おつかいの少女
休日の昼下がり。
部屋には金属が触れ合う小さな音が響いていた。
テーブルの上には分解されたアーティファクト。
ウェルトとゾイが向かい合いながらメンテナンスを進めている。
「ここ、少しガタが出てきてるな」
ウェルトが部品を回しながら呟く。
「ほんとだ」
ゾイも覗き込み、小さく頷いた。
「このまま使い続けたら命中精度も落ちそうだね」
二人は慣れた手つきで次々と部品を交換していく。
一方、その様子を眺めていたセレナは――
「……」
少しだけ見つめたあと、
テレビの前へ移動した。
役に立てそうにない。
そう思ったのだろう。
ソファへ座り、静かにニュース番組を見始める。
その間もメンテナンスは順調に進んでいた。
「ん?」
ゾイが部品箱を覗き込む。
「あれ?」
「どうした?」
ウェルトが顔を上げる。
「E-30のパッキンがない」
箱を何度探しても見当たらない。
「あれ?」
「買ってなかったっけ?」
ウェルトは少し考えてから頭を掻いた。
「あー……」
「悪い」
「買い忘れたかもしれん」
ゾイは大きくため息をつく。
「もう……」
「せっかく早く終わらせて今日はゆっくりしようと思ったのに」
そのやり取りをテレビの前で聞いていたセレナが振り向いた。
「私が買ってこようか?」
二人は同時に振り返る。
「え?」
ゾイが少し驚く。
「一人で行ける?」
セレナは小さく頷いた。
「大丈夫」
「地図の見方は教えてもらった」
以前、街を歩く練習も兼ねてウェルト達が何度か教えていた。
その成果を試したかったのかもしれない。
ウェルトは笑う。
「なら任せればいいじゃないか」
「その間に俺達は他のアーティファクトも終わらせられる」
ゾイも少し考えたあと笑顔になった。
「そうだね」
「じゃあお願いしようかな」
メモ帳を取り出し、
部品名を書き込む。
続いて店までの簡単な地図も描いた。
「このお店だよ」
「分からなかったら店員さんに、この紙を見せれば大丈夫」
「うん」
セレナは真剣な顔で紙を受け取る。
ゾイは財布からお金を取り出した。
「これで買ってきて」
そして少し笑って付け加える。
「余ったお金はセレナのお小遣いね」
セレナは目を少しだけ丸くした。
「いいの?」
「うん」
「おつかいしてくれるお礼」
その言葉に、セレナは嬉しそうに頷いた。
「任せて」
そう言うと靴を履き、
玄関のドアを開ける。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
パタン。
ドアが閉まる。
静かになった部屋。
その数秒後だった。
ゾイがぽつりと呟く。
「……心配だなぁ」
ウェルトも苦笑する。
「まぁ、道は覚えてるだろ」
その時。
テレビからニュースキャスターの声が流れた。
『続いてのニュースです』
『市内では子どもを狙った誘拐事件が相次いでいます』
『犯人は現在も不明で――』
画面には防犯カメラの映像。
警察車両。
注意喚起のテロップ。
『保護者の方は、お子様だけでの外出をできるだけ控え――』
ウェルトとゾイの動きが止まる。
「……」
「……」
二人はゆっくりと顔を見合わせた。
そして。
ウェルトがあることを思い出す。
「あ」
ゾイも同時だった。
「あっ」
「セレナのアーティファクト……」
「今、調整中じゃねぇか」
テーブルの上には。
セレナのアーティファクトが置かれていた。
つまり。
今のセレナは丸腰。
完全に無防備で街へ出ている。
しばらく沈黙。
ゾイが苦笑する。
「……どうする?」
ウェルトも腕を組む。
「止めるか?」
「でも」
ゾイは窓の外を見る。
「せっかく一人で頑張ろうって張り切ってたのに」
「途中で連れ戻すのは可哀想だよね」
ウェルトも頷く。
「そうなんだよな」
二人はしばらく考え込む。
