↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1601/1618

ヤバイ人

「あの……」


 着替えを手伝ってくれたナーランさんに声をかける。


「どこかきつい部分でもございましたか?」

「いえ、そうではなくて……他に着替えはないのでしょうか?」

「申し訳ございません!!」


 プーリーさんが床におでこを擦りつける。


「私の腕が未熟なばかりにこの一着しか用意できませんでした! 明日になれば複数からお選びできるようにいたしますのでなにとぞご容赦を!!」

「この衣装に文句があるわけではなくて、その……ボクには似合わないので」

「そんなことはありません! 急ごしらえではありますがお嬢様の愛らしさを引き立たせる最高のドレスになりました! 髪留め用のリボンも用意しましたし絶対似合いますって! いやマジで!」


 フリフリなリボンを持って力説してくる。

 ゲーム内でもいつも似たような服装をしているとはいえ、やっぱり恥ずかしいものは恥ずかしい。

 かといって、ずっと寝間着姿のままでいるわけにもいかない。

 他にないならフリフリなドレスで我慢するしかないようだ。

 恥ずかしい……。


「おはよーございま……ああああああああ!!!」


 部屋に入ってくるなりステアさんが叫んだ。

 やっぱりボクがこんなフリフリドレスを着るのは変でしかないようだ。


「ヤバくない!?」

「ヤバイヤバイ!」

「これもう……ねぇ?」

「たまんねぇっすわ!」


 プーリーさんと2人でひそひそしていた。

 とんでもなくヤバイらしい。

 カバンの中にある着替えはいつものドレスと初期ヒーラー服くらい。

 普段着用のカッコイイ装備を買っておけばよかった。

 鍛冶スキルでも取って自作の鎧でも作ろうかな。


「朝食の用意ができております。食堂までご案内いたします」

「ありがとうございます」


 ナーランさんたちについていく。

 ゲーム内で食事をするのは久しぶりな気がする。

 食べられないこともないけど味はしないし現実世界のおなかは膨れない。

 わざわざ食べる必要がない。

 料理スキルで何か作ることはあっても、だいたいの場合は軒下ネコさん(※1)にあげてしまうのが日常となっている。


「わぁ……」


 食堂に入ると、すっごく長い机があった。

 一度に何十人も食事ができそう。

 その一番端の部分だけに料理が並んでいる。


「お嬢様、こちらへ」


 その席に案内される。


「あの……みなさんの分は?」

「我々は使用人ですからお嬢様とご一緒はできません」

「そうなのですか」


 これだけ大きな部屋なのに1人食事するのは寂しい気がする。

 パーティーでも始まりそうなくらい豪華な朝食が並んでいるから余計にそう思うのかも。

 わりとめんどくさがり屋なのか毎回用意していしない主人公。


※1、軒下ネコ:町商人のお店の下にいる黒ネコ。

 鼻のところだけが白いちょっぴりぽっちゃり体型。人の言葉を話す。毒でも皿でもそろそろ油が切れるからとスーパーで買って帰ったら新品のストックがすでにあったときの微妙に切ない気持ちでもなんでも食べる。おいしい料理のお礼にレアアイテムをくれることもある。初登場は第52話・おりょうり納品

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。