決意しました!
一部修正しました(´・ω・`)
ーーー馬車に乗って、観劇場へと向かう道中。
隣ではメアリーがひしっと私にしがみついたまま眠っていた。
(うんうん、馬車の揺れって眠たくなるわよね。)
…私はというと。
寝たフリをしながら今後のことを考えていた。
(今は7年前…。ということは、私はまだ殿下の婚約者じゃないし、魔力判定も受けてない…ってことよね。)
アンゲル王国では、13歳になったら貴族も平民も、全ての国民が神殿で魔力判定を受けることとなっている。
生まれながらに持っている魔力の量や適正には人によって違いがある。
平民の場合、殆どが火や水など生活で使える程度の魔力量や適正となることが多く、その場合は特に高等な教育を受けずとも普通に暮らして行けるのだが、
稀に、平民でも莫大な魔力を持っている場合があり、そういった場合には、国の補助を受けて魔力を制御できるよう教育を受けることが義務化されているのだ。
(…まあ、実際は莫大な魔力量を持つ人間を国が把握しておきたい…というのが本音だろうけど。)
また、火や水、土などいくつかの適正がある中でも特別なのが「闇」と「光」だ。
強大な攻撃力を持つ「闇」の適正は、王家の血筋にしか生まれないと言われている。
一方、「光」の適正がある者は、癒しや浄化を行う「聖魔法」の使い手となる。
こちらは貴族でも平民でも適正を持つことがあるが、その数はとても希少だ。
そして、〝「闇」の適正を持つ者は、必ず「光」の適正の者と結ばれねばならない〝
これが、ここアンゲル王国において、王家の婚約者を決める際の重要な掟だった。
そして、私は「光」の適正。
それも、かなり膨大な魔力量を持っていると判定された。
(闇の適正を持つ殿下の相手には、光の適性を持ち、できれば魔力量の大きい者が望ましい…。
私は公爵家令嬢でもあったから、丁度良かったのよね…。)
ーーーそう、たったそれだけの理由。
(…でも、メアリーも光の適正だから、私と殿下が婚約さえしていなければ、二人はもう少しすんなりと結ばれたはず…。)
エドワード殿下とメアリーが婚約するには、身分も魔力適正も、本来なら何の障害もないはずだった。
ーーーメアリーが私の妹であること、以外は。
私と殿下との婚約は、私の魔力適正が判明してすぐに、王家からの打診で結ばれたもの。
それが解消、しかも、相手が姉から妹に変更となっては、醜聞が付き纏うのは避けられないだろう。
(特に、二人のことは既に噂にもなっていたし、二人からは言い出せないわよね……。
私が決めたのも、ギリギリになってしまったからーーー。
きっと、あそこまで思い詰めてしまった、のね。)
ーーーつまり。
(魔力適正を変えるのは多分無理ーーーだけど、私と殿下との婚約を回避して、メアリーと殿下が早く婚約できるようサポートすれば…。
あんな風に、二人がアレと契約するようなことにはならないはず。)
最期に見た、あの景色を思い出す。
(…今度こそ、二人には幸せになってもらわなきゃ。
私も、あんな風に死ぬのは御免よ。)
胸がチクリ、と痛むのは気付かないフリをして。
ーーーとりあえず。
未来の義姉として、万が一にも殿下に目障りだと思われないように…。
この後の殿下との初対面を、今度こそ嫌われないようやり過ごさなければ…と項垂れるのであった。