そして。
ほぼ同時に口を開いた。
「後ろから見守るか」
「後ろから見守ろう」
声が重なる。
「よし」
ウェルトは立ち上がる。
「本人には気付かれないようにな」
「うん」
ゾイも頷く。
「初めてのおつかいだもん」
「ちゃんと最後までやらせてあげよう」
二人は静かに家を出る。
少し離れた場所から。
銀髪の少女の、小さな冒険を見守るために。
セレナは端末とゾイが描いてくれた地図を何度も見比べながら街を歩いていた。
「えっと……」
立ち止まっては地図を見る。
少し歩いてまた確認する。
慎重そのものだ。
その少し後方。
電柱や建物の陰に隠れながら二つの影が続いていた。
ウェルトとゾイである。
「うわっ!」
ゾイが思わず声を漏らす。
「あっちは反対方向だよ!」
小声ながら必死だ。
ウェルトも額に汗を浮かべる。
「まずい……」
「まずいぞ……」
二人は見守るだけと決めていた。
だから助けるわけにもいかない。
ただ祈るように見守る。
すると。
セレナが立ち止まった。
もう一度地図を確認する。
「……!」
くるりと向きを変えた。
「戻った!」
ゾイが胸をなで下ろす。
「気付いた!」
ウェルトも大きく息を吐いた。
「危なかった……」
ようやく安心した、その時だった。
「――ちょっと、いいですか?」
背後から低い声が掛かる。
二人が同時に振り返る。
そこには憲兵が二人立っていた。
腕を組み、じっとこちらを見ている。
「何か?」
ウェルトが平静を装う。
しかし憲兵の表情は険しい。
「少女を物陰から尾行している二人組がいると通報がありまして」
「お話を伺えますか?」
ゾイとウェルトは顔を見合わせた。
……しまった。
完全に不審者だった。
ウェルトは慌てて両手を振る。
「違う違う!」
「俺たちは怪しい者じゃない!」
すると若い憲兵が一歩前へ出る。
「怪しくない人は普通、少女を尾行しません」
正論だった。
「……」
「……」
反論できない。
ゾイも苦笑するしかない。
「いや、その……事情があって……」
完全に言い訳だった。
空気がどんどん悪くなる。
その時。
ウェルトが何かを思い出した。
「あ」
すぐに端末を取り出す。
「悪い、ちょっと待ってくれ」
素早く誰かへ発信する。
数回の呼び出し音。
『……はい』
聞き慣れた声だった。
「バリル、助けてくれ」
『……何をしたんですか』
呆れた声が返ってくる。
事情を手短に説明すると、
『……』
数秒の沈黙。
『端末を憲兵の方へ渡してください』
ウェルトは素直に端末を差し出した。
憲兵は怪訝そうに受け取る。
「もしもし?」
画面には軍服姿のバリルが映っていた。
「私です。バリルです」
その姿を見た瞬間。
憲兵の表情が変わる。
「お、お疲れ様です!」
思わず敬礼する。
バリルは淡々と説明した。
「その二人は私の知人です」
「尾行している少女も同じチームの所属です」
「事件性はありません」
「問題ありませんので、解放してください」
「承知しました!」
「ほかの仲間にも伝えておきます!」
憲兵は即座に敬礼した。
通話を終え、端末をウェルトへ返す。
「失礼しました」
深々と頭を下げる。
ゾイも慌てて頭を下げ返した。
「いえいえ!」
「僕たちの方が紛らわしかったので!」
憲兵たちは苦笑しながら去っていく。
ウェルトは端末へ向かって礼を言う。
「助かった」
画面の向こうでは、バリルが盛大にため息をついていた。
『こんなことで軍を使わないでください』
「今度奢る」
『結構です』
『仕事中ですので切ります』
ぷつっ。
通話が切れた。
ウェルトは苦笑する。
「怒られたな」
「当然だよ……」
ゾイも苦笑した。
二人はすぐにセレナを探す。
「あ!」
ゾイが指差した。
「いた!」
少し先。
