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魔眼転生~第六王子の最強で最恐の力は最悪だった~それは死神を呼ぶ呪いの眼  作者: あんちゃん
第一章:王国崩壊と死神の目覚め

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第13話  未来への希望

◆◆◆第13話 未来への希望◆◆◆



 冬が終わり、6歳になる春がやって来た。

魔法レベルはまだ上がねえ。

いや、そう簡単に上がるのなら苦労はしないよな。

なんせ、魔法レベルなんてLv10までしかない。レベル10でカンストなんだ。

そしてレベル7~8が頑張って出来る到達点だと言う。

それが40代・普通の冒険者の僅かなトップ層らしい。

しかし、身体能力系ではレベルが無い為に、レベルと言うクラス分けが無い。

ここはラノベよろしく、Fランクから始まり、Aランクの最高到達点で終わるらしい。


「まあ、冒険者ギルドはあると思っていたけど、やっぱりあるんだな」


しかし、ギルドで登録も出来ないし、将来的にこの尖塔から解放されたとしても、実は周りが猛者揃いで新人いびりでぶちのめされる道もあるかも……


いやいや!俺は選ばれた主人公!

そんな事があってはならないのだ!



真面目にLv4の風牙でゴブリンを切り裂く!そして集団相手にLv2の水流をぶちまけ、Lv2の〇〇弾をぶち込み、Lv1の土塊生成で魔力を込めて固く作った塊を力任せにぶん投げる!


剣などがあっても良いが、学校の授業で剣道を少しやっただけで、いつも的になっていた俺に剣術の素質があるのは考えにくい。


「魔法使いでいいんだよ。ここで言うとブレイカーか。目立つけどカッコイイな」


見た目も大事なのだが、あいにく武器となりえる刀剣類がこの尖塔には無かった。



「まあ、魔物から剥ぎ取ると直ぐにバレるし、お金は要らないし。魔石は放置放置」


夜の危険なステージを満喫する。


もう少しレベルアップしたら更に森の奥へと進もうと順序を決めていた。




 そして長らく停滞していた魔法が揃って上がって来たのは、城壁の外に出るようになって3年後の9歳にもなった冬の事であった。



「水魔法がLv4の水刃、風魔法がLv5の疾風、土魔法がLv4の石槍、〇魔法がLv3の〇矢、そして魔眼Lvが4でホブゴブリンから更に奥に住んでいるオーク辺りも命を狩る事が出来るようになったな」


もちろん身体機能は人間を超越しているのは勿論、複雑な機器を必要とせずに、森の木々を蹴りながら立体的に飛び回る事が出来るようになった。

これも尖塔の補強工事のおかげだと思っている。


だが、なぜか焦る。

エーリヒに言わせると、魔眼の持ち主が生まれて15~20年でこの国に何かが起こるのはほぼ確定的だそうだ。

それは歴史の魔眼が生まれた10数件の史実を見ても全て大きな厄災などが起こっていることから見ても明らか。


あと、最低でも5年と少しでスタンピードなどの魔王軍が攻めてきても一人で耐えられるのか?

ひょっとして強靭な仲間が出来る可能性もあるが、それを頼っていると、全て予想が思っていたのと違う場合、全てアウトになってしまう。



気持ちばかりが焦って、魔の森へ特攻するが、奥にいるオーガやさらにデカいトロール相手にはLv4の刃系では少し力不足だった。もちろん魔眼も通用しない。


ここで少し魔眼の事を考えてみた。


即死魔法デスと言うのはほぼ間違いがない。なぜか将来の進化も分かり、Lv10ではエグい位の追加攻撃もはいるのだが、基本的に魂と肉体を切り離す攻撃が基本だ。


だが、出来る相手と出来ない相手もいる。これは身体の大きさでは無く、魂や生命力の違いなんじゃないかと思うのだ。

トロールはデカすぎだが、オーガはオークに比べて身体は小さい。でもオークは魔眼で殺せるのが不思議だったが、この考察で言うと、オーガの方が生命力が上だとすれば、魔眼のレベルが足らないと言う事なのだろう。


