↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/93

(1)語る記憶

 これは僕の打ち明け話。僕だけが知っている、僕の秘密の打ち明け話。


 僕を示す一番簡単な言葉は、もちろんその名前。でも僕はその名前が嫌いだった。結局、今に至るまで、あまり好きにはなれなかった。


 友利、静。


口に出してみよう。ともり、しずか。口にした感覚は悪くない。でも、どんなあだ名がつけられるか、わかりきっている。小学生の頃、つまり僕の打ち明け話の舞台となる時期には、うんざりするほど『ちゃん』を付けられて呼ばれていた。


 もうみんな忘れているんだろうけれど、僕はしっかり覚えている。


 へらへら笑いながらちゃん付けで呼ばれ、僕はいつも本気で怒った。その態度自体が間違っていたと気がついたのは、もうそんな呼び方をすっかりされなくなった、中学校に入る直前のことだった。


 だから、というわけでもないけれど、その頃を思い出すと、憂鬱がまず最初に現れ、次に恥ずかしさで、頭も胸もいっぱいになる。おまけに後悔。一日一日が、そんな感情で満たされていた。


この感情の源にあったのは、その頃の僕が経験させられるハメになった、ある役割のせいだった。


 だから僕の打ち明け話は、その発端となった日から始めることにする。正確には、それは発端というよりも、予兆だったのだけれど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。