信号待ちをしているセレナの姿が見える。
「よかった……」
そう安心しかけた瞬間。
ウェルトの表情が固まった。
「……いや」
「よく見ろ」
セレナのさらに後ろ。
数メートル離れた位置。
一人の男が、鼻息を荒くしながらぴったり後をついて歩いている。
目は完全にセレナだけを見ていた。
ゾイも思わず息を呑む。
「……あれ」
「完全に不審者じゃない?」
ウェルトは目を細める。
そして数秒後。
「あいつ……」
思い出した。
「セレナの椅子になりたいとか言ってた奴だ!」
「あ!」
ゾイも思い出す。
「ギルド面接の時の!」
男は一定の距離を保ちながら、鼻息を荒くして後をついていく。
本人は隠れているつもりらしい。
全然隠れられていない。
「……行くぞ」
「うん」
二人は静かに距離を詰める。
そして。
ガシッ。
男の肩を義手が掴んだ。
「おい」
低い声。
男がゆっくり振り返る。
そこには。
満面の笑みを浮かべたウェルトとゾイが立っていた。
笑顔だった。
だが。
目だけは全く笑っていない。
「ちょっと」
「こっち来てくれる?」
男の顔から一気に血の気が引く。
「ぶ、ぶひっ……」
嫌な汗が滝のように流れた。
――数分後。
信号待ちをしているセレナは、そんな騒動など露知らず。
真剣な表情で地図を見つめていた。
その少し離れた物陰では。
ウェルトとゾイが手をパンパンとはたきながら戻ってくる。
「これでよし」
「うん」
二人は何事もなかったように再び尾行を開始する。
少し離れた場所。
街角のゴミ箱からは、男の足だけがぴょこんと飛び出していた。
どうやら逆さまに突っ込まれているらしい。
もちろん。
セレナは最後まで、そのことに気付くことはなかった。
数分後。
目的の商店街へと辿り着いたセレナは、端末とゾイから渡された地図を何度も見比べながら歩いていた。
「……こっち」
小さく呟き、一歩ずつ確かめるように進んでいく。
その少し後方。
二つの人影がぴたりと付いてきていた。
「いいぞ、その調子だ……」
ウェルトが小さく拳を握る。
「あと少しでお店だよ」
ゾイもほっとしたように笑う。
順調だ。
ここまでは何も問題ない。
そう思った――その時だった。
「……ねぇ、何やってるの?」
聞き慣れた声。
二人が同時に振り返る。
そこには、アディが立っていた。
「お前こそ、こんな所で何してる」
ウェルトが聞き返す。
「私はコールたちのお見舞い帰りよ」
アディは後ろを指差した。
「あそこのカフェでコーヒー飲みながら外を見てたら、あなた達が物陰からこそこそ歩いてるんだもの。気になって来ちゃった」
なるほど。
それなら見つかっても不思議ではない。
ゾイは前方を指差した。
「あそこ」
アディが視線を向ける。
そこには、真剣な表情で地図とにらめっこしながら歩く銀髪の少女。
「セレ――」
思わず叫びそうになった瞬間。
ウェルトとゾイが同時に人差し指を口元へ当てた。
「シーッ!」
「静かに!」
アディが慌てて口を押さえる。
「え、何?」
ゾイが小声で説明した。
「今日はセレナの初めてのおつかいなんだ。」
「心配だから、後ろから見守ってるの」
その瞬間。
アディの瞳がきらりと輝いた。
「なにそれ!」
「最高のイベントじゃない!!」
「私も参加する!!」
こうして尾行班は二人から三人へ増員された。
客観的に見れば、物陰から少女を追い掛ける大人三人。
完全に不審者である。
しかし当人達はそんなことなど微塵も気にしていなかった。
今、大事なのは。
セレナがおつかいを成功させられるか。
ただそれだけだった。
やがて。
セレナが立ち止まる。
「あった」
目的の店を見つけたようだ。
そのまま自動ドアをくぐって店内へ入っていく。
それを見届けた瞬間。
ウェルトとアディは思わず顔を見合わせた。
パンッ!