「まあ、レベルが上がって見れば分かるんだろう」



そして、四元素の中にある火の魔法だが、まだそれを得る方法が見つかっていなかった。


一度暖炉の中へ思い切って手を突っ込んでみたが、ただ火傷をしただけで終わった。

もちろん、歳を重ねて更に綺麗になったマリア姉さんの聖魔法で治してもらったのは言うまでもなかった。


「レオくんは危ない事をしたらダメでしょ。メッ!」


「はい、姉ちゃん」


「姉ちゃんじゃなくて、お姉たん」


「はいお姉たん」


「よくできました……ちゅっ」



すでにお姉たんは14歳。前世で言う所の思春期と言う奴だが、真っ当にダイア神に認められ、聖魔法を覚え、国中の負傷者や病気持ちの領民を助けている聖女と呼ばれだしていた。


だが、俺の前ではブラコンの危ない女だ。


ぬめっとベロが入ってくるわ、デカくなり始めた胸を押し付けてくれるわ、これはマジで俺と結婚をしようと目論んでる気が満々としていた。


お姉には悪いのだが、そこんところは俺は壊れていないので、やられるだけやられているのだが、肝心な息子は無反応のままだった。

そもそも、まだそう言う風になっていないのだが、お姉もそう言う知識がないのか、それとも結婚してからだと思っているのか、破廉恥な事にはならずに済んでいた。


隣にエーリヒがいてもお構いなしにチューしてくる。

ジト目で見られているのも慣れた。



 そして更に1年が過ぎようとしていた10歳の春。


少し前から何となく嫌な感じがしていた。

胸の中の黒い靄が騒ぎ、魔眼が城の方へと意識を向けさせる。

誰か死ぬのかと思っていると、突然母の崩御の知らせが入った。



「長い間、寝たり起きたりを繰り返すようになっていたそうですが、最近では食も細っており、みるみる痩せていたそうです……そして今朝、眠るように」


「そうかエーリヒ……父に……陛下にお悔やみを伝えてくれ、ここまで育ててくれた母には感謝の言葉しかありません。陛下もお元気でと」


流石のマリアも葬儀が終わるまではこの離宮へはやってこず、以前のようにエーリヒだけが毎食の食事を持って来るだけとなっていた。




喪も開けぬ数日後、それでも外での修行を行おうと窓から黒いローブを羽織り、トントンと城壁、そして地上へと降り立つ。



「またかい?実は俺のファンなんじゃないのか?お兄さん」


靄のような気配は感じていた。

そして実際その通りだった。


いつぞやの黒いローブの男が闇に紛れて城壁の側に立っていたのだ。



「くくくっ、良く分かったな」


「まあな。前回全く分からなかったからな。暫く悩んだぜ」


「で、分かるようになったのか?」


「ご覧の通りだ。ちっとはマシになっただろ?そろそろ名前でも教えてくれないか?」


「ああ、だいぶマシになった。立派だよ。俺はターナーって言うんだ」


「でターナーさんよ、何の用だ?」


「別に。何もしないさ。俺は傍観者だからな」


「傍観者?何の意味があって見ているんだよ」


「上からの指示とだけ」


「上から?」


「ああ、怖い怖い上司がいるのさ」


「で、なんになるんだ」


「さあな、お前に素質があるかどうかじゃね?」


「その素質とは何だよ」


「自分の胸に聞いてみな。おまえの本質だよ、それが育てば何も怖いものなんてのは無いぜ」


「魔法か!」


「さあな、お前の本質は何だ。何になろうとしているんだ?育たないと、あの世行きだぜ」


「だからそれはなんだってっ!――うっ……消えた」



肝心なところで一陣の風が、凍てつく風が吹いていた。

そして前と同じように男は消えていた。


だが、収穫はあった。


気配も掴めた。


何となくだが、薄い気配なのだが、それはなぜかとてつもなくデカかった。

奴は仮の姿とでも言うのか、肉体を持ってはいるが、他の人よりも希薄だった。まるで魂が無いかのように。そして何か別の存在が離れずに付いている。


例えればそんな感じ。

ボーっとしていたら分からないのではとも言える、希薄な気配と薄くデカい気配が混ざっているかのよう。


まあ、敵対する様子も殺気もないので放置で良いが、『お前は何になろうとしているんだ?育たないと、あの世行きだぜ』と言う言葉が気になる。


「分かってるなら教えろよな!」



後5年余り。

のんびりはしてられねえってか。


ここからラストスパートと行こうじゃねえか。出来ないのならあの世なんだろ?

なら力づくでも自分の命を奪いに行くしかねえ!


俺はザコと化したゴブリンを蹴り倒すと、風牙で道を切り開きながら、更に魔の森の奥へと進んでいった。


それが自分自身のかてとなると思いながら……


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