの先にあるのは
セシルに従い3人を誘惑(?)する事に成功し、彼らの底に秘められた力を引き出せた私達のグループは無事にゴールすることが出来た。
「やったぁ!誰もいない!1位だね!」
と、はしゃぎながらゴール地点にいた先生にスタンプラリーを渡す
「おめでとう!でも残念、2位だ」
先生の目線の先にある大きな木の下に居たのは、隣のクラスのレオ達のグループだった。
「まぁしょうがないわよ。クロード様は優秀だけど学年2位、1位はレオノール様だもの」
恋だけじゃなくスタンプラリーまで邪魔をするのかという気持ちが少し生まれたが、幼い頃から何でも1位じゃないといけない立場だった彼の努力を知っているため冗談でもそんな事は言えなかった
「5クラスある中での2位なんだから十分すぎるぐらい凄いよ!クロード様のおかげで暗号が解けたし、ウィル様のおかげでみんなと楽しく過ごせたし、カイン様が引っ張ってくれたおかげでここまで来れた!みんなありがとう!」
私は?と言いたげなセシルの視線には気付かない振りをして3人にお礼を言う
「うんうん。オリエンテーションらしく、みんなで協力してよくゴールしたな」
2位の賞品はこれだ、と先生に手渡されたのは
「……………鍵?」
「空き教室の鍵だ。1本しかないからグループでちゃんと管理しろよ。2年の終わりに回収するから無くすんじゃないぞ」
「え…空き教室の鍵が賞品?」
こんなのどうするの?と先生に目で問いかけると
「バッ…お前言わせんな!空き教室ですることなんか一つしかないだろ」とケラケラと笑う先生を
意味が分かったらしいセシルとクロード様が睨みつける
「ぐっ…ゴホン。あーっと、だから図書室とか食堂が混んでる時とかにも、ほら、使えるだろ」
セシル達から目を逸らしバツが悪そうに言う先生の言葉に、今度は私達3人も納得した。
「なるほど、確かに…じゃあこれが2位なら1位は何だったんですか?」
「1位は使われてない応接間の鍵だ」
あそこにはでかいソファがあるからな…とニヤニヤしながら答えた先生の足をセシルとクロード様が踏みつけていた。
「痛てて…仕方ないだろ〜昔は学食1年間無料券とかだったんだけど、喜ぶのは一部の生徒だけでそれを聞いた次の2年がやる気出さなくて、ちゃんとやる奴がほとんど居なくなったんだよ」
学食無料券…は確かに別にいらないかもなぁと侯爵令嬢らしく納得してしまう
「だから当時やる気をなくした2年生だった俺が3年生で生徒会長になった時に先生に交渉していまの賞品になったんだよ!せっかく、この国は自由恋愛なんだからな!ハハハ!」
まったくみんなもっと俺に感謝してもいいと思うぜ!と笑う先生を、セシルとクロード様は心底軽蔑した目で見つめていたのだった。
「リリー」
私を呼ぶ低く甘い声に、いつも少し体が震える
「レオ…どうしたの?」
ちょっときてと手を引きスタスタと歩いて行くレオに足をもたつかせながらついていく私を、レオのグループの女の子達が鋭い目で睨んでいた。