勢いよくハイタッチ。
「よし!」
「第一関門突破!」
二人はガッツポーズまで決める。
だが。
「まだだよ」
ゾイが冷静に止めた。
「お目当ての商品を購入するのも大事なミッションだから」
その一言で二人も我に返る。
「……確かに。」
「まだ油断はできないわね。」
三人は慎重に店内へ入った。
もちろん。
セレナに気付かれないように。
棚の陰から様子を見守る。
セレナは紙を取り出す。
そこに書かれた商品名を見る。
次に棚の札を見る。
また紙を見る。
棚を見る。
その繰り返し。
ゆっくり。
慎重に。
店内を歩いていく。
「あぁ……」
アディが頭を抱えた。
「セレナちゃん、そっちじゃないわ!」
「そこは工具売り場よ!」
思わず飛び出しそうになる。
ウェルトも腕を組みながら唸る。
「もう少し奥なんだが……」
「気付けるか……?」
だが。
セレナはなかなか目的の棚へ辿り着けない。
三人の緊張が高まる。
その時だった。
セレナがふと顔を上げる。
「あ」
小走りでどこかへ向かっていく。
「どこ行くの?」
ゾイが首を傾げる。
その先にいたのは。
名札を付けた女性店員だった。
「あっ」
ゾイも思い出す。
「困ったら店員さんに聞くんだよって教えたんだった」
セレナは店員の前で立ち止まり、紙を差し出した。
「あの……これ」
女性店員は優しくしゃがみ込み、セレナと目線を合わせる。
その瞬間。
(か、可愛い……!!)
胸を撃ち抜かれた。
一瞬。
紙をラブレターか何かと勘違いしかける。
しかし、よく見ると商品名が書かれていた。
「探してるの?」
「うん」
「これ」
店員はすぐに笑顔になった。
「それならこっちだよ」
優しく案内する。
セレナも素直についていく。
そして。
目的の商品棚へ到着した。
「あった」
商品を手に取ると。
そのまま店員と一緒にレジへ。
「これ、ください」
店員は微笑みながら商品を受け取る。
「一人で来たの?」
「うん」
「一人で買い物」
その返事だけで店員は胸がいっぱいになった。
「えらいねぇ……!」
「今日は頑張ったから、お姉さんが少しサービスしちゃおうかな」
店員は割引処理を行い、綺麗に包装して商品を渡す。
セレナは丁寧にお金を払い、お釣りを受け取る。
「ありがとう」
「また来てね」
店員が手を振る。
セレナも小さく手を振り返した。
「うん」
そう言って店を後にする。
それを見届けた三人は。
一斉にレジへ駆け寄った。
突然押し寄せる大人三人に店員は目を丸くする。
「え、えっと……?」
アディは両手で店員の手を包み込むように握った。
「誘導してくださって、本当にありがとうございました!」
突然の感謝に店員はきょとんとする。
だが。
店を出ていくセレナの後ろ姿と、この三人を見比べるうちに。
なんとなく事情を察した。
「いえいえ」
店員は優しく微笑む。
「私も、あんな素敵なお嬢さんに会えて嬉しかったです」
「こちらこそありがとうございました」
三人は深々と頭を下げた。
そして再び店を飛び出す。
その背中を見送りながら店員は小さく笑う。
「仲のいい家族……なのかな?」
一方その頃。
店の外。
セレナは何事もなかったかのように帰り道を歩いていた。
その少し後ろでは。
「よし!」
「買い物成功!」
ウェルトとアディが小さくガッツポーズを交わす。
しかし。
ゾイだけはまだ気を緩めていなかった。
「二人とも」
