二度目の出会い?
観劇場に着くと、そこはたくさんの人で溢れ返っていた。
何度も通った観劇場。
しかし、この後殿下との初対面が待っていることを知ってる私は、気が気ではなかった。
(なるべく穏便に…。そう、穏便に…。
前回のように食ってかかったりさえしなければ、少なくとも初対面から嫌われることはない、はず…。)
緊張して、ぎゅ、と手を握り込む。
(本当は…あの女の子を庇わなければ、ここで殿下と出会うこともないのだけれど…。)
私に向かって「どうして庇った?」と冷たく聞いてきた殿下の様子を思い出す。
もし、あのままあの子がぶつかって殿下の服がジュース塗れなんてことになれば…。
(…それこそ最悪の未来が見えるわね…。)
うん、やっぱり、あの女の子を庇うことは決定事項のようだ。
観劇場の中に入り、私はさりげなく一般席の後ろの方、前に殿下が座っていたあたりに視線を向けた。
ーーーそこには、記憶通り。
綺麗に整った顔に茶色の髪。
本来の眩い金色の髪を隠した殿下が、いた。
胸がズキン、と痛む。
思わず立ち止まってしまうと、
ーーーパチッ。
その藍色の瞳が私を見て、大きく見開かれた。
(………え。今、目が合った?)
思わぬ事態に私が驚いて固まっていると、執事が止めるのも聞かず、殿下がどんどんこちらへ近づいてくる。
(……え、え!?何事!?)
そして、あっという間に目の前に来たーーーと思ったら。
「一目見て、あなたの美しさに心奪われました。
どうか、私と結婚していただけないだろうか?」
ーーーそう、私の前に跪いたのだった。




