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今度こそ幸せに、  作者: しゃしゃこ
4/9

もしかして巻き戻ってる?



ーーーー

ーーー

ーー


「リア、おはよう!

あまりにドレスが似合いすぎて、天使かと思ったよ!」


「うふふ。トーマス、うちの子達は間違いなく天使なのよ。」



一(・)度(・)目(・)の(・)今(・)日(・)のことを思い出しながら歩いていたら、気が付けば玄関ロビーへ着いていたようだ。


お父様とお母様が、私を見て嬉しそうに微笑む。



ーーー二人のその笑顔を見て、なんだか目の奥がツンとした。


(お父様にも、お母様にも。もう、会えないと思ってた。)


「……お父様、お母様。おはよう!

このドレス、すっごく嬉しい!」


思わずお父様に抱きついてしまった。

私らしくなかったかもしれないけれど、これくらい許してほしい。



「お…姉様……?」



お父様に抱きついてニマニマしていると、お母様の後ろから声がした。



「………!メアリー!」



名前を呼ぶと、メアリーは私に駆け寄ってきて、抱き着くと同時にわああん、と泣き出してしまった。



(ええ!?どういうこと!?前(・)はこんなことなかったはず…!や、やっぱり全部夢?)


予想外の出来事に戸惑ってしまう。



「あらあら、今日のメアリーはいつも以上に甘えん坊さんねえ?」


「はは、さっきもずっとティアナにしがみついていたからなあ。怖い夢でも見たのかも。」



改めて両親の方を見やり、………私の前(・)の記憶はやはり間違いではないことを悟る。

だってーーー


「お母様、……その髪飾りーーー」


「あら、早速気づいたのね!うふふ。

そうよ、二人とお揃いで仕立ててもらってたの。

今朝出来上がったから、早速つけてきちゃった!」


お母様の艶やかな金髪をまとめるように留められていたのは私達のものと色違いで作られた、お揃いの髪飾り。


私は水色、メアリーはピンクと、それぞれの瞳と同じ色。

そしてお母様は、お父様の髪色と同じ銀色を基調としたデザインだ。


私はそれを知っていた。

ーーー初めて見たはずなのに。



………つまり、私はあのときーーー死んで、過去…七年前に、戻ってきたってこと?

……いったいなぜ?



信じられなくて、心臓がドクンドクンと嫌な音を立てる。


相変わらず私にしがみつくメアリーをなだめるように回した腕にも、無意識に力がこもった。


「………お姉様?」



私を見上げるメアリーの目元は赤く、お人形のようにクリンとしたまつ毛には大きな涙の粒がたまっていた。


擦らないように、指の先でそっと目尻をぬぐってやる。



「メアリー、大丈夫?」


思っていた以上に優しい声が出て、自分でも驚いた。



ーーー本当は、不安だったのだ。

最期の記憶が、あれ、だったから。


メアリーに会えば、自分が大きく取り乱してしまうんじゃないかーーーって。



でも、


(やっぱり…かわいくて仕方ないわ。)



あんな最期になってしまったけれど。

それでも、メアリーを憎いとは思えなかった。


それどころか、エドワード殿下と二人。

二人に幸せになってほしいと、そう思ってーーー



………そう。だから、私は。

あのとき「自分で死ぬ」ことを選んだのだー……。









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