「おつかいは家に帰るまでがおつかいだよ」
その一言で。
ウェルトとアディは真顔になる。
「……確かに。」
「まだ終わってなかったわ。」
こうして三人は再び物陰へ身を隠し。
最後までセレナのおつかいを見届けるため、尾行を再開するのだった。
帰り道。
セレナは大事そうに買った部品の袋を抱えながら家へ向かって歩いていた。
その少し後ろでは。
「よし……」
「ここまで来ればもうすぐ家だ」
ウェルトが安堵の息を吐く。
ゾイも胸をなで下ろした。
「無事に買い物も終わったね」
しかし。
その瞬間だった。
「あ」
ゾイの表情が固まる。
「どうした?」
ウェルトとアディが同時に振り返る。
ゾイは青ざめた顔で言った。
「僕たち……」
「先に家へ帰ってないと変じゃない?」
「……」
「……」
二人も固まる。
数秒後。
「しまった!!」
ウェルトが頭を抱えた。
「俺たちが後から帰ったら尾行してたのがバレる!」
アディも慌てて頷く。
「しかも同じ道を追い越したら、それはそれで怪しまれるわ!」
三人は地図を確認する。
「回り道だ!」
ウェルトが叫ぶ。
「この裏道なら先に着ける!」
ゾイが素早くルートを確認する。
「でも、かなり遠回りになるよ!」
アディが拳を握る。
「やるしかないわ!」
三人は顔を見合わせた。
そして――
「急げぇぇぇぇぇぇぇ!!」
全力疾走。
街中を三人の大人が本気で駆け抜ける。
「はぁ……!」
「ぜぇっ……!」
「セレナより先に!」
「気付かれるな!」
「走れぇぇぇ!!」
信号を渡り。
路地を抜け。
階段を駆け上がり。
息を切らしながら走り続ける。
まるで命懸けの任務だった。
そして――
数分後。
バンッ!!
勢いよく玄関を開ける。
「間に合っ……」
「はぁ……!」
「ぜぇぇ……!」
三人はそのままリビングへ雪崩れ込む。
ウェルトはソファへ。
アディは椅子へ。
ゾイはリビングの床へ崩れ落ちた。
誰一人動けない。
肺が悲鳴を上げていた。
その数十秒後。
ガチャ。
玄関の扉が開く。
「ただいま」
セレナだった。
買い物袋を抱えたままリビングへ歩いてくる。
そして。
目の前の光景に首を傾げた。
リビングには。
息を切らしながら倒れ込んでいる三人。
「……?」
セレナは不思議そうに瞬きをする。
「みんなどうしたの?」
ゾイが必死に笑顔を作る。
「ぜぇ……ぜぇ……」
「ちょっと……運動を……」
声がほとんど出ていない。
ウェルトも肩で息をしながら答えた。
「最近……運動不足でな……」
「少し……走ってきた……」
セレナは「そうなんだ」と小さく頷く。
納得したようだった。
そして今度はアディの前まで歩いていく。
「アディ」
「遊びに来たの?」
「……」
アディは固まった。
そこでようやく気付く。
――自分は別に家にいる必要はなかった。
ウェルトとゾイは住人だから先に帰る理由がある。
でも。
自分はない。
一緒に全力疾走する必要など最初からなかった。
「……」
「……」
数秒の沈黙。
「そ、そうなのよ!」
アディは乾いた笑みを浮かべる。
「遊びに来ちゃった!」
「えへへ……」
完全にごまかすしかなかった。
「そうなんだ」
セレナは素直に信じたように頷く。
こうして。
初めてのおつかいは無事終了した。
成功した代償として残ったものは――
深夜まで続くアーティファクトの調整と。
三人分の激しい筋肉痛と。
翌日まで続く疲労だけだった。




